冷蔵庫にキャスターはNG?デメリットと床を守るプロの正解

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冷蔵庫にキャスターはNG?デメリットと床を守るプロの正解

こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。

「裏側の掃除を楽にしたい」と、冷蔵庫にキャスター台を検討する方は多いですよね。でも、プロとして、そしてエンジニアとして断言します。後付けキャスターの使用は、絶対におすすめできません。

その不安は的中しています。一見便利そうですが、実は「地震時の暴走」「騒音トラブル」「床の破壊」など、取り返しのつかないリスクが潜んでいるからです。

この記事では、メーカーがキャスターを禁止する理由と、それでも掃除を楽にしたい方のための「安全な代替案」を解説します。危険な選択を回避し、あなたと家を守るための正解をここでお伝えします。

「掃除が楽になる」は大間違い?という問いかけと共に、裏側のホコリ掃除や模様替え目的での使用が、実は騒音や床の破壊、地震時の危険などのリスクを招くことを説明したスライド。
キャスター台で掃除が楽になるという誤解とリスク

この記事に書いてあること

  • 地震で冷蔵庫が「走る」危険性と避難経路への影響
  • キャスター台が引き起こす騒音や故障のメカニズム
  • 床を傷つけないための本当に正しい保護方法
  • 移動させずに掃除をするプロ推奨のメンテナンス術

冷蔵庫にキャスターを使うデメリットと危険性

警告マークと共に「冷蔵庫にキャスターを使うデメリットと危険性」と書かれたセクションタイトルスライド。
冷蔵庫にキャスターを使う3つのデメリットと危険性

「掃除が楽になる」というメリットだけに目を向けてキャスター台を導入すると、後から大きな代償を支払うことになりかねません。

まずは、構造的・安全性の観点から、どのようなリスクがあるのかを具体的に見ていきましょう。僕が現場で見てきた事例や、工学的な根拠を交えて詳しく解説します。

地震で滑走し避難経路を塞ぐ

日本に住む私たちにとって、最も警戒すべきリスクが地震です。

冷蔵庫は単体でも100kgから150kgを超える重量物ですが、通常の設置であればゴム脚や調整脚の摩擦力によって、ある程度の揺れには耐えられるよう設計されています。

ゴムは床材に対して高い摩擦係数を持つため、震度4〜5弱程度であれば、その場に留まることが多いのです。

滑動(ウォーキング現象)の恐怖

しかし、キャスター台に乗せてしまうと、この「摩擦」が極端に失われます。地震の揺れ(水平加速度)が加わると、キャスターの転がり抵抗の低さが仇となり、冷蔵庫はまるでスケート靴を履いた巨人のように、室内を滑走し始めます。これを専門的には「滑動」や「ウォーキング現象」と呼びます。

想像してみてください。100kgの鉄の塊が、地震の揺れに合わせて部屋中を不規則に動き回る様子を。壁に激突して穴を開けたり、他の家具をなぎ倒したりするだけでなく、もしその軌道上に人がいれば、骨折や圧死などの重大な事故につながりかねません。

地震の揺れでキャスター付きの冷蔵庫がスケートのように滑走し、ドアを塞いで避難経路を断つ様子を描いたイラスト。100kg〜150kgの重量が凶器になることを図解。
地震で冷蔵庫が走る「滑走現象」と避難経路への危険

ストッパー(ロック)は無力です

「キャスターにはロックが付いているから大丈夫」と思っていませんか?実は、多くの製品に付いているキャスターのロック機能は、あくまで「静止時のズレ防止」のためのものです。

地震の強大なエネルギーの前では、小さなプラスチックの爪で車輪を固定する程度のロック機構は、簡単に破断してしまいます。

また、仮にロックが壊れなくても、車輪と床の間の摩擦が低すぎるため、車輪がロックされたまま床の上を滑る「スキッド現象」が発生し、暴走を止めることはできません。

避難経路の閉塞リスク

日本の住宅事情、特にマンションやアパートでは、冷蔵庫はキッチンの入り口付近や、廊下に面した位置に設置されることが多いですよね。これが致命的になります。

滑走した冷蔵庫が数十センチ移動し、居室のドア前や廊下を塞いでしまったらどうなるでしょうか。内側にいる人間が、内開きのドアを押し開けて脱出することは物理的に不可能です。火災が発生した場合、まさに「袋の鼠」状態になってしまいます。

総務省消防庁も、地震時の家具の転倒・落下・移動防止対策として、キャスター付き家具には十分な固定措置を行うよう警鐘を鳴らしています。

命を守るためにも、重量物を「動きやすい状態」にしておくことは絶対に避けるべきです。(出典:総務省消防庁『地震による家具の転倒を防ぐには』

振動音がうるさい共振トラブル

「冷蔵庫を台に乗せてから、急にブーンという音が気になるようになった」という相談を店頭でよく受けます。

実はこれ、冷蔵庫の故障ではなく、キャスター台との相性による「共振現象(Resonance)」が原因であるケースが非常に多いのです。

共振現象のメカニズム

冷蔵庫の心臓部であるコンプレッサーは、冷媒を圧縮するために高速で回転・往復運動をしており、運転時には必ず微細な振動を発生させています。メーカー純正の本体構造は、この振動をうまく逃がし、減衰させるように精密な「防振設計」がなされています。

ところが、市販の組み立て式キャスター台、特にパイプとプラスチックジョイントで構成された剛性の低い製品は、特定の周波数で振動しやすい性質(固有振動数)を持っています。冷蔵庫のコンプレッサーが発生させる振動周波数と、台の固有振動数が一致してしまうと、振動が増幅され、唸るような低周波騒音が発生します。

近隣トラブルへの発展も

この音は単なる耳障りな音にとどまりません。

キャスターの車輪は床と「点」で接しているため、増幅された振動がダイレクトに床材へと伝わります(固体伝播音)。特にマンションやアパートなどの集合住宅では、この重低音が下の階の天井を響かせ、「夜中にブーンという不気味な音がする」といった騒音トラブルに発展することさえあります。

防振ゴムを挟めば解決するかも、と考える方もいますが、キャスター台という不安定な土台の上でさらにゴムを挟むと、重心が不安定になり、揺れが大きくなるリスクもあります。

鈴木
鈴木

一度設置してしまうと、重い冷蔵庫を降ろすのは大人二人でも困難なため、結局我慢して使い続ける羽目になってしまうのです。

キャスターの点荷重による床の凹み

キャスターの小さな接地点に重さが集中して床が凹む様子や、モーター振動と共鳴してブーンという騒音が発生するメカニズム、電気代上昇のリスクを解説した図。
キャスターの点荷重による床の凹みと共振騒音

「床を傷つけたくないから、直置きせずに台に乗せる」という考えでキャスター台を導入する方がいますが、これは工学的には完全に逆効果です。むしろ、床を破壊する最短ルートと言っても過言ではありません。

点荷重と面荷重の違い

物理の基本ですが、同じ重さでも「支える面積」が小さければ小さいほど、接地面にかかる圧力(面圧)は高くなります。

一般的な500リットルクラスの冷蔵庫は、食材を満載すると150kg近くになります。これを通常の脚(直径4〜5cm程度の面)で支えるのと、キャスターの車輪(接地面は数ミリ四方の点)で支えるのとでは、床にかかる負担が桁違いです。

クリープ変形による修復不能なダメージ

一般的な住宅のフローリング(複合フローリング)やクッションフロア(塩ビシート)は、キャスターのような極端な点荷重に長時間耐えられるようには設計されていません。

設置当初は大丈夫に見えても、時間が経つにつれて材料がゆっくりと変形していく「クリープ現象(Creep Deformation)」が発生します。車輪が床材に深く、じわじわと食い込んでいき、気づいた時には修復不可能な深い「圧痕」や「陥没」を作ってしまいます。

こうなると、「掃除のために動かしたい」と思っても、車輪が床の凹みにハマってしまい、ビクとも動かないという本末転倒な事態に陥ります。無理に動かせば、床の表面素材を引きちぎり、高額な修繕費用(リペア代)が発生することになります。

冷蔵庫マットの選び方で後悔したくない方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>冷蔵庫マットで後悔する前に!デメリットと正しい選び方を解説

高さが上がり使い勝手が悪化する

キャスター台を使用すると、構造上、床面から冷蔵庫の底面まで約10cm〜15cmほど高さが上がります。

「たった10cmでしょ?」と思うかもしれませんが、毎日何度も開け閉めする冷蔵庫において、この差は身体への負担として深刻に現れます。

最上段がデッドスペース化する

台の分だけ高さが上がり最上段が届かなくなるデッドスペースの問題や、複雑な形状がホコリを溜め込む「Dirt Trap」になること、DIYの危険性を警告するイラスト。
キャスター台によるデッドスペースの発生と掃除のしにくさ

最近の冷蔵庫は、容量を確保するために背が高いモデル(180cm〜185cm)が主流です。人間工学に基づいて設計された最上段の棚は、日本人女性の平均身長(約158cm)でも、背伸びをすれば奥まで手が届くギリギリの高さに設定されています。

ここにキャスター台の10cm〜15cmが加わると、最上段の高さは2メートル近くになります。こうなると、踏み台を使わなければ手が届かない、完全な「デッドスペース」になってしまいます。ビールや作り置きのタッパーを取り出すたびに踏み台を持ってくる生活、想像するだけで面倒ですよね。

野菜室・冷凍室への影響

また、下段にある野菜室や冷凍室の位置も高くなります。一見、「腰を曲げなくていいから楽かも」と思えるかもしれませんが、重い米びつや2リットルのペットボトルを野菜室から取り出す際、持ち上げる位置が高くなるため、腕や肩への負担が逆に増えるというデメリットもあります。

さらに、冷蔵庫のドアハンドル(取っ手)の位置も変わるため、小柄な方やお子様にとっては「開けにくい冷蔵庫」になってしまうのです。

掃除がしにくいホコリの温床

「掃除のためにキャスターを付ける」という本来の導入目的ですが、皮肉なことに、キャスター台を使うことでかえって不衛生になることが多いのが現実です。

複雑な形状がホコリを絡め取る

冷蔵庫を直置きしている場合、床と冷蔵庫の隙間は狭いですが、フラットな床面が続いているだけです。一方、キャスター台を使用すると、台自体のフレーム、車輪の軸、ネジの凹凸、プラスチックのジョイント部分など、非常に複雑な形状が床下に現れます。

キッチンは油跳ねや水蒸気が多い場所です。これらの油分を含んだホコリが、キャスター台の複雑な構造に付着すると、簡単には取れない頑固な汚れになります。掃除機をかけようとしても、キャスター自体が邪魔でノズルが入らず、結局手で拭き取るしかない…という状況になりがちです。

「動かせる」けど「動かさない」心理

さらに、「動かせる」といっても、実際には電源コードやアース線、給水タンクの水道直結ホースなどの長さには限界があります。周囲の家具や壁とのクリアランスも必要で、実際に動かせる範囲はごくわずかです。

「動かすのが面倒くさい」「コードが抜けそうで怖い」という心理が働き、結局一年中動かさないまま、キャスター台の隙間に溜まったホコリと格闘することになります。

サッとワイパーで拭ける床直置きの方が、毎日の衛生管理はずっと簡単でストレスフリーなのです。

冷蔵庫のキャスターのデメリットと推奨される対策

掃除道具と綺麗な床のアイコンと共に、「プロ推奨!床を守り掃除を楽にする正解」と書かれたセクションタイトルスライド。
プロ推奨!床を守り掃除を楽にする正しい対策

ここまで読んでいただければ、キャスター台の導入がいかにリスクの高い選択か、そして「百害あって一利なし」に近い状態であることがお分かりいただけたかと思います。

では、私たちはどのようにして「床の保護」や「掃除のしやすさ」を実現すればよいのでしょうか。ここからは、プロが現場で実践している、具体的かつ安全な解決策をご紹介します。

自作や100均の台は強度不足で危険

最近、SNSや動画サイトで「100均の材料でDIYした冷蔵庫キャスター台」や「ホームセンターのすのこにキャスターを付けた自作台」といったコンテンツを見かけることがあります。

これらは、エンジニアの視点から言わせていただくと、極めて危険な行為であり、絶対にお止めください。

静荷重と動荷重の違い

100円ショップで売られているワイヤーラックやキャスター部品の耐荷重は、せいぜい数kg〜20kg程度です。これに対し、冷蔵庫は中身を含めると100kgを超えます。

しかも、冷蔵庫のドアを開け閉めする際には揺れが生じますし、コンプレッサーの振動も加わります。これら「動荷重(Live Load)」は、静止している時の重さ(静荷重)よりも遥かに大きな負荷を接合部にかけることになります。

突然の崩壊シナリオ

設置した直後は持ちこたえているように見えても、プラスチックや木材は経年劣化や疲労破壊を起こします。ある日突然、料理中に「バキッ」という音と共に脚が折れ、冷蔵庫が傾いて倒れてくるかもしれません。もしその時、小さなお子様が近くにいたら…と考えるとゾッとします。

また、転倒の衝撃で冷蔵庫背面の冷却回路(パイプ)が破損し、可燃性の冷媒ガスが漏れ出す事故につながるリスクもあります。安全に関わる部分を、安価なDIYで済ませるのはリスクが高すぎます。

電気代の上昇や故障のリスク

キャスター台による不安定な設置は、冷蔵庫という精密機械の寿命を縮める原因にもなります。これは意外と知られていない事実です。

筐体の歪みと冷気漏れ

冷蔵庫のキャビネット(筐体)は、四隅が水平かつ均等に支持されることで、その直方体形状を保っています。しかし、キャスター台、特に組み立て式の伸縮タイプは、四隅の高さレベルが完全に均一でないことが多く、冷蔵庫に常に「ねじれ」の力を加え続けることになります。

筐体が歪むと、ドアの密閉性が損なわれます。ドアパッキン(ガスケット)と本体の間に目に見えない微細な隙間が生じ、そこから冷気が漏れ出します。すると、冷蔵庫は「庫内が冷えていない」と判断し、設定温度を保つためにコンプレッサーをフル稼働させ続けます。

結果として、電気代が跳ね上がるだけでなく、冷凍室に異常な霜がついたり、コンプレッサーが過労死して早期に故障したりする原因となるのです。

放熱不良によるオーバーヒート

また、最近の冷蔵庫には、底面から空気を取り入れ、コンプレッサーや放熱器を冷却して上部へ排熱する「ボトムインテーク」構造を採用している機種があります。キャスター台のフレーム形状によっては、この吸気口を塞いでしまったり、空気の流れを乱したりする恐れがあります。

放熱がうまくいかないと、冷蔵庫の冷却効率(COP)が悪化し、最悪の場合はコンプレッサーのオーバーヒートによる故障を招きます。当然、メーカー推奨外の設置方法による故障は、保証期間内であっても有償修理(数万円〜10万円コース)となる可能性が極めて高いです。

冷蔵庫の放熱に必要な設置スペースの基準については、こちらで詳しく解説しています。
>>冷蔵庫の設置スペースはギリギリでも大丈夫?放熱スペースの真実

床を守るならポリカ製マット

冷蔵庫の下にポリカーボネート製マットを敷いて床を守り、隙間ワイパーを使って奥のホコリを掃除する方法を推奨するイラスト解説。
床保護にはポリカマット、掃除には隙間ワイパーが正解

では、どうすれば床を守れるのか。「床の凹みや傷を防ぎたい」というのが一番の目的であれば、キャスター台ではなく、「ポリカーボネート製の冷蔵庫マット」を敷くのが、現時点で唯一かつ最大の正解です。

ポリカーボネート製マットのメリット

  1. 圧倒的な強度と分散力: ポリカーボネートは、航空機の窓や防弾シールドにも使われるほどの強度を持つプラスチックです。ハンマーで叩いても割れません。この硬い素材が、冷蔵庫の脚にかかる強烈な点荷重を面で受け止め、床全体に分散させてくれます。
  2. 高い安全性: キャスターのように滑走するリスクがありません。床との摩擦係数が適切に保たれるため、地震時の安定性を損なうことなく、床だけを保護できます。
  3. 優れた意匠性: 透明度が高く、フローリングの木目を隠さないため、どんなインテリアにも馴染みます。また、ゴムマットのように床に色移りしたり、癒着したりすることもほとんどありません。

入居時や冷蔵庫の買い替え時に、これを一枚敷くだけで、退去時の床修繕費用リスクをほぼゼロにできます。数千円の投資で数万円〜数十万円の床リペア代が浮くと考えれば、コスパは最強です。

冷蔵庫マットの必要性や、敷くべき理由については以下の記事でも深掘りしています。
>>冷蔵庫マットは必要?いらない?プロが教える床保護の真実

移動にはカグスベール等のシート

大掃除の時だけスライドシート(カグスベール等)を挟んで動かし、掃除後は必ずシートを抜いて固定する手順を解説したイラスト。重要マーク付き。
どうしても動かすなら「スライドシート」を一時利用

それでも、「半年に一度の大掃除や、模様替えの時には動かしたい」というニーズはあると思います。その場合は、常設のキャスターではなく、移動させたい時だけ使用する「スライドシート(例:カグスベールなど)」を活用しましょう。

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必要な時だけ「滑らせる」発想

これはフッ素樹脂加工されたシートで、非常に摩擦係数が低いのが特徴です。使い方は簡単。冷蔵庫を少し傾けて、脚の下にこのシートを差し込むだけです。これだけで、驚くほど軽い力で重い冷蔵庫を滑らせて移動できるようになります。女性一人でも動かせるほど軽くなります。

そして最大のアドバンテージは、「掃除が終わればシートを抜き取れる」という点です。シートを外せば、冷蔵庫は再び正規のゴム脚で床にしっかりと接地(グリップ)し、地震時の安定性を取り戻します。

「必要な時だけ動かし、普段は安全に固定する」。これこそが、利便性と安全性を両立させる、最も理にかなったプロ推奨の運用方法です。

なお、冷蔵庫を移動させた後は、電源を入れるタイミングに注意が必要です。
>>引っ越し・移動後の冷蔵庫の電源はいつ入れる?すぐダメな理由

隙間掃除は専用ワイパーを活用

そもそも論になりますが、冷蔵庫を動かさずに掃除ができれば、リスクを冒してまで動かす必要はありませんよね。現在は100円ショップやホームセンターで、優秀な「隙間掃除グッズ」が手に入ります。

例えば、冷蔵庫の下や裏のわずか数センチの隙間に入る「ロングワイパー」や、平べったい形状の「隙間モップ」です。これらは、しなる素材でできており、冷蔵庫の下の奥深くまで届きます。
これらを使えば、重い本体を1ミリも動かすことなく、奥に溜まった綿埃やペットの毛を絡め取って掻き出すことができます。

「動かす」ことよりも「届く道具を使う」ことに発想を切り替えてみてください。日々のメンテナンスとしてはこれで十分ですし、何より安全で、腰を痛める心配もありません。

冷蔵庫のキャスター台に関するよくある質問

Q1. キャスター台を使わずに冷蔵庫の下を掃除する方法はありますか?

A. はい、安全な方法があります。日常的な掃除には、冷蔵庫の下の隙間に入る「ロングワイパー」や「隙間モップ」の使用が最適です。大掃除などでどうしても動かしたい場合は、移動時だけ脚の下に敷く「スライドシート(カグスベール等)」を使用し、掃除後はシートを外して固定することをお勧めします。

Q2. ストッパー(ロック)付きのキャスター台なら地震でも安全ですか?

A. 残念ながら、安全とは言えません。キャスターの小さなロック機構は、地震の強大なエネルギーに耐えきれず破損することがあります。また、ロックがかかった状態でも、車輪と床の摩擦が少ないため、スキーのように滑って移動(滑走)してしまうリスクが高く危険です。

Q3. 既にキャスター台に乗せてしまっています。どうすればいいですか?

A. 安全のため、できるだけ早めに取り外し、メーカー推奨の直置き(または保護マットの使用)に戻すことを強く推奨します。ただし、冷蔵庫は非常に重いため、取り外し作業は必ず大人2名以上で行うか、無理をせず便利屋や引越し業者などの専門家に依頼してください。

Q4. 冷蔵庫の放熱のために台に乗せて底上げしたほうが良いのでは?

A. 現代の多くの冷蔵庫は、側面や上部から放熱する設計になっており、底上げは必須ではありません。むしろ、キャスター台の枠組みが空気の流れを遮ったり、ゴミが溜まって吸気口を塞いだりすることで、逆に冷却効率を悪化させるケースがあるため注意が必要です。

Q5. 防振ゴムを使えば、キャスター台の共振音は静かになりますか?

A. キャスター台の上で防振ゴムを使うと、重心がさらに高くなり不安定さが増すため推奨されません。音が気になる場合は、原因となっているキャスター台自体を撤去し、床に直接「冷蔵庫用キズ防止マット(ポリカーボネート製)」などを敷くのが、静音性と安全性の両面で最も効果的です。

冷蔵庫のキャスターのデメリット総括

キャスター台の使用(危険性高い・絶対NG)と、ポリカマット+ワイパーの使用(危険性低い・プロの正解)を比較し、安全な選択を促すまとめのスライド。
キャスター台とポリカマット+ワイパーの安全性比較まとめ

今回は、冷蔵庫にキャスター台を使用する際のリスクについて、構造・安全・機能のあらゆる面からプロの視点で解説してきました。

結論として、利便性よりも失う安全性や資産価値の方があまりに大きく、導入は推奨できません。

検討項目キャスター台のリスク・評価
安全性地震時の滑走・暴走、避難経路の閉塞
最悪の場合、命に関わります
機能性共振による騒音(ブーンという音)、冷却効率の低下、電気代上昇、メーカー保証対象外の故障リスク
床保護点荷重による深い凹み(クリープ変形)、移動時の引きずり傷、修復不可能なダメージ
プロの正解ポリカ製マット(保護)+ 隙間ワイパー(清掃)
移動が必要ならスライドシートを一時利用

「床を守りたい」ならポリカーボネート製マットを。「掃除をしたい」なら隙間用ワイパーやスライドシートを。目的に合わせた正しい道具を選ぶことで、リスクを回避しながら、安全かつ快適なキッチン環境を作ることができます。

すでにキャスター台を使っている方は、家族の安全のためにも、早めの取り外しや地震対策の見直しを強くおすすめします。家電はあなたの生活を豊かにするためのパートナーです。

正しい知識で、安全に長く付き合っていきましょう。

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