冷蔵庫からブーンという異音。開けると止まる原因と修理が必要な場合とは?

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冷蔵庫からブーンという異音。開けると止まる原因と修理が必要な場合とは?

こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。

毎日使う冷蔵庫から急に「ブーン」という低い音や、「カラカラ」といった異音が聞こえてくると、本当に不安になりますよね。

特に夜中などにキッチンから音が響いてくると、「このまま壊れて中の食材が全部ダメになったらどうしよう」とか、「もしかして発火したりしないかな」と心配で眠れなくなってしまうこともあるかと思います。冷蔵庫は生活のライフラインですから、その不安は痛いほどよく分かります。

ネットで検索してこのページに辿り着いたあなたは、おそらく「ドアを開けると音が止まる」という不思議な現象に気づかれているのではないでしょうか。

「あれ?うるさいなと思って開けたら静かになった」という経験。実はその何気ない気づき、プロの視点から見ると故障箇所を特定するための決定的な手掛かりなんです。単に「音がうるさい」だけでは原因が無数に考えられますが、「開けると止まる」という条件がついた瞬間、犯人はほぼ特定されたも同然だからです。

この記事では、現役の家電販売員でありエンジニア資格を持つ僕が、その異音の正体と、今すぐやるべき対処法について分かりやすく解説します。修理業者を呼ぶとそれだけで費用がかかってしまいますが、実は呼ぶ前に自分で直せる可能性も十分にあります。

無駄な出費を抑えるためにも、まずは焦らず一緒にチェックしていきましょう。

この記事に書いてあること

  • ドアの開閉で音が止まる現象の技術的な理由
  • 「ブーン」と「カラカラ」の音の違いによる緊急度
  • 修理を依頼する前に試すべき「正しい霜取り」の手順
  • 修理代の目安と買い替えを検討すべき年数の境界線

冷蔵庫のブーン音が開けると止まる原因

「ドアを開けるとピタッと音が止む」。一見すると魔法のような不思議な現象ですが、実はこれ、冷蔵庫の仕組みを知っていれば非常に理にかなった動きなんです。

冷蔵庫の中では複数の部品が動いていますが、ドアの動きに反応するのはごく一部です。

ここでは、なぜその現象が起きるのか、そして具体的にどの部品が悲鳴を上げているのかを、エンジニアの視点で深掘りして解説します。

異音が故障じゃないケースの判別

ドアを開けると止まるのは「庫内ファン」、止まらないのは「コンプレッサー」という故障箇所の判別図解
庫内ファドアを開けると音が止まる仕組み

まず最初に、安心材料をお伝えしておきますね。冷蔵庫は正常な状態でも様々な音を出しますし、音がしたからといってすぐに故障というわけではありません。

例えば、夏場などの暑い時期や、ドアを頻繁に開け閉めした直後、あるいは大量の食材を詰め込んだ直後は、庫内を急いで冷やそうとして心臓部であるコンプレッサー(圧縮機)や放熱ファンがフルパワーで回転します。この時の「ブーン」「ゴー」という低い運転音は、いつもより大きく聞こえることがありますが、これは冷蔵庫が「頑張って冷やしている証拠」であり、健康な証です。

しかし、「故障ではない音(正常な運転音)」と「異常な音(故障の前兆)」を見分けるポイントは、まさにあなたが検索した「ドアを開けると止まるかどうか」にあります。ここが運命の分かれ道です。

冷蔵庫の背面や下部にあるコンプレッサーは、ドアを開けたからといって急には止まりません。庫内の温度が十分に下がるまでは、ドアが開いていようが閉まっていようが動き続けます。

一方で、冷気を庫内に循環させる「庫内ファン(送風機)」は違います。

もしドアが開いている状態でファンを回し続けると、せっかく作った冷気が外に逃げてしまうだけでなく、部屋の暖かい湿った空気をどんどん吸い込んでしまいますよね。これを防ぐために、ドア枠にあるスイッチ(インターロックスイッチ)と連動して、ドアを開けた瞬間に即座にストップする設計になっているのです。

つまり、ドアを開けた瞬間に異音が「スッ」と消えるのであれば、その音の発生源はコンプレッサーではなく、ほぼ間違いなく「庫内のファンモーター」周辺にあると断定できます。コンプレッサーの故障だと修理代が高額になりがちですが、ファン周辺であれば修理や自力での対処が可能かもしれません。まずは「犯人はファンだ」と特定できただけでも、大きな一歩前進です。

ここがポイント!

コンプレッサー(心臓部)の音は、ドアを開けても止まりません。ドアを開けて止まる音は、冷気を送る「ファン」の音です。この違いを知っているだけで、不必要な不安を感じなくて済みます。

ちなみに、もし気になっている音が「ブーン」ではなく、「チョロチョロ」や「ポコポコ」といった水の流れるような音であれば、それは故障ではないケースが多いです。
>>冷蔵庫から「チョロチョロ・ポコポコ」と水の音がする原因

カラカラ音は氷とファンの接触

ファンの羽に巨大な氷が接触している様子と、自転車のスポークにカードを挟んだ時の音の類似イメージ
カラカラ音の原因は氷とファンの接触

ファン周辺が原因だと分かったところで、次に注目してほしいのが「音の質」です。もし聞こえてくるのが「ブーン」という低い唸り音ではなく、「カラカラ」「ガリガリ」「カッカッカッ」といった、何かが物理的に当たっているような音なら、状況は少し具体的かつ深刻になります。

これは十中八九、回転しているファンの羽に「氷(霜)」が当たっている音です。

「えっ、冷蔵庫の中って霜取り機能があるんじゃないの?」と思われた方もいるでしょう。おっしゃる通り、今の冷蔵庫は「ファン式」といって、自動で霜取りを行うヒーターが内蔵されています。しかし、ドアのパッキンが劣化して隙間ができていたり、食材の袋が挟まって半ドアの状態が長時間続いたりすると、設計能力を超える大量の湿気が庫内に侵入してしまいます。

この湿気は、一番冷たい場所である冷却器(エバポレーター)周辺に引き寄せられ、そこで急速に冷やされて霜になります。最初はふわふわの霜ですが、霜取り運転で少し溶けてはまた凍るプロセスを繰り返すうちに、カチコチの硬い氷の塊へと成長していきます。そして、その氷が徐々に大きくなり、ついにすぐ近くで回転しているファンの羽の軌道上にまで侵食してくると…、ファンが回るたびに氷を叩くことになります。

イメージしてください。扇風機が回っているところに、割り箸を突っ込むようなものです。あるいは、子供の頃に自転車のスポークにカードを挟んで「パタパタパタ」と音を鳴らして遊んだことはありませんか?あれと同じことが、冷蔵庫の奥で見えないうちに起きているのです。

最初は「シャー」や「サワサワ」といった軽い接触音から始まりますが、氷が厚くなるにつれて「カラカラ」「ガリガリ」という激しい打撃音に変わっていきます。これはファンモーターにとってものすごいストレスがかかっている状態です。自分の力で回転を止めようとする氷を、無理やり押しのけて回ろうとしているわけですから、モーターが過熱し、最悪の場合は焼き切れてしまう寸前の状態と言えます。

うるさい異音の正体と緊急度

「ブーン」はモーター寿命(危険度:中)、「カラカラ」は氷の接触(危険度:高)を示す比較イラスト
モー音の種類でわかる危険度チェック

「ブーン」なのか「カラカラ」なのか、音の聞こえ方によって、冷蔵庫の緊急度や今すぐ取るべきアクションは変わってきます。僕が店頭でお客様から相談を受ける際、音の特徴を聞き取って以下のように分類して案内しています。あなたの家の冷蔵庫がどの状態に近いか、確認してみてください。

音の特徴考えられる原因緊急度・状態
ブーン・ヴォー
(低い振動音・唸り音)
【ファンモーターの経年劣化】
長年の使用でモーターの軸受け(ベアリング)の油が切れたり、摩耗してガタつきが出ている状態。
またはファンの羽に汚れが不均一についてバランスが崩れている。
緊急度:中
すぐに止まるわけではありませんが、部品の寿命が近づいています。
音が大きくなってきて不快なら交換時期です。
カラカラ・ガリガリ
(硬い接触音・打撃音)
【氷(霜)との接触】
冷却器周辺に巨大化した氷があり、ファンが回転するたびに衝突している。
除霜システムの不具合やドアの閉め忘れが原因。
緊急度:高
非常に危険な状態です。
放置するとファンが破損するか、モーターがロックして完全に動かなくなります。早急な霜取りが必要です。
キュルキュル・キー
(高い金属摩擦音)
【軸受けの油切れ(末期)】
モーター軸の潤滑油が完全に乾ききって、金属同士が直接擦れ合って悲鳴を上げている音。
緊急度:中〜高
いわゆる「油切れ」の状態。
いつファンが固着して動かなくなってもおかしくありません。
冷えなくなる直前のサインです。
(無音で冷えない)【モーターロック・故障】
異音がした後、静かになったが冷えなくなった場合。
氷が詰まってファンが回れなくなったか、モーターが焼き切れて死んでしまった状態。
緊急度:MAX
冷蔵庫としての機能が停止しています。
食材が腐る前に修理か買い替えの決断が必要です。

特に注意してほしいのが、「カラカラ」音が突然しなくなった時です。「あ、直ったのかな?」と安心するのは早計かもしれません。氷がさらに成長してファンをガッチリと固めてしまい、ファンが回らなくなった(=音がしなくなった)だけかもしれないからです。ファンが止まると冷気が循環しなくなるので、冷凍室は冷えているのに冷蔵室がぬるい、といった症状が出始めます。

もし異音と同時に「既に冷蔵庫が冷えていない」と感じる場合は、以下の記事で対処法を詳しく解説しています。
>>冷蔵庫が冷えない時の復活方法!試すべき対処法まとめ

パナソニック製冷蔵庫の異音傾向

ここからはメーカーごとの特徴について、もう少し踏み込んで解説します。僕が販売員として受ける相談の中で、特にパナソニック製の冷蔵庫を使っている方からは、「カラカラ音がするけど、ドアを開けると止まる」という事例をよく耳にします。

パナソニックの冷蔵庫は、「エコナビ」という高度な省エネ技術や、コンプレッサーを冷蔵室の最上段奥に配置した「トップユニット方式」が大きな特徴です。これにより、野菜室や冷凍室の容量を広く確保できる素晴らしい設計なのですが、構造上、音に関してはいくつかの特徴があります。

まず、エコナビ運転中は庫内の状況に合わせてファンの回転数を細かく制御しているため、音の高さ(ピッチ)が変動することがあります。これは正常です。しかし、トラブルとして多いのは、やはり霜によるファンの接触音です。トップユニット構造により冷気の循環経路が独特であるためか、あるいはセンサーが敏感なためか、ドレン(排水)ラインが凍結して水が逆流し、ファンの近くで氷になるケースが散見されます。

また、コンプレッサーが上にあるため、もしコンプレッサー由来の振動音が発生した場合、冷蔵庫の上の方から音が聞こえるのも特徴です。しかし、今回のテーマである「ドアを開けると止まる」場合は、コンプレッサーではなく庫内ファンが原因ですので、位置関係に惑わされないようにしましょう。

パナソニック公式の見解と対処法

パナソニックの公式サイトでも、「ドアを開けると音が止まる場合はファンの不具合の可能性が高い」と明記されています。

その上で、一時的なエラーであれば、「電源プラグを抜いて10分ほど待ち、再度差し込む」というリセット操作で改善する場合があると案内されています。

ただ、物理的に氷が当たっている場合は、リセットしても氷は溶けないので、すぐに異音が再発することが多いのが現実です。

三菱や日立製冷蔵庫の異音特徴

三菱電機や日立の冷蔵庫にも、それぞれの技術特性に由来する音の傾向があります。

三菱電機の場合

三菱は「切れちゃう瞬冷凍」や「氷点下ストッカー」など、部屋ごとに温度帯を変える技術に長けています。これを実現するために、独立した部屋ごとに専用のファンやダンパー(冷気の通り道を開閉する扉)を持っている機種があります。

そのため、「冷蔵室のドアを開けた時は止まらないけど、冷凍室を開けた時だけ音が止まる」といった、特定のドアに連動した現象が起きることがあります。これは故障箇所の特定に非常に役立ちます。

また、よくある勘違いとして、自動製氷機の給水ポンプ音(「ウィーン」という機械音)を故障と間違えるケースがあります。製氷音はドアを開けても鳴り止まない(あるいは開けたタイミングとは無関係に鳴る)ことが多いので、そこで区別しましょう。

日立の場合

日立といえば「真空チルド」ですが、この機能には専用の真空ポンプが使われています。このポンプも動く時に「ブーン」という音を出しますが、これは故障ではありません。

見分け方は簡単で、真空チルドルームのハンドルを持ち上げて「プシュー」という空気が入る音がした瞬間にブーン音が止まれば、それは正常な真空ポンプの音です。

一方で、ドア全体を開けた時に止まる大きな音は、やはりメインの冷却ファン系のトラブルです。日立の一部の機種では、機械室ファン(背面のファン)の異常を知らせるために、操作パネルの「鍵マーク」などが点滅してエラーコードを出すものもありますので、説明書や公式サイトのエラーコード表を確認することをお勧めします。

冷蔵庫のブーン音が開けると止まる時の直し方

原因がある程度絞り込めたところで、ここからは「どうすれば直るのか」について、具体的なアクションプランを解説します。

メーカーのサービスマンを呼んで修理を依頼すると、部品代に加えて出張費や技術料がかかり、最低でも1万5千円〜2万円程度は飛んでいきます。

まずは自分でできる対処法を試してみて、それでもダメなら修理を呼ぶ、というステップを踏むのが経済的です。

自分でできる霜取りの正しいやり方

1.食材移動、2.電源抜く、3.24時間放置、4.水気を拭くという正しい霜取り手順の解説図
自分で直せる完全霜取り4ステップ

もし異音の原因が、先ほど説明した「ファンに当たっている氷(霜)」であれば、話は単純です。その氷を溶かしてしまえば、物理的な接触がなくなり、音は嘘のように消えます。これを「霜取り」と言いますが、やるからには中途半端ではなく、徹底的にやる必要があります。

「電源を抜いて数時間待てばいいんでしょ?」と思うかもしれませんが、それでは不十分です。冷蔵庫の断熱材は優秀なので、数時間程度では中心部の氷は溶けません。中途半端に溶けた水が再凍結して、余計に氷が大きくなり、状況が悪化することさえあります。僕が推奨する「完全霜取り」の手順は以下の通りです。

【失敗しない完全霜取りの4ステップ】

  1. 食材を完全に退避させる
    これが一番のハードルですが、クーラーボックスや発泡スチロールの箱に保冷剤をたっぷり入れて、冷凍食品を移動させます。冬場であれば、直射日光の当たらないベランダ等の屋外を活用するのも賢い手です。
  2. 電源プラグを抜く&ドア全開
    スイッチを切るだけでなく、安全のためにコンセントからプラグを抜いてください。そして、全てのドアを開け放ちます。
  3. 最低24時間、できれば48時間放置する
    ここが最重要ポイントです。表面の氷が溶けても、奥にある冷却器やドレンパイプの中に詰まった氷が溶けるまでには、丸一日はかかります。「半日やったけど直らなかった」という方の多くは、時間が足りていません。じっくり待ちましょう。
  4. 水気を拭き取って再起動
    氷が溶けると、蒸発皿(冷蔵庫の裏や下にある受け皿)や庫内に大量の水が出ます。これをタオルでしっかり拭き取ってから電源を入れます。濡れたまま再起動すると、その水がまたすぐに凍ってしまいます。

この「24時間放置」は、メーカーのサービスマンも修理訪問の前にお客様にお願いすることのある、非常に効果的な初期対応です。ドレンホースの中で詰まっていた氷も溶けて流れ落ちるので、見えない部分の詰まりも解消できます。

ドライヤーでの解凍が危険な理由

冷蔵庫の内部変形を防ぐためドライヤーの熱風は絶対禁止であることを示す警告マークと解説
【重要】霜取りにドライヤーは使用禁止

ネットの知恵袋や動画などで、「ドライヤーの温風を当てて早く溶かす」という裏技が紹介されているのを見かけることがありますが、これは絶対にやってはいけません。プロとして強く警告します。

早く直したい気持ちは痛いほど分かりますが、これをやってしまって「冷蔵庫を完全にダメにした(全損させた)」お客様を何人も見てきました。

ドライヤーがNGな技術的理由

冷蔵庫の内壁やダクト、棚の受け具などに使われているプラスチック樹脂(主にPS:ポリスチレンやABS樹脂)は、熱に非常に弱い性質を持っています。これらの樹脂の熱変形温度は70℃〜90℃程度ですが、ドライヤーの温風は吹き出し口付近で100℃〜120℃にも達します。

この高温の風を至近距離で当てると、樹脂はあっという間にグニャリと歪みます。一度変形した樹脂は元には戻りません。その結果、棚が入らなくなったり、断熱壁に隙間ができて冷気がダダ漏れになったりして、冷蔵庫としての機能を失います。また、温度センサーや温度ヒューズといった精密部品に熱風が当たると、これらが破損して制御不能になるリスクもあります。

「ちょっと離して当てれば大丈夫」という油断が命取りです。火災の原因にもなりかねませんので、時間はかかりますが必ず「自然解凍」を行ってください。

ファン交換にかかる修理費用

ファンやセンサー故障時の部品代と技術料・出張費を含めた修理費用の目安(1.5万〜3万円)
冷蔵庫のファン交換修理費用の目安

24時間の霜取りを試しても音が消えない、あるいは数日でまた音が鳴り出した場合。これは残念ながら、一時的な霜付きではなく、部品の故障です。
ファンモーター自体の軸が摩耗して寿命を迎えているか、あるいは霜取りセンサーやヒーターが壊れていて「自動霜取り」が機能していないことが考えられます。

こうなるとプロによる部品交換が必要です。メーカーや機種、依頼する業者(メーカー直営か、量販店の延長保証かなど)によって異なりますが、修理費用の一般的な相場は以下の通りです。

修理箇所・内容修理費用の目安(総額)内訳のイメージ
庫内ファンモーター交換15,000円 〜 25,000円部品代:3,000〜5,000円
技術料:8,000〜12,000円
出張費:3,000〜5,000円
霜取りセンサー・基板交換20,000円 〜 40,000円部品代が高額になるケースや、制御基板とセット交換になる場合に高くなります。
機械室ファン(背面)交換20,000円 〜 30,000円冷蔵庫を動かして背面のパネルを開ける作業が必要なため、工賃が高めになる傾向があります。

ご覧の通り、部品代そのものは数千円程度なのですが、サービスマンが家にやってきて、冷蔵庫を分解し、原因を特定して部品を交換するという「技術料」と「出張費」が費用の大半を占めます。これは人件費と移動費なのでどうしても削れない部分です。

寿命と修理代による買い替え判断

メーカー部品保有期間に基づき、使用年数9年未満は修理検討、9年以上は買い替え推奨を示すフローチャート
買い替え判断基準は9年

「修理に2万円払うか、新しい冷蔵庫を買うか」。これは本当に悩ましい決断ですよね。店頭でお客様にアドバイスする際、僕は感情論ではなく、明確な基準として「購入から8年〜9年」という数字を提示しています。

なぜ9年なのか?それは、メーカーが修理するための部品を保管しておく義務がある期間(補修用性能部品の保有期間)が決まっているからです。

全国家庭電気製品公正取引協議会の定めによると、冷蔵庫の補修用性能部品の保有期間は「製造打ち切り後9年」とされています。
(出典:一般社団法人 日本電機工業会『補修用性能部品の保有期間』

つまり、購入から10年近く経っていると、修理したくても「もう部品がないので直せません」と断られる可能性が高くなるのです。また、冷蔵庫の平均寿命は一般的に10年〜12年と言われています。8年〜9年経過してファンが壊れたということは、心臓部であるコンプレッサーやドアパッキン、制御基板なども同じように老朽化しています。

冷蔵庫の寿命サインについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
>>冷蔵庫の寿命は20年持つ?買い替えサインと長持ちさせるコツ

もし今回2万円かけてファンを直しても、その半年後にコンプレッサーが壊れてしまったら、その2万円は無駄になってしまいます。これを「修理のいたちごっこ」と呼びます。

【買い替え推奨の判断基準】

  • 使用年数が9年を超えている
  • 修理見積もりが3万円を超えている
  • 最近、冷えが悪くなってきた気がする

この条件に当てはまる場合は、修理にお金をかけるよりも、思い切って買い替えた方が賢明です。最新の冷蔵庫は10年前のモデルに比べて省エネ性能が格段に向上しており、年間で5,000円〜10,000円近く電気代が安くなることも珍しくありません。10年使えば電気代だけで5万円以上の差が出ることもあるので、長い目で見ればトータルコストはお得になります。

買い替えを決断された方は、失敗しないための準備について以下の記事を参考にしてください。
>>冷蔵庫の買い替え準備マニュアル!やることリストと段取り

冷蔵庫の異音に関するよくある質問

Q1. 冷蔵庫から「コンコン」「バキッ」という叩くような音がするのは故障ですか?

A. 多くの場合は故障ではありません。これは、冷蔵庫内の温度変化によってプラスチック部品や断熱材が膨張・収縮する際に発生する音(膨張音)です。特に冬場や夏場など、温度差が大きい時期によく発生しますが、冷却機能に問題がなければ様子を見ても大丈夫です。

Q2. 異音がうるさいのですが、コンセントを抜いても大丈夫ですか?

A. 一時的なリセットとしてコンセントの抜き差しは有効ですが、タイミングが重要です。一度抜いたら、コンプレッサーの故障を防ぐため、必ず「10分以上」空けてから差し込んでください。ただし、頻繁に抜き差しを繰り返すのは部品に負荷がかかるため控えましょう。

Q3. 「キュルキュル」「キー」という高い金属音がし始めました。原因は何ですか?

A. ファンモーターの軸受け(ベアリング)の油切れ、または劣化による金属摩擦音の可能性が高いです。この音がし始めると、近い将来ファンが回転しなくなり、冷えなくなる恐れがあります。自然治癒はしないため、早めの点検・修理依頼をおすすめします。

Q4. 買って間もないのに「ブーン」という音が大きい気がします。不良品でしょうか?

A. 設置直後は庫内を冷やすためにフルパワーで運転するため、音が大きくなりがちです。また、最近の省エネ冷蔵庫はインバーター制御により、運転状況に応じて音の大きさが変化します。庫内が冷えて安定すれば静かになるケースが大半ですので、数日間は様子を見てください。

Q5. 冷蔵庫の寿命が近づくと、どのような異音がしますか?

A. コンプレッサーからの異常に大きな振動音(ガタガタ、ゴゴゴ)や、不規則な金属音(カッチンカッチンという起動失敗音)が頻発する場合は、寿命が近いサインです。10年以上使用していてこれらの異音がし、同時に冷えが悪くなっている場合は、修理よりも買い替えを検討すべき時期です。

冷蔵庫のブーンという異音が開けると止まる原因と修理方法まとめ

ファンが原因なら24時間の霜取りを行い、それでも直らない場合や9年以上の場合は買い替えを検討するというまとめスライド

最後に、今回の内容をもう一度おさらいしましょう。長くなったので、重要なポイントだけをまとめました。

  1. 「ドアを開けると止まる」異音は、ほぼ100%、庫内ファン周辺のトラブルである。
  2. 「ブーン」という低い音はモーターの劣化、「カラカラ」という高い音は氷との接触(危険度高)。
  3. 修理を呼ぶ前に、電源を抜いて24時間以上の自然解凍(完全霜取り)を試す価値は大いにある。ただしドライヤーは絶対に使わないこと。
  4. 霜取りで直らない、または使用期間が9年を超えている場合は、寿命と考えて買い替えを検討する方が経済的リスクが少ない。

冷蔵庫からの異音は、毎日の生活の中でとてもストレスになるものです。「いつ壊れるか分からない」という不安を抱えたまま過ごすのは精神衛生上よくありません。

もし今、あなたの冷蔵庫が「カラカラ」と悲鳴を上げているなら、この週末にでも食材を整理して、一度「24時間のお休み(霜取り)」をあげてみてください。意外とそれでケロッと直って、また静かな生活が戻ってくることも多いですよ。

この記事が、あなたの冷蔵庫トラブル解決の糸口になれば、家電オタクとしてこれ以上嬉しいことはありません。もし買い替えを検討される際は、また僕の記事を参考にしていただければと思います。

あなたの家の冷蔵庫が、一日でも長く元気に働いてくれますように。

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