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こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。
新しい冷蔵庫への買い替えや引越しが決まると、新しいキッチンでの生活を想像してワクワクしますよね。でも、いざ準備を始めようとすると、「古い冷蔵庫の処分はどうすればいいの?」「中身が入ったままで運んでくれるの?」といった疑問が次々と湧いてくるものです。
特に、インターネットや引越し業者のパンフレットを見ていると必ず出てくる「水抜き」という言葉。「たかが水を捨てるだけでしょ?」と後回しにしていませんか?
実はこの水抜き作業、単に水を捨てるだけでなく、新居の大切な床を守ったり、運搬時のトラブルを未然に防いだりするために、非常に重要な工程なんです。
「やり方がわからなくて当日パニックになった」「水抜きが不十分で新居の床が汚れてしまった」といった失敗談は、僕が働く家電量販店の店頭でも本当によく耳にします。いつから準備を始めればいいのか、もし水抜きをしないとどうなるのか、具体的なやり方がわからず困っている方も多いはずです。
今回は、家電のプロであるエンジニアの視点と、日々お客様の相談に乗っている販売員の経験から、誰でも失敗なくできる水抜きの手順を徹底的にわかりやすく解説します。この記事を読めば、面倒な準備もスムーズに終わり、安心して新しい冷蔵庫を迎える準備が整いますよ。
この記事に書いてあること
- 水抜きをしないと運搬時の水漏れや故障の原因になる
- コンセントを抜くのは最低でも運搬の15時間前が目安
- メーカーごとに蒸発皿の位置や製氷機の停止方法が異なる
- リサイクル回収の場合でもマナーとして水抜きは必須
冷蔵庫の買い替え時に水抜きが必要な理由

「どうせ捨ててしまう冷蔵庫だし、少しくらい水が残っていても大丈夫だろう」と甘く見ていると、引越し当日に思わぬトラブルに巻き込まれ、最悪の場合は追加料金を請求されたり、運搬を断られたりする可能性すらあります。
まずは、なぜこの作業がエンジニア視点で見ても絶対に必要なのか、冷蔵庫の冷却システムという内部構造の仕組みと、水抜きを怠った場合のリスクからしっかりお伝えします。
水抜きしないとどうなるかリスクを解説

冷蔵庫の水抜きを怠った場合に起こりうる最大のリスクは、何と言っても運搬中の水漏れによる家財への深刻な被害です。これには大きく分けて3つの側面があります。専門的な観点から少し掘り下げて解説しましょう。
1. 新居や他の家財を汚損するリスク
冷蔵庫は普段、庫内の冷却プロセスで発生した霜や結露水を「蒸発皿(ドレンパン)」という受け皿に誘導し、コンプレッサーの熱を利用して自然に蒸発させています。しかし、電源プラグを抜くとコンプレッサーが停止し熱源が断たれるため、この蒸発サイクルが完全にストップします。すると、冷却器周辺に残っていた氷が一気に溶け出し、蒸発皿に大量の水が溜まったままの状態になります。
この状態で冷蔵庫を斜めに傾けたり、トラックで振動を与えたりすると、どうなるでしょうか。当然、蒸発皿の容量を超えた水や、皿の縁から溢れ出した水が外部に漏れ出します。しかも、この水はただの水ではありません。
長期間蒸発皿に溜まっていた埃やカビ、食材のカスなどを含んだ「汚水」であるケースがほとんどです。これが新居の真新しいフローリングに染み込んでシミを作ったり、同じトラックに積んでいるソファやマットレスなどの布製品にかかってしまったら、クリーニングでは落ちない悪臭の原因になります。
汚水による被害は、引越し業者の補償対象外(顧客の準備不足)とされるケースもあります。新生活の初日からトラブルを招かないよう、徹底した対策が必要です。
2. 冷蔵庫本体が故障するリスク
「古い冷蔵庫だから壊れてもいい」というわけではありません。特に引越しで再利用する場合、漏れ出した水が冷蔵庫内部の制御基板や電気回路、コンプレッサーの接続端子部分にかかると、致命的な故障を引き起こします。
水がかかった状態で新居で電源を入れると、ショートしてブレーカーが落ちたり、基板が焼損して二度と動かなくなったりする「再起不能」な状態になることも珍しくありません。「新居に着いて電源を入れたけど、一向に冷えない」というトラブルの多くは、実は運搬中の水濡れが原因だったりするのです。
3. 運搬を拒否されるリスク
引越し業者の約款や現場の判断基準によっては、水抜きが完全に行われていない冷蔵庫は「他のお客様の荷物を汚す恐れがある危険物」とみなされ、その場での運搬を拒否されることがあります。
あるいは、作業員の方が緊急で水抜きを行うことになり、その分の追加作業料金(数千円〜)を請求されるケースもあります。当日のスケジュールが大幅に狂う原因にもなるため、リスク管理としても水抜きは必須なのです。
コンセントを抜く時期はいつからか

お客様から一番多くいただく質問がこれです。「引越し当日の朝にコンセントを抜けばいいですか?」と聞かれることが多いのですが、はっきり申し上げますと、それでは全く間に合いません。
結論から言うと、運搬の24時間前、遅くとも15時間前までには電源プラグを抜いておく必要があります。これには「熱力学的な理由」があります。
見えない「氷」が溶けるまでのタイムラグ
冷蔵庫の内部、特に冷却器(エバポレーター)の周辺には、目に見えない氷や霜がびっしりと付着していることがあります。電源を切ると庫内の温度が上がり始めますが、断熱材で守られている冷蔵庫の中は、魔法瓶と同じようになかなか温度が上がりません。
そのため、内部の氷が芯まで溶けて水になり、ドレンホースを通って蒸発皿に全て落ち切るまでには、かなりの時間を要するのです。
季節による溶解時間の違い
特に注意が必要なのが、冬場の引越しや寒冷地での移動です。外気温が低いと、電源を切ってから24時間経過しても、内部の氷が溶けきらずに残ってしまうことがあります。この「溶け残り」がある状態でトラックに積み込むと、運搬中の振動と日中の気温上昇で一気に氷が溶け、移動中に水漏れが発生してしまいます。
逆に夏場は溶けるのは早いですが、食品の腐敗リスクが高まるため、クーラーボックスやドライアイスの準備がより重要になります。どちらにしても、余裕を持って前日の午前中、理想を言えば引越しの2日前から冷蔵庫の中身を減らし始め、前日の朝一番には電源を抜くスケジュールを組むのが、失敗しないための鉄則です。
スケジュールの目安
- 1週間前:調味料や冷凍食品の消費を開始(「冷蔵庫の断捨離」期間)
- 3日前:新たな食材の購入をストップ
- 前日の朝(24時間前):中身を全て出し、電源プラグを抜く
- 前日の夜:蒸発皿の確認(一度水を捨てる)
- 当日の朝:最終的な水捨て作業と庫内の拭き上げ
水抜き以外にも、搬入経路の確認や食材の計画的な消費など、やるべきことは意外と多いものです。全体の流れについては、冷蔵庫の買い替え準備と手順まとめの記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
基本的な水抜きのやり方と手順

それでは、具体的な水抜きの作業手順をステップバイステップで解説していきます。機種によって多少の違いはありますが、基本的な構造はどのメーカーも共通していますので、この流れを押さえておけば大丈夫です。
Step 1: 食品の整理と搬出
まずは庫内を空っぽにします。これが一番大変な作業かもしれませんね。計画的に食べ切るのが理想ですが、どうしても残ってしまった調味料や要冷蔵品は、クーラーボックスに保冷剤を入れて一時保管しましょう。
冬場であれば、段ボールに新聞紙を詰めてベランダ等の涼しい場所に置くことでも数時間は凌げますが、夏場は絶対にNGです。
Step 2: 製氷室の氷と水を捨てる
給水タンクの水を捨て、製氷室に残っている氷も全て廃棄します。このタイミングで、後述する「自動製氷機の水抜き操作」も行います(※電源を抜く前に行うのがポイントです!)。
Step 3: 電源プラグを抜き、ドアを開放する
コンセントから電源プラグを抜きます。そして、ここが重要なのですが、冷蔵庫のドアは全て開け放しておいてください。ドアを閉めたままだと庫内の温度が上がりにくく、霜が溶けるのに時間がかかってしまいます。
また、カビやニオイの防止にもなるので、乾燥させる意味でも開放がおすすめです。この時、溶け出した水が床に垂れてくる可能性が高いので、冷蔵庫の足元や周辺には古タオルや雑巾、吸水マットを敷き詰めておきましょう。
Step 4: 蒸発皿・排水栓の水抜き
十分に時間が経過(翌朝など)したら、いよいよ溜まった水を捨てます。 蒸発皿が前面から引き出せるタイプは、水平にそっと引き出して捨ててください。結構な量の水が入っていることがあるので、こぼさないよう注意が必要です。
蒸発皿が取り外せないタイプや背面排水タイプの場合は、冷蔵庫の背面下部にある排水栓から水を抜くか、あるいは運搬時に本体を後方に傾けて排水口から水を出し切ることになります。この作業は一人で行うと冷蔵庫が転倒する危険があるため、必ず大人2名以上で行うか、引越し業者のスタッフにお願いして指示を仰いでください。

庫内の棚やポケットも外して洗っておくと、新居ですぐに気持ちよく使えます。
電源を抜いた直後は庫内が結露でビショビショになるので、乾いたタオルでしっかりと拭き上げることも忘れずに。
自動製氷機の水抜きも忘れずに行う

冷蔵庫の水抜きにおいて、最も見落とされがちで、かつ水漏れトラブルの原因ナンバーワンなのが、この「自動製氷機」です。「給水タンクの水を捨てたから大丈夫」と思っているなら、それは大きな間違いです。
なぜ製氷機の水抜きが必要なのか?
自動製氷機の構造を想像してみてください。給水タンクから吸い上げられた水は、ポンプを通ってパイプを移動し、製氷皿(氷を作るトレイ)に注がれます。実は、給水タンクを空にしても、この「パイプの中」や「製氷皿の中」には、作りかけの氷や水が必ず残っているんです。
これらは冷蔵庫の電源を切った後では、モーターが動かないため排出することができません。その結果、運搬中の振動で製氷皿に残っていた氷が溶け出し、予期せぬ場所からポタポタと水が垂れてくることになります。
必ず「電源を抜く前」にコマンド入力を
これを防ぐために、各メーカーは「製氷停止モード」や「水抜きモード」、「製氷おそうじ機能」といったメンテナンス機能を搭載しています。多くの機種では、特定のボタン(「製氷」や「一気冷凍」など)を長押しすることで、強制的に製氷皿を回転させ、残った水や氷を下の貯氷ケースに落とすことができます。
この操作は通電中でないと機能しません。「あ!電源抜いちゃった!」となってからでは手遅れですので、必ず電源プラグを抜く直前の儀式として行ってください。
処分やリサイクル回収でも作業は必須
「今回は買い替えで、古い冷蔵庫はリサイクル業者に引き取ってもらうだけだから、そこまで神経質にならなくてもいいよね?」という質問もよくいただきますが、答えはNOです。処分する場合であっても、水抜きは確実に行う必要があります。
確かに、廃棄する冷蔵庫が故障しようが、傷がつこうが問題はありません。しかし、問題なのは「搬出経路」です。回収に来てくれる配送業者さんは、あなたの家の廊下、玄関、そしてマンションの共用部を通って冷蔵庫を運び出します。
もし水抜きをしておらず、搬出中に汚水が漏れて廊下を汚してしまったらどうなるでしょうか。業者の作業着を汚してしまうだけでなく、マンションの管理会社から清掃費用を請求されたり、近隣住民とのトラブルに発展したりするリスクがあります。
また、家電リサイクル法に基づいて適正に処理される際も、内部に液体が残っていると処理工程での支障になることがあります。立つ鳥跡を濁さず。長年お世話になった冷蔵庫への最後の手向けとして、そして作業してくれる業者さんへの最低限のマナーとして、しっかりと水抜きを行い、庫内を空にして引き渡しましょう。
リサイクル料金や収集運搬費については、メーカーや大きさによって異なります。詳細は一般財団法人家電製品協会のサイトなどで確認しておくと安心です。
(出典:一般財団法人 家電製品協会『リサイクル料金 主要メーカー一覧』)
メーカー別冷蔵庫の買い替えに伴う水抜き手順

ここからは、僕が普段店頭で扱っている主要メーカーごとの特徴的な水抜き手順を解説します。
「取扱説明書をどこにしまったか忘れた!」という方は、ぜひ参考にしてください。ただし、同じメーカーでも型番や年式によって操作が異なる場合があるので、最終的には本体の型番で検索して確認することをおすすめします。
パナソニック冷蔵庫の排水手順
パナソニック製の冷蔵庫は、コンプレッサーを冷蔵庫の上部に配置した「トップユニット方式」を採用しているモデルが多く、重心の位置が他社と異なるため注意が必要です。特に400L以上の大型モデルでは、蒸発皿が背面の深い位置に内蔵されており、ユーザーが簡単に取り外せない構造になっていることが一般的です。
大型モデル(400L以上)の場合
基本的には「運搬時に傾けて排水する」方式が採用されています。背面の最下部に排水口がついていることが多いので、冷蔵庫の下に防水シートやタオルを敷き、配送業者のスタッフなどの力を借りてゆっくりと後方に傾けます。
すると、排水口からチョロチョロと水が出てきますので、それをタオルで受け止めます。トップユニット方式は上部が重いため、傾ける際は転倒に十分注意し、必ず2名以上で支えてください。
中・小型モデル(300L以下)の場合
背面の下の方に「排水栓(キャップ)」がついているモデルがあります。プラスチックのネジのような形状をしているので、これをドライバーやコインで回して外すと、そこから水が勢いよく出てきます。バケツや浅いトレイを用意してから開栓しましょう。
製氷機の水抜き(共通)
給水タンクを外した状態で、操作パネルの「製氷停止」ボタンを3秒以上長押しします。「ピーッ」という音が鳴り、製氷停止ランプが点灯すれば、製氷皿の水抜き(氷を落とす動作)が完了した合図です。
三菱電機の冷蔵庫にある蒸発皿の扱い
三菱電機の冷蔵庫は、「切れちゃう瞬冷凍」などの機能で人気ですが、メンテナンス性に関しても非常にユーザーフレンドリーな設計がなされています。多くの機種で、専門的な知識がなくても蒸発皿にアクセスしやすいのが特徴です。
前面からのアクセスが可能
三菱製の多くのモデルでは、冷蔵庫の前面下部にあるカバー(キックプレート)を手前に引いて取り外すと、その奥に蒸発皿が収納されています。これを水平にゆっくりと引き出すことで、冷蔵庫を傾けることなく、安全に水を捨てることができます。
ただし、長期間使用していると、蒸発皿にホコリが溜まっていたり、水が満タンに入っていて結構な重さになっていたりします。引き出す勢いで水をこぼさないよう、慎重に操作してください。
また、一部の機種や古いモデルでは背面排水の場合もあるので、前面カバーが外れない場合は無理に引っ張らず、背面を確認しましょう。
製氷機の強制排出コマンド
操作パネルにある全てのボタン(「冷蔵」や「冷凍」など)の中から、特定のボタン(機種により「全室」ボタンや「選択」ボタンなど)を約5秒間長押しすることで、「製氷皿そうじ」モードや水抜き動作に入ります。動作音が止まったら完了です。
日立は製氷おそうじ機能で水を抜く
「真空チルド」でおなじみの日立の冷蔵庫ですが、水抜きに関しては製氷機能のメンテナンス手順がしっかりと確立されています。日立製をお使いの方は、特に「製氷おそうじ」機能を活用した水抜きを意識してください。
製氷おそうじ機能の活用
電源を抜く前に、必ず以下の手順を行ってください。
- 給水タンクに水を入れます(ここが他社と違い、洗浄のために一度水を入れます)。
- 操作パネルの「Menu」ボタンなどを押し、「製氷」ボタンを5秒以上長くタッチし続けます。
- 「ピーッ」と音が鳴り、製氷おそうじモードが始まります。これにより、給水経路や製氷皿に残った水が洗浄されながら排出されます。
- 終了後、給水タンクと製氷ケースの水を捨て、綺麗に拭き取ります。
本体の水抜き
本体の水抜きに関しては、背面の排水栓から抜くタイプや、傾けて排水するタイプが一般的です。日立の大型冷蔵庫は重量があるため、床を傷つけないよう、必ず厚手の保護シートや毛布の上で作業を行ってください。
また、一部の機種では排水栓にカバーが付いている場合があるので、見当たらない場合は背面下部のカバーを外してみてください。
東芝やシャープの水抜きにおける注意点
東芝やシャープの冷蔵庫には、他社とは少し異なるユニークな構造や注意点が存在します。検索されることも多い「あの作業」について解説します。
東芝(VEGETAシリーズ等):膜を突き破る?
東芝製冷蔵庫の一部機種において、取扱説明書に「排水口の膜をドライバー等で突き破ってください」と書かれていることがあります。「えっ、壊すの?」と驚かれるお客様も多いのですが、これは仕様です。
製造時、防虫や密閉性を保つために排水口の奥に薄い膜が張られています。購入後初めて水抜きを行う場合、この膜を物理的に穴を開けないと水が出てこない構造になっています。
ドライバーを排水口に差し込み、ブスッと突き破ってから排水を行ってください。これを忘れると、いくら傾けても水が出てきません。
シャープ(プラズマクラスター冷蔵庫):蒸発皿は固定式
シャープ製品の多くは、蒸発皿が内部に固定されており、ユーザーが取り外せない構造になっています。公式のFAQなどでは「蒸発皿の水を抜くことができない構造のため、前日に電源を抜いておけば自然蒸発分で対応可能(特別な水抜き作業は不要)」と案内されているケースが多いです。
しかし、湿度の高い時期や使用状況によっては水が残り、運搬時に漏れる可能性があります。引越し業者の現場判断では、念のため運搬前に少し傾けて、水が出ないか確認することを求められることが多いです。そのため、「基本は不要だが、念のためタオルを用意して傾けてみる」のが正解です。
作業を忘れた場合などのトラブル対処

どんなに準備していても、うっかり忘れてしまうことはあります。「引越し当日の朝、冷蔵庫のコンセントが刺さったままだった!」と気づいた時、どうすれば最悪の事態を回避できるでしょうか。
絶対にやってはいけないこと:隠蔽工作
最も避けるべきなのは、「水抜きしていないことを隠して、黙って業者に運ばせること」です。「バレないだろう」と思っても、トラックの中で必ず水漏れします。そうなれば、他の荷物への弁償問題に発展しかねません。
忘れてしまった場合は、作業員の方が到着した瞬間に「すみません!水抜きを忘れてしまいました」と正直に申告してください。
プロの配送業者であれば、タオルを多めに巻く、防水シートを二重にする、トラックへの積み込み順序を変えて最後に積む(すぐに降ろせるようにする)など、現場でのリカバリー策を講じてくれる場合があります。
絶対にやってはいけないこと:ドライヤーや刃物
「急いで霜を溶かさなきゃ!」と焦って、ドライヤーの熱風を庫内に当てたり、ナイフやアイスピックで氷を削り取ろうとする方がいますが、これは絶対にNGです。冷蔵庫の内壁はプラスチックでできており、熱に非常に弱いです。
熱風で変形したり、刃物で冷却器(エバポレーター)や冷媒配管を突き刺してガス漏れを起こしたりすると、冷蔵庫は一発で壊れます。自然解凍以外の手法は取らないようにしましょう。
冷蔵庫の買い替えに関するよくある質問
Q1. 冷蔵庫の買い替え時期はいつが一番安いですか?
A. 一般的に、各メーカーの新製品が発売される直前の「8月〜9月頃」が旧型モデルの価格が下がり、最も安く購入できる時期と言われています。また、家電量販店の決算セールが行われる3月や9月も、値下げ交渉がしやすく狙い目です。
Q2. 古い冷蔵庫の処分費用(リサイクル料金)はいくらかかりますか?
A. メーカーや容量(170L以下か171L以上か)によって異なりますが、リサイクル料金は概ね3,740円〜6,000円程度です。これに加え、家電量販店や業者に依頼する場合は「収集運搬料金(1,650円〜)」が別途必要になります。
Q3. 新しい冷蔵庫は設置してすぐに電源を入れても大丈夫ですか?
A. 最近の機種の多くは、設置後すぐに電源を入れても問題ありません。ただし、運搬中に横倒しにしたり大きく傾けたりした場合は、コンプレッサー内のオイルを安定させるため、30分〜1時間ほど置いてから電源を入れることが推奨されています。
より詳しい解説については、引越し直後の冷蔵庫の電源を入れるタイミングと待機時間の記事もあわせてご確認ください。
Q4. 買い替えでサイズが大きくなる場合、搬入経路の確認ポイントは?
A. 設置場所だけでなく、玄関、廊下、エレベーター、階段の幅と高さを必ず確認してください。一般的に、冷蔵庫本体のサイズに「プラス10cm」の余裕があれば搬入可能とされています。特にマンションの階段や、内階段のある戸建ては注意が必要です。
Q5. 食材の中身はいつまでに空にすれば良いですか?
A. 引越しや搬入の当日ではなく、「前日」までに空にして電源を抜いておく必要があります(水抜きのため)。前日にはクーラーボックスを用意するか、食材を使い切る計画を立て、当日は冷蔵庫内が空っぽの状態にしておきましょう。
冷蔵庫の買い替えは水抜きまで計画的に

冷蔵庫の買い替えや引越しは、新しい生活のスタートを飾る大きなイベントです。ピカピカの新しい冷蔵庫がキッチンに収まる様子を想像すると楽しいですが、その前の「立つ鳥跡を濁さず」の精神も忘れてはいけません。最後の最後で水漏れトラブルが起きてしまうと、せっかくのワクワク気分も台無しになってしまいますよね。
今回解説したように、水抜きは単に「前日に電源を抜くだけ」ではなく、製氷機のケアやメーカーごとの手順確認、さらには床の保護など、意外と奥が深く、そして何より「時間」が必要な作業です。「知らなかった」で済ませるにはリスクが大きすぎます。
この記事を参考に、余裕を持ったスケジュールで準備を進めていただければ、家電のプロである僕としてもこれほど嬉しいことはありません。もし、ご自宅の冷蔵庫の具体的な操作方法が不明な場合は、お持ちの機種の型番で「〇〇(型番) 取扱説明書」と検索するか、メーカーのお客様サポートに問い合わせてみてくださいね。
万全の準備で、気持ちよく新しい生活をスタートさせましょう!
