PR
こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。
ネットで冷蔵庫を安く手に入れたり、友人から譲ってもらったりしたとき、冷蔵庫の設置を自分でやればタダじゃんと安易に考えたことはありませんか。実は、僕も家電販売員になる前はそう思っていました。
しかし、冷蔵庫はただ重いだけの箱ではありません。運搬方法を間違えると、冷えなくなったり、最悪の場合は水漏れで床がダメになったりする、とてもデリケートな精密機器なんです。
この記事では、販売員として、そして家電エンジニアとしての視点から、皆さんが安全に、かつ確実に冷蔵庫を設置するためのノウハウを包み隠さずお話しします。
業者に頼むべきか、自分でやるべきかの判断基準も明確にしますので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
この記事に書いてあること
- プロに頼む場合と自分で行う場合の費用とリスクの違い
- 搬入不可を防ぐための正しい寸法の測り方と空間の確保
- 冷蔵庫を故障させないための運搬・設置の具体的な手順
- 設置後の水漏れや振動を防ぐためのメンテナンス知識
冷蔵庫設置を自分でする際の事前準備

冷蔵庫の移動は、いきなり動かし始めるのが一番の失敗のもとです。多くの失敗事例は、搬入経路の計測ミスや、ライフスタイルと設置環境の不適合に起因しています。
まずは「本当に自分でできるのか?」という判定と、物理的に通れるかどうかのシビアな計測から始めましょう。ここがクリアできれば、作業の8割は成功したも同然です。
業者費用と自分で行う場合の比較

まず、一番気になる「お金」と「リスク」の話をしっかりと掘り下げていきましょう。業者に依頼すると「高い」というイメージが先行しがちですが、実はトータルのコストパフォーマンスとリスク管理まで含めて考えると、必ずしも自分で行うことが正解とは限りません。
以下に、DIY(自力設置)と専門業者に依頼した場合のコスト構造とリスクを比較した表を作成しました。まずはこれを見て、現状を客観的に把握してください。
| 評価項目 | DIY(自力設置) | 専門業者(配送設置) |
| 金銭コスト | 低(0〜5,000円) ※レンタカー代、ガソリン代、養生テープ代など | 中〜高(数千円〜3万円) ※購入時は標準設置無料が多いが、配送のみ依頼は有料 |
| 時間コスト | 高(全工程の管理) ※レンタカー手配、協力者確保、作業、返却で丸一日潰れることも | 低(立会いのみ) ※作業自体は30分程度で完了 |
| 身体リスク | 極めて高い ※腰痛、ぎっくり腰、打撲、指の骨折など | なし ※全てプロが代行 |
| 破損リスク | 高(自己責任) ※壁紙の剥がれ、床の凹み、製品の落下破損 | 低(損害賠償保険) ※業者は通常、家屋・製品への保険に加入済み |
| 技術品質 | 個人差大 ※水平出し、アース接続の不備が起きやすい | 高 ※プロの手順で確実な設置 |
表を見ていただければ分かる通り、DIYの最大のメリットは「目先の現金出費が減る」という一点に尽きます。しかし、ここには「見えないコスト」が含まれていません。
例えば、友人にお願いした場合の謝礼や食事代、レンタカーを借りる手間と費用、そして万が一、搬入中に壁紙を破ってしまった場合の修繕費です。賃貸物件で壁紙(クロス)を傷つけると、退去時に数万円単位の請求が来ることも珍しくありません。
ここが落とし穴!
僕が販売員として現場で見ていると、「自分でやろうとして腰を痛め、結局病院代で高くついた」というお客様や、「無理やり押し込んで床を傷つけ、奥様に激怒された」という旦那様の話をよく耳にします。
特に大型冷蔵庫(400L以上)の場合、リスクヘッジの観点からはプロに任せるのが、結果的に最も安く済む「賢い節約」になるケースが大半です。
搬入経路のサイズ確認と計測方法

冷蔵庫選びで最も多い失敗、それが「サイズが入らない」というトラブルです。でも、単に「冷蔵庫の幅」と「ドアの幅」を比べるだけでは不十分だということをご存知でしょうか。ここでは、プロが現場で行っている「搬入経路の精密測定」について解説します。
まず大前提として、冷蔵庫を通過させるためには、本体サイズに加え、作業員の手が入るスペースや、養生(保護材)の厚みを考慮した「有効幅」が必要です。ギリギリのサイズでは、指を挟んで大怪我をするか、壁と冷蔵庫が擦れてボロボロになります。
プロ直伝!計測のチェックポイント
- 玄関ドアの「有効開口幅」:ドアを全開にしたとき、ドアノブや郵便受け、蝶番(ヒンジ)が内側に飛び出していませんか?それらの出っ張りから反対側の枠までが、実際の通れる幅です。
- 廊下の「クランク(曲がり角)」:ここが最大の難関です。廊下が直角に曲がる場所では、冷蔵庫の「幅」ではなく、斜めにした時の「対角線の長さ」が回転半径に影響します。さらに、回転するための内輪差・外輪差を考慮したスペースが必要です。
- 高さの制約:廊下の天井だけでなく、ドアクローザー(ドア上部の自動で閉まる装置)や、照明器具の下端までの高さを測ってください。冷蔵庫を傾けて通すこともありますが、重量があるため過度な傾斜は危険です。
特に注意してほしいのが、マンションなどの外廊下にある「ガスメーター」や「手すり」です。これらが微妙に出っ張っていて、あと数センチが通らないという事例は山ほどあります。
「多分いけるだろう」という楽観視は捨てて、メジャーを使ってミリ単位でシビアに計測してください。
設置場所の放熱スペースと隙間

「冷蔵庫なんて、置ければいいんでしょ?」と思っていませんか?実は、冷蔵庫の設置場所には、物理的なスペース以上に重要な「熱力学的」な条件が求められます。
冷蔵庫は、庫内を冷やすために奪った熱を、外に放出する「ヒートポンプ」という仕組みで動いています。かつての冷蔵庫は背面から熱を出していましたが、近年の省エネモデルや大容量モデルは、側面および上面からの放熱が主流になっています。つまり、冷蔵庫の横や上を触ると温かいのは故障ではなく、一生懸命熱を捨てている証拠なんです。
もし、この放熱スペースを無視して壁や家具にぴったりとくっつけて設置してしまうと、どうなるでしょうか?
- 熱の逃げ場がなくなり、冷蔵庫周辺の温度が異常上昇する(ヒートアイランド現象)。
- コンプレッサーが「冷えない!」と判断し、フル稼働を続ける。
- その結果、電気代が跳ね上がるだけでなく、コンプレッサーの寿命を著しく縮める。
- 最悪の場合、冷却能力が低下し、中の食材が傷む。
推奨される放熱クリアランス(隙間)
一般的に、メーカーが推奨する隙間は以下の通りです。
・左右:5mm〜2cm以上(機種によるが、余裕があれば10cm推奨)
・上部:50mm〜100mm以上
特に上部は、暖められた空気が上昇して溜まる場所なので、広めに空けるのがセオリーです。上部が塞がれていると、熱がこもって放熱効率がガタ落ちします。
また、設置場所の選定では「直射日光」や「ガスコンロの熱」も避けるべきです。これらは外部から熱を加えることになるため、冷蔵庫にとっては過酷な環境となり、故障リスクを高める要因になります。
設置スペースの問題については下記の記事でより詳しく解説しています。
2階への階段搬入は無理か判断

戸建て住宅にお住まいの方で、2階にキッチンがある場合、冷蔵庫の搬入難易度は指数関数的に跳ね上がります。正直に申し上げますと、2階への階段搬入(特に手上げ)を素人が行うのは、ほぼ不可能であり、自殺行為に近いです。
なぜここまで強く言うのか。それは階段の形状と作業スペースの問題です。
真っ直ぐな「直階段」であれば、力のある男性が3〜4人いれば上げられるかもしれません。しかし、日本の住宅に多い「回り階段(U字やL字に曲がる階段)」や「踊り場のある階段」の場合、冷蔵庫を持ち上げた状態で、空中で旋回させるという高度な技術が要求されます。
この旋回作業の際、冷蔵庫を斜めに傾ける必要があるのですが、ここで問題が発生します。冷蔵庫を傾けると「高さ方向の必要寸法」が大きくなるため、階段の天井や梁(はり)に角がぶつかってしまうのです。
これを「天井高不足によるスタック」と呼びますが、こうなると進むことも戻ることもできず、階段の途中で立ち往生するという最悪の事態に陥ります。
ここがリスク!
・手すりが邪魔で有効幅が足りない(手すりの取り外しが必要)。
・100kg近い重量物を、足場の悪い階段で支えきれず落下させる。
・壁クロスを激しく損傷させる。
僕たちプロでも、2階設置の場合は必ず事前に訪問見積もりを行い、搬入経路を徹底的に確認します。場合によっては階段を通さず、窓からクレーンで吊り上げる作業を選択することもあります。2階設置の場合は、迷わずプロに相談してください。
一人での運搬作業に伴うリスク
一人暮らしの方や、学生さんなどが「小さな冷蔵庫だから一人で運べるだろう」と考えるケースがよくあります。しかし、これも家電のプロとしては強く反対します。
例えば、150Lクラスの一人暮らし用冷蔵庫でも、重量は約30kg〜40kgあります。「30kgなら米袋と同じだから持てる」と思うかもしれませんが、冷蔵庫はダンボールに入った荷物とは訳が違います。
第一に、持ちにくいこと。冷蔵庫は表面がツルツルしており、把手(とって)の位置も低いため、持ち上げるには深いスクワットのような姿勢が必要です。第二に、視界が遮られること。一人で前抱えにすると足元が全く見えなくなります。この状態で段差につまずけば、冷蔵庫の下敷きになり、大怪我をします。
そして何より恐ろしいのが「腰への負担」です。不安定な姿勢で重量物を保持すると、腰椎にかかる負荷は何倍にもなります。引越し代を数千円ケチった結果、椎間板ヘルニアになってしまい、一生腰痛と付き合うことになったら…あまりにも代償が大きすぎます。
冷蔵庫の運搬は、どんなに小型であっても、物理法則とバイオメカニクスの観点から「必ず2名以上」で行うのが鉄則です。どうしても人手が足りない場合は、便利屋さんなどを利用することを強くお勧めします。
冷蔵庫設置を自分でするやり方と手順

ここまでのリスク説明を読んだ上で、それでも「条件を満たしているから自分でやる!」と決意された方のために。
ここからはエンジニアとしての知識を総動員し、絶対に失敗させないための具体的かつ技術的な手順を解説します。一つ一つの工程にはすべて「理由」があります。飛ばさずに確認してください。
運搬前の水抜きと霜取りの手順

引越しや移動の当日になって、いきなり冷蔵庫のコンセントを抜いて運ぼうとしていませんか?それは絶対にNGです。冷蔵庫の内部には、通常の使用では見えない場所に「大量の水」と「氷(霜)」が隠れているからです。
冷蔵庫は空気中の水分を冷やして結露させることで庫内を乾燥・冷却しています。この水分は霜となって冷却器(エバポレーター)に付着し、定期的な霜取り運転によって水になり、蒸発皿に溜まります。このメカニズムを理解した上で、以下の手順で「無害化」処理を行う必要があります。
- 中身を完全に空にする:食材が入ったまま運ぶのは重量が増すだけでなく、内部の棚やトレーが破損する原因になります。クーラーボックス等へ移動しましょう。
- 製氷システムの水抜き:自動製氷機付きのモデルでは、給水タンクの水を捨てるだけでは不十分です。製氷皿に残った水や氷を完全に排出させるため「製氷停止」ボタンを押し、氷ができきった状態で破棄します。
- 電源遮断(霜取り):ここが最重要です。運搬の16〜24時間前には電源プラグを抜いてください。冷却器の奥深くにある霜は、数時間では溶けきりません。完全に自然解凍させるための時間が必要です。
- 水抜き(蒸発皿の排水):霜が溶けた水は、冷蔵庫の背面下部や底面にある「蒸発皿(ドレンパン)」に溜まります。機種によって「排水栓を抜くタイプ」や「皿を引き出すタイプ」があります。これを処理せずに冷蔵庫を傾けると、泥状のヘドロを含んだ汚水が床に流れ出し、新居を汚すことになります。
この準備工程は、運搬作業そのものよりも重要です。水分が残っていると、運搬中に制御基板に水がかかり、電源を入れた瞬間にショートして再起不能になるリスクもあります。
故障を防ぐ正しい運搬のコツ
いよいよ運搬ですが、ここで守るべき物理的な鉄則があります。それは「冷蔵庫は立てたまま運ぶ」ということです。
なぜ横に寝かせてはいけないのか。これには冷蔵庫の心臓部である「コンプレッサー(圧縮機)」の構造が関係しています。コンプレッサーの中には、金属部品の摩耗を防ぐための潤滑油(オイル)が封入されています。冷蔵庫を横倒しにしたり、過度に傾けたりすると、このオイルが本来あるべき場所から流れ出し、冷媒ガスが通る冷却配管(サイクル)の方へ侵入してしまいます。
これを「オイルバック現象(油上がり)」と呼びます。この状態で電源を入れると、細い配管(キャピラリーチューブ等)に粘度の高いオイルが詰まり、冷媒が循環できなくなります。つまり、「コンプレッサーは動いているのに全く冷えない」という致命的な故障を引き起こすのです。
運搬時の技術的ポイント
- 傾斜制限:階段などでやむを得ず傾ける場合でも、45度程度を限度としてください。真横にするのは厳禁です。車で運ぶ際も、決して荷台に寝かせず、立ててロープで固定してください。
- ドアと棚の固定:運搬中にドアが開くと、重心が急激に変化し、転倒事故に直結します。養生テープ(糊残りの少ないテープ)でドアをガッチリ固定します。中のガラス棚なども、振動で割れないようテープで止めるか、全て取り出して別送するのが安全です。
- 保持ポイント(把手):冷蔵庫には構造的に強化された「運搬用ハンドル」が存在します。通常、背面上部と底面前部にあります。ドアハンドルや扉の端を持つことは、ヒンジの破損やドア脱落を引き起こすため絶対にやめてください。

運搬時の注意点については以下の記事でより詳しく解説しています。
>>冷蔵庫を横にしたら何時間待つ?故障リスクと対処法を解説
アース接続と電源を入れる時間

苦労して冷蔵庫を設置場所に置いた後、「早く冷やしたい!」と焦ってすぐにコンセントを差してしまう方がいますが、これは自殺行為です(冷蔵庫にとっての、ですが)。
運搬時の振動や傾きによって、コンプレッサー内のオイルや冷媒ガスは撹拌され、泡立った不安定な状態になっています。この状態でコンプレッサーを起動させると、潤滑不良や液圧縮(気体ではなく液体を圧縮してしまい破損すること)を起こす可能性があります。
そのため、設置後は最低でも30分〜1時間、できれば数時間ほど「安静」にする時間を設けてください。これにより、配管内に散らばったオイルが自重でコンプレッサーに戻り、冷媒の状態も安定します。
この待ち時間を有効活用して、「アース線」の接続を行いましょう。冷蔵庫は水気のあるキッチンで使用する家電であり、24時間365日通電しています。絶縁劣化や水濡れによる漏電が発生した場合、アースがつながっていないと、触れた人が感電する恐れがあります。
コンセントのアース端子(蓋を開けるとネジなどがある部分)に、冷蔵庫から出ている緑/黄色の線を接続します。これは電気設備技術基準でも推奨されている重要な安全対策です。プラスドライバー1本でできる簡単な作業ですので、必ず行ってください。
設置後の水漏れトラブル対処法
DIY設置で最も多い事後トラブル、それが「水漏れ」です。設置から数日〜数週間後に、冷蔵庫の下から水が染み出して床が腐る、というケースです。この原因は主に2つあります。
一つ目は「排水経路(ドレン)の異常」です。特に中古の冷蔵庫を運搬した場合、振動でドレンホース内のヘドロ汚れが剥がれ落ち、出口を塞いでしまうことがあります。こうなると、霜取りの水が排水されず、庫内やドレンパンから溢れ出します。
二つ目は「ドアパッキンの密着不良」です。設置場所の床が水平でない場合、冷蔵庫の筐体が微妙に歪み、ドアパッキンに隙間ができます。そこから外気が侵入すると、庫内で大量の結露が発生し、受け皿の容量を超えて水が溢れます。
これを防ぐためには、設置直後の「水平出し(レベリング)」が不可欠です。冷蔵庫の前底部にある「調整脚」を回して、本体がガタつかないように調整します。この際、プロの裏技として「わずかに前側を高く(後ろに傾くように)」調整することをお勧めします。
こうすることで、ドア自重で自然に閉まる力が働き、パッキンの密着性が高まり、冷気漏れを防ぐことができるからです。
古い冷蔵庫のリサイクル処分方法
新しい冷蔵庫を設置したら、これまで使っていた冷蔵庫を処分しなければなりません。ここで注意が必要なのが法律です。冷蔵庫は「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」の対象品目であり、粗大ゴミとして捨てることは法律で固く禁じられています。不法投棄は犯罪であり、厳しく処罰されます。
自分で処分を行う場合(指定引取場所への持ち込み)の手順は以下の通りです。
- リサイクル料金の確認:メーカーとサイズ(170L以下か171L以上か)によって料金が異なります。事前に調べておきましょう。
- 郵便局での手続き:郵便局に行き、「家電リサイクル券(料金郵便局振込方式)」を入手します。必要事項を記入し、窓口やATMでリサイクル料金(概ね3,740円〜4,730円程度)を支払います。
- 指定引取場所への搬入:「一般財団法人家電製品協会(RKC)」のウェブサイトで、最寄りの指定引取場所を検索します。リサイクル券を貼付した冷蔵庫を、自分の車などで持ち込みます。
この方法なら「収集運搬料金」はかかりませんが、やはり搬出と運搬の手間はかかります。買い替えであれば、新しい冷蔵庫を購入したお店に「収集運搬料金」を支払って引き取ってもらうのが、最もスムーズで安全な方法です。
参考リンク
家電リサイクル法の詳細や、最寄りの指定引取場所の検索については、以下の公式サイトをご確認ください。
(出典:一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター『指定引取場所検索』)
冷蔵庫設置を自分でする際のよくある質問
Q1. 冷蔵庫を横にして運んだ場合、どれくらい時間を置けば電源を入れられますか?
A. 基本的に横積みは厳禁ですが、やむを得ず傾けたり横にした場合は、設置してから最低でも半日〜1日(24時間)以上電源を入れずに放置してください。コンプレッサー内のオイルが元の位置に戻るのを待つためです。すぐに電源を入れると故障の原因になります。
Q2. 運搬用の養生毛布がない場合、家にあるもので代用できますか?
A. 使わなくなった厚手の毛布や布団であれば代用可能です。ただし、薄いシーツやタオルケットでは床への傷を防げません。また、滑らせて移動する場合は、床との摩擦で布が破れることがあるため、捨てても良いものを使用するか、ホームセンターで専用のキルティングパッドを購入することをおすすめします。
Q3. 雨の日でも自分で運搬して大丈夫ですか?
A. 推奨しません。冷蔵庫の基板や電源プラグ部分が雨に濡れると、漏電やショートによる発火のリスクがあります。また、足元が滑りやすく転倒の危険も高まります。どうしても行う場合は、ビニールシートなどで本体を完全に覆い、水濡れを徹底的に防ぐ必要があります。
Q4. 設置後、すぐに食品を入れてもいいですか?
A. 電源を入れてもすぐには冷えません。庫内が十分に冷えるまで、通常で4〜5時間、夏場だと24時間以上かかることもあります。食品が傷むのを防ぐため、冷蔵庫内が冷えたことを手で確認してから食品を入れるようにしてください。
より詳細な目安や夏場の注意点については、冷蔵庫が冷えるまでの時間と早く冷やすコツで解説しています。
Q5. 2階への設置で階段が狭い場合、窓から搬入できますか?
A. 窓からの搬入(吊り上げ作業)をDIYで行うのは不可能です。専用のクレーン車や、ロープを使った高度な専門技術が必要になります。無理に持ち上げようとすると、冷蔵庫の落下や家屋の破損、大怪我につながるため、必ず専門業者(引越し業者や配送業者)に見積もりを依頼してください。
結論:冷蔵庫設置を自分でする判断基準

ここまで、冷蔵庫のDIY設置について、プロの視点から徹底的に解説してきました。最後に、あなたが「自分でやるか、業者に頼むか」を決めるための最終的な判断基準を提示します。
自分でやっても良いケース(条件付き)
- 冷蔵庫が150L以下(一人暮らし用)であること。
- 設置場所が1階、またはエレベーター完備のマンションであること。
- 力のある協力者が最低1名(できれば2名)確保できること。
- 軽トラックなどの運搬車両と、養生資材が手配できること。
逆に、以下の条件に一つでも当てはまる場合は、迷わずプロに依頼してください。
- 300L以上のファミリータイプ冷蔵庫である。
- 2階以上の階段作業(内階段)が必要である。
- 新築やリフォーム直後で、床や壁を絶対に傷つけたくない。
- 腰痛持ちである、または体力に自信がない。
数千円〜1万円程度のコストを節約するために、数十万円の家屋修繕費や、一生残る身体的ダメージ(ヘルニア等)のリスクを負うことは、経済合理性の観点からもお勧めできません。冷蔵庫設置は、単なる力仕事ではなく、物流・建築・電気・熱の知識を統合したエンジニアリング作業です。
このブログが、あなたの安全で賢い家電ライフの一助となれば幸いです。もし不安があれば、無理をせず「安心」を買うつもりで業者さんに依頼してくださいね。それが結果として、一番の節約になるはずですから。
