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こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。
夜静かな時に、ふとキッチンの方から「チョロチョロ」と水が流れるような音や、「ボコボコ」と何かが沸騰するような音が聞こえてきて、ドキッとした経験はありませんか。特に、深夜の静寂の中で冷蔵庫から聞き慣れない異音がすると、「もしかして水漏れしているんじゃないか」「そろそろ故障してしまうのかも」と不安になってしまいますよね。
リビングでくつろいでいる時や、寝室で眠りにつこうとした瞬間にこの音が耳に入ると、気になって眠れなくなってしまう方も多いはずです。実は、冷蔵庫からする水の音には、正常な運転音として放置して良いものと、すぐに点検が必要な危険なサインの2種類が存在します。
今回は、多くのメーカーで発生しうる「うるさい音」の正体や、日立や三菱、パナソニックといった主要メーカーごとの特徴についても触れながら、現役販売員兼エンジニアである僕の視点で詳しく解説していきます。
この記事に書いてあること
- 正常な「水の音」と危険な「異音」を正確に聞き分ける判断基準
- メーカーごとに異なる独自の音響特性と設計上の理由
- 今すぐ実践できる防振対策と自分でできる簡単なチェック方法
- 修理を依頼すべきタイミングと買い替えを検討する際の具体的な目安
冷蔵庫から水の音が聞こえる原因と仕組み

冷蔵庫から聞こえる「水のような音」のほとんどは、実は故障ではなく、冷蔵庫が冷えるために一生懸命働いている証拠です。
ここでは、なぜ冷やすだけなのに水の音がするのか、そのメカニズムをエンジニア視点で分かりやすく紐解いていきます。
チョロチョロ音は故障ではない
冷蔵庫の奥から聞こえる「チョロチョロ」という音は、まるで小川が流れているかのような音に聞こえるため、水漏れを心配されるお客様が非常に多いです。
夜中にこの音が聞こえると「どこかで水が出しっぱなしになっているのでは?」と洗面所や台所を確認しに行ってしまった、なんて話もよく聞きます。しかし、結論から言うとこれは正常な運転音であり、全く心配いりません。

この音の正体は、冷蔵庫を冷やすための「冷媒(れいばい)」というガスや液体が、配管の中を流れている音です。現在、家庭用冷蔵庫の冷媒には主に「イソブタン(R600a)」という物質が使われています。冷蔵庫は、この冷媒をコンプレッサーで圧縮して高温高圧にし、それをコンデンサーで冷やして液体にし、最後に「キャピラリーチューブ」や「膨張弁」と呼ばれる非常に細い管を通して一気に減圧することで温度を下げています。
この細い管から広い蒸発器(エバポレーター)へと冷媒が噴出される際、高圧から低圧へと急激に環境が変化するため、冷媒は液体と気体が混ざり合った「気液二相流」という状態で激しく流動します。この時、水道の蛇口を少しだけ開けた時に「シュー」と音がするのと同じ原理(キャビテーションやジェット流に近い現象)で、流体音が発生するのです。さらに、液体状になった冷媒が重力に従って配管内を上から下へ流れ落ちる際にも、文字通り「水が流れる音」が発生します。
特に最近の冷蔵庫は省エネ性能を高めるために、モーターやコンプレッサーの制御が非常に繊細になっています。冷やす必要がない時はゆっくりと冷媒を流し、急いで冷やす時は勢いよく流す。この流量の変化によって、チョロチョロという音のリズムや大きさも変わるため、「昨日は聞こえなかったのに今日は聞こえる」という現象が起こり得ます。これは冷蔵庫がその時々の庫内温度に合わせて、最適な仕事をしている証なのです。
ここがポイント
「チョロチョロ」や「シュー」という音は、冷媒が元気に循環してしっかり冷やしている証拠です。むしろ、この音が聞こえるうちは冷蔵庫の心臓部である冷凍サイクルが正常に機能していると言えます。
もしこの音が全く聞こえなくなり、同時に冷えも悪くなった場合の方が、ガス抜けなどの深刻な故障を疑うべき状況です。
ボコボコという沸騰音の正体
「ボコボコ」「ポコポコ」、あるいは「グツグツ」という、お鍋でお湯を沸かしているような音が聞こえることもあります。これもまた、冷蔵庫の冷却サイクルにおける正常な現象の一つです。ユーザー様の中には「冷蔵庫の中で何かが煮えている音がする!」と慌ててお問い合わせをいただくことがありますが、物理的に見れば、まさにその通り「沸騰」している音が聞こえているのです。
冷蔵庫は「気化熱」を利用して冷やしています。汗が乾く時に肌がひんやりするのと同じ原理で、液体が気体に変わる(蒸発する)ときに周囲から熱を奪う性質を利用して、庫内の熱を吸収しています。この熱交換の舞台となるのが、庫内の奥にある「蒸発器(エバポレーター)」という部品です。ここでは、液状で送られてきた冷媒が、庫内の熱を奪って急激に沸騰し、気体へと変化しています。
水が100℃で沸騰してボコボコと泡立つように、冷媒もマイナスの温度領域で激しく沸騰しています。この時に発生する気泡の生成と破裂、そして配管内を移動する際の振動が、金属の配管や断熱材を伝わって外部に漏れ聞こえてくるのが、この「ボコボコ音」の正体です。この音は、冷蔵庫がまさに今、熱を一生懸命吸い取っている瞬間の音だと言い換えることができます。
特に夏場や、ドアを頻繁に開け閉めした後、あるいは温かい食品をたくさん詰め込んだ直後は、冷蔵庫内の温度が上昇しています。センサーがこれを検知すると、コンプレッサーの回転数を上げて冷媒の循環量を増やし、「急いで冷やさなきゃ!」とフルパワーで運転モードに入ります。すると、蒸発器内での沸騰の勢いも増すため、通常時よりも大きく、激しいボコボコ音が聞こえる傾向があります。これは故障ではなく、冷蔵庫が負荷に対応しようと頑張っているサインですので、庫内が冷えるにつれて徐々に音は小さくなっていきます。
昔の冷蔵庫に比べて最近の冷蔵庫(特にインバーター制御モデル)は、コンプレッサーの機械音やファンの風切り音が技術の進歩で非常に静かになりました。
その結果、これまでは他の騒音に埋もれて聞こえなかった相対的に小さな「冷媒の沸騰音」が、静かな環境下で際立って耳につきやすくなり、「昔はしなかった音がする」と不安になる方が増えています。
これは静音化技術が進んだがゆえの、皮肉な現象とも言えます。
霜取り時のポタポタ音と流れ
冷蔵庫は定期的に自動で「霜取り(除霜)」を行っています。冷却器についた霜をヒーターで溶かす作業ですが、この時にも特有の音が発生します。「冷蔵庫は冷やす機械なのに、なんでヒーター?」と思われるかもしれませんが、冷却器に霜がつきすぎると冷却効率が落ちてしまうため、1日に1回~数回程度、一時的に冷却を止めてヒーターの熱で霜を溶かしているのです。

この工程では、カチカチに凍っていた霜や氷が溶けて水になります。その水滴が、冷却器の下にある樋(とい)を通って、さらに下の受け皿(ドレンパン)へと落下する際に、「ポタポタ」「ピチャピチャ」という滴下音が発生します。また、高温になったガラス管ヒーターや金属パイプに冷たい水滴が落ちると、「ジュッ」「ジュー」という、まるで熱したフライパンに水を垂らしたような蒸発音が聞こえることもあります。
これらの音は、冷蔵庫の構造上どうしても発生してしまうものであり、庫内で発生した水を適切に排出処理している証拠です。最近の冷蔵庫は断熱性能が高いため、こうした内部の音が外に漏れにくくはなっていますが、夜間などの静かな環境ではどうしても聞こえてしまうことがあります。霜取り運転は通常30分から1時間程度で終了し、その後は通常の冷却運転に戻るため、音が一時的であれば全く問題ありません。
ただし、もしこの「ポタポタ」という音が冷蔵庫の外側や、床に近い部分から聞こえ、かつ実際に床が濡れている場合は話が別です。これは内部のドレンホースが外れていたり、ドレンパンが割れていたりする物理的な水漏れの可能性があります。音が「庫内の奥」や「背面の壁の中」から聞こえている分には、正常な霜取り運転の音と判断して問題ありませんが、音の発生源が「外」に近い場合は、念のため懐中電灯などで床面を確認することをおすすめします。
メーカー別の音の特徴と傾向

基本的な冷却の仕組みはどのメーカーも同じですが、独自の付加機能やコンプレッサーの配置、制御プログラムの違いによって、音の聞こえ方には明確な「個性」があります。私が家電量販店の店頭でよく受ける相談内容や、メーカーごとの設計思想に基づいた特徴を整理しました。
| メーカー | 特徴的な音と原因 |
| パナソニック | コンプレッサーを本体上部に配置する「トップユニット方式」を採用している機種が多いのが特徴です。 これにより最上段の奥まで手が届きやすくなっていますが、音源であるコンプレッサーが人間の耳の高さに近くなるため、インバーター特有の高周波音(キーン)や冷媒の流動音が、他社に比べて聞こえやすい傾向があります。 |
| 日立 | 独自機能「真空チルド」搭載機種では、チルドルーム内の空気を抜くために専用の小型真空ポンプが稼働します。 この際、「プー」「ブー」という独特の機械音が定期的に発生します。 また、取扱説明書等で冷媒の流れる音を「肉を焼くような音」と具体的に表現しており、比較的力強い音がすることがあります。 |
| 三菱電機 | 「切れちゃう瞬冷凍」や独立した製氷室など、部屋ごとの温度管理が細かいため、冷気の流れを切り替えるダンパー(弁)の作動音「カッ」「コン」や、製氷給水ポンプの音が聞こえることがあります。 全体的に静音設計が進んでいる分、こうした微細な制御音が逆に気になりやすいという側面もあります。 |
| シャープ | 「プラズマクラスター」搭載機種では、庫内のイオン発生ユニットから「ジージー」「チリチリ」という放電音が断続的に発生します。 これを電気系統のショートや虫の鳴き声と勘違いされるケースが多いですが、空気を浄化している正常な作動音です。 また、冷媒音を「泡が吹き出すような音」と表現することもあります。 |

メーカーごとの「あるある」を知っておくと、無駄な不安を感じずに済みます。
「うちの冷蔵庫、変な音がする!」と思っても、それがそのメーカー特有の「仕様」であることは非常に多いです。
取扱説明書の巻末付近にある「故障かな?と思ったら」のページには、その機種特有の音が擬音語付きで詳しく紹介されているので、一度確認してみることを強くおすすめします。
コンプレッサー停止時の音
冷蔵庫が「ブーン」という運転音を止めて急に静かになった瞬間、その直後に「グググ」「コポコポ」「ギュルギュル」といった、低く唸るような音が聞こえることがあります。これはコンプレッサーが停止した直後に発生する、圧力バランスの調整音です。
コンプレッサーが運転している間、配管内の冷媒は「高圧側」と「低圧側」に分かれて循環しています。しかし、運転が停止すると、コンプレッサーによる圧力がなくなるため、高圧側の冷媒が低圧側へと一気に流れ込み、配管内の圧力が均一になろうとします。この時、ガスや液体が配管内を逆流したり、滞留していた液冷媒が重力で配管の下の方へ落下したりすることで、少し重苦しい、何かがのたうち回るような音が鳴るのです。
これは車で言うところの、エンジンを切った後の排気音の余韻や、熱くなったマフラーが冷える時の「キン、キン」という音に近いもので、物理現象として避けられないものです。むしろ、圧力が正常に平衡状態に戻ろうとしている証拠であり、サイクルが健全であることの証明でもあります。「止まったはずなのに音がする」と不気味に感じるかもしれませんが、通常は数分以内に収まりますので、そのまま放置して問題ありません。
冷蔵庫から水の音で注意すべき異常と対策

ここまで「正常な音」について詳しく解説してきましたが、中には「放置してはいけない水の音」も残念ながら存在します。
ここからは、修理やメンテナンスが必要な危険なサインの見分け方と、私たちが家庭でできる具体的な対策について解説します。
水漏れの前兆となるゴボゴボ音
もし、先ほど説明した「ボコボコ(軽快な沸騰音)」ではなく、排水溝が詰まった時のような、重く濁った「ゴボゴボ」という音が断続的に聞こえる場合は、警戒レベルを上げてください。さらに、冷蔵庫の中(特に野菜室の底や、一番下の冷凍室の床面)に水が溜まっていたり、ドアを開けた時にカビ臭いにおいがしたりする場合は、「ドレンホースの詰まり」が発生している可能性が非常に高いです。
冷蔵庫の霜取り運転で発生した水は、通常であれば「ドレンホース」という排水管を通って、冷蔵庫の背面下部にある蒸発皿へとスムーズに流れていきます。しかし、長年使用していると、庫内の野菜くずやホコリ、そして水垢を栄養源とする雑菌が繁殖し、ゼリー状の「バイオフィルム(スライム)」やカビの塊を形成することがあります。
この汚れの塊がドレンホースの屈曲部や出口付近に蓄積すると、ダムのように水の流れを堰き止めてしまいます。水がスムーズに流れ落ちず、空気を巻き込みながら狭い隙間を辛うじて通過する際に、あの不快な「ゴボゴボ」という音が発生するのです。
この状態を放置すると、いずれホースは完全に閉塞し、行き場を失った除霜水が庫内へと逆流します。最終的にはドアパッキンの隙間から庫外へ溢れ出し、キッチンの床を水浸しにする「漏水事故」につながります。
危険サイン
「ゴボゴボ音」+「庫内の水たまり」はセットで発生することが多いです。この状態を見つけたら、まずは庫内の水を雑巾で吸い取りましょう。
その上で、もし技術に自信があれば背面カバーを外してドレンホースの掃除を行うか、難しければすぐにメーカーや購入店へ点検を依頼してください。放置すると床材の腐食や階下への水漏れなど、被害が拡大する恐れがあります。
故障の可能性がある異音の種類
「水の音」と混同しやすいですが、明らかに機械的な不具合を示唆している異音も存在します。これらは冷蔵庫が発するSOSサインであり、放置すると冷蔵庫としての機能(=冷やすこと)が停止してしまうリスクがあります。
聞き分けるべき代表的な2つの異音について、詳しく解説します。
1. カラカラ・カランカラン(異物接触音)
「製氷機の氷が落ちた音かな?」と最初は思うかもしれません。しかし、もしその「カラカラ」「カランカラン」という乾いた音が、数分おき、あるいは長時間連続して聞こえる場合は、冷却ファンに何かが接触している可能性が非常に高いです。
冷蔵庫の奥には、冷気を循環させるためのファンが回っています。霜取り機能の不具合(センサー故障やヒーター断線)などが原因で、冷却器周辺に本来溶かされるはずの霜が巨大な氷の塊(アイス・ビルドアップ)として成長し、それが回転するファンの羽根に物理的に当たっている状態です。
これを放置すると、ファンの羽根が破損するだけでなく、無理に回ろうとするファンモーターが過熱して焼き付き、故障します。ファンが止まると冷気が循環しなくなるため、冷蔵庫全体が全く冷えなくなります。診断のポイントは、多くの機種で「ドアを開けるとファンが止まる」仕様になっていることを利用します。もし、「ドアを開けた瞬間に音がピタリと止まり、閉めるとまた鳴り出す」のであれば、ほぼ間違いなくファン周りのトラブルです。
2. ブーン・ガリガリ(コンプレッサー異常)
冷蔵庫の背面下部から聞こえる「ブーン」という音は、通常であればコンプレッサーの運転音です。しかし、これが以前よりも明らかに大きく、隣の部屋まで響くような重低音に変わったり、振動を伴って床がビリビリ震えたりする場合は危険信号です。
さらに、「ブーン」という音に混じって、金属同士が擦れるような「ガリガリ」「キンキン」という音が聞こえる場合、コンプレッサー内部のピストンやベアリングが摩耗・破損している可能性があります。あるいは、コンプレッサーを支えている「防振ゴム」が経年劣化でちぎれてしまい、振動が直接本体フレームや床に伝わっているケースも考えられます。
この音がし始めると、冷却効率が極端に落ちて電気代が跳ね上がったり、ある日突然コンプレッサーが動かなくなって冷蔵庫がただの箱になってしまったりするリスクがあります。「最近、冷蔵庫の音がうるさくてテレビの音が聞こえにくい」と感じたら、寿命が近づいているサインかもしれません。
音がうるさい時の防振対策

「故障ではないと分かったけれど、どうしても夜中に音が気になって眠れない……」という繊細な悩みを持つ方も多いと思います。特にワンルームや、寝室とキッチンが近い間取りでは切実な問題ですよね。そこで、僕が店頭でお客様にアドバイスしている、今日からできる効果的な静音化テクニックをご紹介します。
今日からできる静音化テクニック
- 防振ゴム・マットを敷く: 冷蔵庫の脚の下に、ホームセンターなどで売っている「家電用防振マット(高硬度ゴムとフェルトの複合材など)」を敷きます。
特にフローリングの床は振動を伝えやすく、床全体がスピーカーのように共鳴してしまうことがあります。マットを敷くことで、この「固体伝搬音」を劇的にカットできます。 - 周囲のクリアランスを確保する: 冷蔵庫の側面や背面が壁や食器棚、カーテンに接触していないか確認してください。接触していると、コンプレッサーの振動が壁に伝わって「ビビリ音」の発生源となります。
左右と背面にメーカー推奨の隙間(通常5mm~2cm程度)を確保することは、放熱効率を高めてコンプレッサーの負荷を下げる効果もあり、結果的に静音化につながります。 - 庫内の整理整頓: 意外と見落としがちなのが、ドアポケットに入れたガラス瓶や缶詰です。これらが互いに触れ合っていると、コンプレッサーの微細な振動で共振し、「カチカチ」「カタカタ」と不快な音を出し続けます。
収納物の間隔を少し空ける、あるいは仕切りやフェルトを貼ることで、嘘のように音が消えることがあります。
修理が必要な場合と費用相場
自己診断の結果、明らかに異常があると判断した場合、次に気になるのは「修理代がいくらかかるのか」ですよね。出張修理を依頼すると、技術料や出張費だけで数千円かかるのが一般的です。
エンジニアとしての経験から、主要な修理箇所の概算費用をお伝えします。
| 修理内容 | 概算費用(税込) | 備考 |
| 水漏れ・詰まり除去 | 8,000円 ~ 17,000円 | 部品交換を伴わない、ドレンホースの清掃や位置調整のみの場合。 比較的安価に済みます。 |
| 冷却ファンモーター交換 | 15,000円 ~ 33,000円 | 「カラカラ音」の原因。 庫内の奥深くを分解する必要があるため、部品代よりも技術料が高くなる傾向があります。 |
| 制御基板・センサー交換 | 15,000円 ~ 51,000円 | 霜取りが正常にできない場合など。 最近は半導体不足の影響で部品価格が上昇傾向にあります。 |
| コンプレッサー交換 | 50,000円 ~ 130,000円 | 冷蔵庫の心臓部。 「ブーン」という爆音の最終形態。 溶接作業やガスの充填が必要な最難関修理のため、非常に高額になります。 |
※上記はあくまで目安であり、メーカーや機種、出張距離によって変動します。正確な見積もりは必ずメーカーのサポート窓口へご確認ください。
寿命や買い替え時期の目安

修理するか、思い切って買い替えるか。高額な修理見積もりを見て悩むお客様に、僕はいつも2つの判断基準をお伝えしています。それが「9年ルール」と「7年目の壁」です。
まず「9年ルール」についてですが、家電メーカーが修理用性能部品を保有している期間は、製品の製造打ち切りから約9年と定められています(出典:JEMA(日本電機工業会『補修用性能部品の保有期間』)。つまり、購入から9年以上経過している冷蔵庫は、故障しても「直したくても部品がなくて直せない」リスクが非常に高いのです。
次に「7年目の壁」。購入から7年を超えると、パッキン、基板、そしてコンプレッサーといった主要部品の故障率が統計的に急上昇します。今回3万円かけてファンを直しても、半年後に今度は基板が壊れてまた4万円……という「故障の連鎖」に陥りやすいのがこの時期です。もし、7年以上使っている冷蔵庫で修理見積もりが3万円を超えるようなら、迷わず買い替えをおすすめします。
電気代で元が取れる?
「もったいない」と感じるかもしれませんが、10年前の冷蔵庫と最新モデルでは、省エネ性能が段違いです。インバーター制御や断熱材の進化により、年間で5,000円~10,000円近く電気代が安くなることも珍しくありません。
「修理代+今後の高い電気代」を払い続けるより、そのお金を新しい冷蔵庫の頭金にする方が、トータルコストで見て圧倒的に賢い選択になるケースが多いですよ。
冷蔵庫からする異音に関するよくある質問
Q1. 買ったばかりの新品冷蔵庫から異音がするのは初期不良ですか?
A. 多くの場合、初期不良ではありません。設置直後は庫内を冷やすためにコンプレッサーがフル稼働するため、運転音が大きくなります。また、内部の部品が馴染むまでの数日間(なじみ運転期間)は、通常より音が目立つことがありますが、庫内が冷えるにつれて徐々に静かになります。
Q2. 夏場になると冷蔵庫の音がうるさくなるのはなぜですか?
A. 故障ではなく、周囲の温度が高いためです。夏場は放熱がしにくく、冷蔵庫が庫内温度を維持するためにコンプレッサーや放熱ファンを高速回転させます。そのため、冬場に比べて振動音や稼働音が大きくなる傾向がありますが、これは正常な動作です。
Q3. 引っ越し直後に冷蔵庫から大きな音がする原因は何ですか?
A. 運搬時の振動でコンプレッサー内の冷媒ガスやオイルの状態が不安定になっている可能性があります。また、設置場所の床が傾いていたり、脚の高さ調整が不十分でガタついていたりする場合も音が大きくなります。設置後すぐには電源を入れず、数時間〜半日程度置いてから稼働させるのが推奨されます。
Q4. 「キュルキュル」という高い音が鳴り続けるのは故障ですか?
A. 冷却ファンモーターの不具合である可能性が高いです。ファンの回転軸の潤滑油が切れたり、軸自体が摩耗したりすると、金属が擦れるような高い音が発生します。放置すると冷却ファンの完全停止(=冷えない)につながる恐れがあるため、早めの点検・修理依頼をおすすめします。
Q5. 異音が止まらない場合、どのくらい様子を見ればいいですか?
A. 食品を大量に入れた直後やドアの開閉後は一時的に音が大きくなりますが、通常は数時間で収まります。もし24時間以上異音が続き、かつ冷蔵庫の側面が触れないほど熱い、または冷えが悪いといった症状を伴う場合は、故障の可能性が高いため、電源プラグを抜いてメーカーサポートへ相談してください。
冷蔵庫から水の音が不安な方へのまとめ

今回は「冷蔵庫から聞こえる水の音」について、その正体と対策を徹底解説しました。夜中に不気味な音が聞こえて不安だった方も、原因がわかることで少し安心できたのではないでしょうか。最後に、今回の重要ポイントを整理します。
この記事のまとめ
- 基本は正常音: 「チョロチョロ」「ボコボコ」「シュー」は、冷媒が循環・沸騰している音であり、冷蔵庫がよく冷えている証拠。
- メーカーの個性: 「キーン(パナソニック)」「プー(日立)」などの音も、基本的には仕様の範囲内であり故障ではない。
- 危険な音: 注意すべきは「ゴボゴボ(排水不良)」と「カラカラ(ファン接触)」。これらは放置せず点検が必要。
- 買い替えの目安: 購入から7~9年以上経過して異音が大きくなった場合は、修理よりも買い替えの方がコストパフォーマンスが良い可能性が高い。
冷蔵庫は24時間365日働き続ける、家庭内で唯一の「休まない家電」です。だからこそ、時には疲れて音を出したり、メンテナンスを求めてサインを出したりすることもあります。
まずは落ち着いて音の種類を聞き分け、「これは頑張っている音だな」と思えば優しく見守り、「これはおかしいぞ」と感じたら早めの対処をしてあげてください。
この記事が、あなたの不安を解消し、快適な家電ライフを守る一助となれば、家電オタクとしてこれ以上の喜びはありません。