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洗濯が終わった衣類に、黒いカスやワカメのような汚れが付着していて、不快な思いをしていませんか?
何度洗っても現れるこの汚れの正体は一体何なのでしょうか。その黒いカスであるワカメがずっと出てくるのはなぜか、その根本的な原因が気になりますよね。
市販の洗濯槽クリーナーを試しても一向にカスがなくならないのはなぜなのか、多くの方が同じ疑問を抱えています。
この記事では、SNSなどで話題のオキシクリーンを使って洗濯槽の頑固なカス、つまり黒カビをどうやってなくすのか、その具体的な方法から注意点までを徹底的に解説します。
そもそも洗濯機にオキシクリーンは使ってはいけないのか、そのデメリットや、洗濯槽をオキシ漬けして洗ったらダメな理由についても深掘りします。
また、衣類用漂白剤のワイドハイターとオキシクリーンどっちがいいのかという比較や、中にはオキシクリーンで洗濯機が壊れるという話も聞かれますので、そのリスクも隠さずお伝えします。
オキシクリーンを洗濯槽に何杯入れるのが適切なのか、水でも大丈夫なのか、そして最も効果を引き出すためのお湯の貯め方、特に構造が複雑なドラム式の洗濯機でオキシクリーンを使用する際の注意点まで、あらゆる疑問に専門的な視点からお答えします。
さらに、洗濯槽のワカメがなくならない場合の最終手段とも言える塩素系クリーナーという選択肢や、掃除中に浮いてきたワカメを効率的にすくう代用品、洗濯機のワカメを根本から溶かす取り方など、この厄介な問題を解決するための情報を網羅しています。
- 記事のポイント
- ・洗濯槽からワカメ状の汚れがなくならない根本的な原因
・オキシクリーンを使った洗濯槽の具体的な掃除手順
・オキシクリーンを使用する際に潜むリスクと正しい使い方
・状況に応じたオキシクリーン以外の効果的な対処法
なくならない洗濯機のワカメ!オキシクリーンは原因に効く?

- 洗濯物から出てくるワカメの正体は?
- ワカメがずっと出てくるのはなぜですか?黒いカスです
- 洗濯槽クリーナーをしてもカスが出るのはなぜですか?
洗濯物から出てくるワカメの正体は?

洗濯を終えたばかりの清潔なはずの衣類に付着している、あのワカメのような黒いピロピロとした汚れ。その不気味な正体は、紛れもなく「黒カビ」です。
これは、私たちが普段直接目にすることのない、洗濯槽の裏側や底、部品の隙間といった場所で密かに繁殖したカビのコロニー(集合体)が、洗濯の際の水流によって剥がれ落ちたものです。
洗濯機の中は、カビが繁殖するための絶好の条件が揃っています。カビの発生には主に「栄養」「湿度」「温度」の3つの要素が必要ですが、洗濯機内部はこれらをすべて満たしています。
洗濯機がカビの温床となる3つの理由
- 豊富な栄養源:衣類から出る皮脂や汗、垢、そして溶け残った洗剤や柔軟剤は、カビにとって格好の栄養となります。
- 高い湿度:洗濯後は槽内に水分が残り、フタを閉めたままにすると湿度が80%を超えることも珍しくありません。これはカビが最も活発に繁殖する環境です。
- 適度な温度:カビは20~30℃の温度で最も生育しやすく、洗濯機内部は年間を通してこの温度帯に保たれがちです。
見た目が海藻のワカメに似ていることから通称「ワカメ」と呼ばれていますが、その正体はまぎれもないカビであり、衣類を汚すだけでなく、私たちの健康にも影響を及ぼす可能性があるのです。
健康への影響も無視できない
黒カビ(クラドスポリウムなど)は、空気中に胞子を飛散させます。
これらの胞子を吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を引き起こしたり、悪化させたりする原因になり得ます。
特に、免疫力が低い小さなお子様や高齢の方、アレルギー体質の方がいるご家庭では、洗濯槽を清潔に保つことが非常に重要です。
実際に、厚生労働省の報告書でも、カビが引き起こす健康被害について注意喚起がなされています。
ワカメ(黒いカス)がずっと出てくるのはなぜ?
一度、市販のクリーナーで洗濯槽の掃除をしたはずなのに、その後も洗濯のたびにワカメ(黒いカス)が繰り返し出てきてしまう…。この終わりの見えない状況は、洗濯槽の裏に長年かけて蓄積した汚れの層が分厚くなっており、一度の掃除では表面しか除去できていないことが根本的な原因です。
長期間掃除をしていない洗濯槽の裏側は、単にカビが生えているだけではありません。黒カビを筆頭に、さまざまな種類の細菌、洗剤カス、ホコリなどが複雑に絡み合い、「バイオフィルム」と呼ばれる強力なぬめりの膜を形成しています。これは、細菌が自らを守るために作り出すバリアのようなもので、非常に除去が困難です。
このバイオフィルムの層が、まるで地層のように何層にもわたって洗濯槽に固着しているのです。市販のクリーナーで掃除をすると、この分厚い汚れの層の、一番外側にある比較的脆い部分だけが剥がれ落ちます。しかし、その下にはまだ頑固な汚れの本体が残存している状態です。
言わば、大きな玉ねぎの一番外側の皮を一枚だけ剥いたようなものですね。洗濯槽が回転するたびに、その「皮」が少しずつ剥がれては洗濯物にくっついてくるのです。これが、掃除をしてもワカメがなくならないメカニズムです。
特に、洗浄力が穏やかなクリーナーを使用したり、推奨されているつけ置き時間を守らなかったりすると、汚れを中途半端に浮かび上がらせるだけで終わってしまいます。これは、むしろ固着していた汚れを緩ませるだけとなり、かえって洗濯のたびにワカメが大量に発生するという最悪の状況を招くことにもつながりかねません。
洗濯槽クリーナーをしてもカスが出るのはなぜ?

市販の洗濯槽クリーナーを使っても黒いカスがなくならない、あるいは以前よりひどくなったと感じる場合、その主な理由は「使用したクリーナーの種類」と「洗濯槽の汚れの蓄積レベル」が致命的にミスマッチである可能性が非常に高いです。
クリーナー選びを間違えると、時間とお金を無駄にするだけでなく、問題を悪化させてしまうことさえあります。そうならないために、まずはクリーナーの2大タイプ、「酸素系」と「塩素系」の特性を正確に理解しましょう。
種類 | 酸素系クリーナー | 塩素系クリーナー |
---|---|---|
主成分 | 過炭酸ナトリウム | 次亜塩素酸ナトリウム |
得意なこと | 物理的に汚れを剥がし取る | 化学的にカビを分解・殺菌する |
メリット | ・汚れ落ちが目に見える ・ツンとした刺激臭がない ・環境への負荷が比較的小さい | ・強力な殺菌、除菌効果 ・汚れを溶かすため、すくう手間がない ・短時間で完了する製品が多い ・多くの洗濯機メーカーが推奨 |
デメリット | ・剥がれた汚れをすくう手間がかかる ・効果を発揮するのに40~60℃のお湯が必要 ・つけ置きに時間がかかる ・メーカー非推奨の場合が多く、故障リスクがある | ・特有の塩素臭がある ・酸性タイプの製品と混ぜると有毒ガスが発生する(混ぜるな危険) ・衣類に付着すると脱色する |
代表例 | オキシクリーン、シャボン玉石けんの製品など | カビキラー、ハイター、各メーカー純正品など |
つまり、酸素系クリーナーを使って「ワカメが大量に出てきた!」というのは、掃除が成功している証拠であると同時に、その大量のワカメを物理的に取り除かなければならないという重労働の始まりを意味します。これを怠れば、ワカメは槽内に残り続け、いつまでも洗濯物に出てくることになるのです。
また、購入から5年以上経過した洗濯機や、洗濯頻度が高いご家庭の場合、汚れの蓄積レベルが市販クリーナーの洗浄能力を上回っていることも珍しくありません。このようなケースでは、より強力な洗浄剤を選ぶ必要があります。
オキシクリーンで洗濯機ワカメ掃除!なくならない時の注意点

- 黒カビはどうやってなくすの?オキシクリーンで掃除
- オキシクリーン洗濯槽へのお湯の貯め方
- オキシクリーンは洗濯槽に何杯入れる?
- 浮いてきた洗濯槽のワカメをすくう代用品
- 洗濯機にオキシクリーンは使ってはいけない?デメリット
- オキシクリーンで洗濯機が壊れる可能性
- それでも洗濯槽のワカメがなくならないなら塩素系
黒カビはどうやってなくすの?オキシクリーンで掃除

オキシクリーン(酸素系漂白剤)は、その代名詞ともいえる強力な発泡力で、洗濯槽の裏側に潜む黒カビやヘドロ状の汚れを物理的に剥がし落とすのに非常に効果的です。
主成分である過炭酸ナトリウムが40~60℃のお湯と反応することで、活性酸素の泡を爆発的に発生させます。この無数の泡が、こびりついた汚れの隙間に入り込み、その力で汚れをごっそりと浮かび上がらせるのです。
その効果を最大限に発揮させるための、正しい掃除の手順をステップごとに詳しく見ていきましょう。
オキシクリーンを使った洗濯槽掃除の完全手順
- 事前準備:ゴミ取りネットを外す
最初に、洗濯槽内にある糸くずフィルターやゴミ取りネットを必ず外しておきましょう。これから剥がれ落ちる大量の汚れがフィルターに詰まり、破損や水漏れの原因になるのを防ぐためです。 - ステップ1:40~60℃のお湯を溜める
洗濯機の電源を入れ、槽の最も高い水位までお湯を溜めます。この時、必ず40~60℃の温度を保つことが成功のカギです。温度が低いと効果が激減します。 - ステップ2:オキシクリーンを投入・撹拌
規定量のオキシクリーンを投入し、粉が完全に溶けるようにします。その後、「洗い」コースのみを選択し、5~10分ほど洗濯機を運転させ、薬剤を洗濯槽全体に均一に行き渡らせます。 - ステップ3:最大6時間のつけ置き
撹拌が終わったら洗濯機の電源を切り、そのままの状態でつけ置きします。時間は最低でも2~3時間、最長でも6時間以内に留めましょう。これ以上長いと、洗濯槽(特にステンレス槽)を傷める可能性があります。 - ステップ4:汚れをすくい取る(最重要)
つけ置き後、水面に浮き上がってきたワカメ状の汚れを、目の細かいネットなどを使って根気よく、完全に取り除きます。この作業が最も重要です。 - ステップ5:仕上げのすすぎ運転
目に見える汚れをすべてすくい取った後、外しておいたゴミ取りネットを元に戻します。その後、通常の洗濯コース(洗い→すすぎ→脱水)を1~2サイクル運転させ、槽内に残った細かい汚れや薬剤を完全に洗い流して完了です。
特に重要なのがステップ4の「汚れをすくう」作業です。これを怠ると、排水時にカビが詰まったり、せっかく剥がした汚れが洗濯槽内に再付着したりと、掃除が逆効果になるため、徹底して行ってください。
オキシクリーンを使うときの洗濯槽へのお湯の貯め方
オキシクリーンの洗浄効果を最大限、いや120%引き出すためには、何よりも40℃から60℃という「ゴールデンタイム」ならぬ「ゴールデン温度」をキープすることが絶対条件です。この温度帯で、主成分の過炭酸ナトリウムが最も活発に化学反応を起こし、洗浄力の源である活性酸素の泡を大量に発生させます。
ご家庭の設備に応じて、効率的にお湯を溜めるいくつかの方法と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
方法1:給湯器から直接お湯を入れる
最も手軽で確実な方法です。浴室のシャワーヘッドを洗濯機まで伸ばしたり、お湯が出る蛇口からホースを繋いだりして直接洗濯槽にお湯を注ぎます。
メリット:温度管理が容易で、時間もかからない。
デメリット:洗濯機の設置場所によってはホースが届かない場合がある。
方法2:お風呂の残り湯を活用する
入浴後すぐの温かい残り湯を「風呂水ポンプ」で汲み上げるのも非常に効率的です。節水と時短を両立できます。もしお湯が40℃以下にぬるくなっている場合は、必ず追い焚き機能で適切な温度まで温め直してから使用しましょう。
メリット:水道代の節約になる。環境にも優しい。
デメリット:追い焚き機能がないと温度調整が難しい。
入浴剤入りの残り湯はNG
バスソルトやオイル、濁り湯タイプの入浴剤が入った残り湯は絶対に使用しないでください。入浴剤の成分がオキシクリーンの化学反応を阻害し、十分な洗浄効果が得られないだけでなく、洗濯機に新たな汚れを付着させる原因にもなりかねません。
方法3:やかんで沸かした熱湯を追加する
給湯設備が使えない場合の最終手段です。まず洗濯機の給水機能で槽に水を溜め、そこにやかんで沸かした熱湯を数回に分けてゆっくりと追加し、全体の温度を上げていきます。
メリット:特別な設備がなくても温度を上げられる。
デメリット:非常に手間と時間がかかる。熱湯で火傷する危険性や、洗濯槽のプラスチック部品を変形させるリスクがあるため、細心の注意が必要。
どの方法を選ぶにしても、料理用の温度計などで水温を確認しながら作業すると、より確実に効果的な温度帯を狙えますよ。
オキシクリーンは洗濯槽に何杯入れる?

オキシクリーンを投入する量は、少なすぎれば効果がなく、多すぎても溶け残りの原因となるため、洗濯槽内のお湯の量に合わせて正確に計量することが成功への近道です。一般的な目安は、多くの専門家やユーザーの間で共有されている「お湯10Lに対してオキシクリーン約100g」という黄金比です。この濃度を基準に、ご自宅の洗濯機の水量に合わせて調整します。
ここで注意したいのが、日本国内で正規販売されている「日本版」と、コストコなどで販売されている「アメリカ(USA)版」とでは、付属スプーンのサイズと容量が全く異なるという点です。
オキシクリーンの種類 | 付属スプーンの容量 | お湯10Lあたりの目安量 | 備考 |
---|---|---|---|
日本版 | すりきり1杯 約28g | スプーン 3.5杯 | 界面活性剤・香料無添加。日本オリジナル処方。 |
アメリカ版 | ライン2 約113g | スプーン 1杯弱 (ライン2より少し少なめ) | 界面活性剤・香料配合で泡立ちが良い。 |
例えば、洗濯槽の容量が10kg(最大水量約70L)の縦型洗濯機の場合、必要なオキシクリーンは約700gとなります。これを付属スプーンで換算すると、
- 日本版の場合:700g ÷ 28g/杯 = 25杯
- アメリカ版の場合:700g ÷ 113g/杯 = 約6.2杯(ライン2で6杯強)
となります。このように、同じ「スプーン1杯」でも全く量が違うため、お手元の製品がどちらのタイプかを確認することが不可欠です。ご自宅の洗濯機の取扱説明書で最大水量を確認し、適切な量を投入してください。
初めて掃除する場合や、長年汚れを放置してしまった場合は、この目安量より1~2割程度多めに入れると、より強力な洗浄効果が期待できることがあります。ただし、入れすぎは溶け残りの原因になるので注意しましょう。
浮いてきた洗濯槽のワカメをすくう代用品
オキシ漬けのクライマックスとも言える、水面にびっしりと浮き上がってきた大量のワカメ(黒カビ)。この光景に満足して、そのまま排水してしまうのは絶対にいけません。
この汚れを物理的に取り除く作業こそが、オキシクリーン洗浄の成否を分ける最も重要なポイントです。
なぜなら、この汚れをすくい取らずに排水すると、以下のような深刻なトラブルを引き起こす可能性があるからです。
- 排水ホース・排水口の詰まり:ヘドロ状の汚れが排水経路に詰まり、水が流れなくなったり、最悪の場合は水漏れを起こしたりする。
- 汚れの再付着:排水・すすぎの工程で、せっかく剥がした汚れが再び洗濯槽の壁面や底に付着してしまい、掃除の意味がなくなる。
- 洗濯機へのダメージ:大きな汚れの塊が内部の部品に引っかかり、故障の原因となる。
この重要な作業のために、専用のネットがなくても、ご家庭にある身近なもので簡単に高性能なすくい網を自作・代用できます。
ワカメすくいの優秀な代用アイデア
- 最強の代用品:お風呂用のゴミすくいネット
100円ショップなどで手軽に入手可能。髪の毛や湯垢をキャッチするために作られているため、目の細かさ、持ち手の長さ、耐久性のすべてがこの作業に最適です。 - エコな代用品:針金ハンガー + ストッキング
クリーニング店でもらうような針金ハンガーをひし形や丸型に広げ、伝線したストッキングをすっぽり被せるだけで完成。抜群の捕集能力を誇る即席ネットです。 - 緊急時の代用品:料理用のアク取り網
目が細かく、汚れをすくいやすい形状をしています。ただし、あくまで食品用なので、使用後はキッチン用の漂白剤などで念入りに洗浄・消毒することが必須です。
つけ置き後に一度徹底的に汚れをすくい、その後、再度「洗い」コースで1~2分だけ洗濯機を運転させてみましょう。すると、底に沈んでいたり、壁面に張り付いたりしていた残りの汚れが再び浮き上がってくることがあります。
汚れが出なくなるまで、この「回してすくう」という作業を2~3回繰り返すことで、洗浄のクオリティが格段に向上します。
洗濯機にオキシクリーンは使ってはいけない?デメリットは?

オキシクリーンは、その劇的な洗浄効果から「魔法の粉」とも呼ばれ、洗濯槽掃除においても非常に人気があります。しかし、その使用にはいくつかの無視できないデメリットやリスクが伴うことを、冷静に理解しておく必要があります。
結論から言うと、多くの洗濯機メーカーは、取扱説明書などで酸素系漂白剤(オキシクリーンを含む)の使用を公式には推奨していません。
これは、万が一のトラブルを避けるためのメーカー側の安全策であり、その背景には実際に起こりうるデメリットが存在するからです。オキシクリーンでの掃除を検討する際は、以下の点を必ず把握しておきましょう。
オキシクリーン使用に伴う主なデメリットとリスク
- 圧倒的な時間と手間:お湯を準備し、最大6時間つけ置きし、浮き出た汚れを延々とすくい取り、その後さらに複数回すすぎを行う…という一連の工程は、丸一日がかりの作業になることも珍しくありません。
- 汚れをすくう作業の重労働:前述の通り、浮遊する大量のワカメを完全に取り除く作業は必須であり、これが不十分だと掃除が逆効果になり、排水詰まりなどの二次被害を引き起こす可能性があります。
- メーカー保証対象外のリスク:メーカーが推奨していない方法で掃除を行った結果、洗濯機に不具合や故障が生じた場合、保証期間内であっても有償修理となる可能性が極めて高いです。これは最大のデメリットと言えるでしょう。
- 機種や槽の材質との相性:特にドラム式洗濯機や、一部の海外製洗濯機、コーティングが施されたステンレス槽などでは、使用が明確に禁止されている場合があります。
これらのデメリットを総合的に判断した上で、それでもオキシクリーンを使用する場合は、すべて「自己責任」で行うという覚悟が必要です。
掃除を始める前に、時間をかけてでも必ずご自宅の洗濯機の取扱説明書に目を通し、「酸素系漂白剤の使用」に関する記載を確認してください。
もし少しでも不安を感じる場合は、後述するメーカー推奨の塩素系クリーナーを使用するか、専門知識を持つプロのクリーニング業者に分解洗浄を依頼することが、最も賢明な選択です。
オキシクリーンで洗濯機が壊れる可能性
前述の通り、オキシクリーンを使用して洗濯機が故障する可能性は、残念ながらゼロではありません。メーカーが公式に酸素系漂白剤の使用を推奨しない最大の理由は、ここにあります。
実際に、消費生活センターなどにも関連するトラブルが報告されており、そのリスクは具体的にいくつか挙げられます。
オキシクリーンが引き起こす可能性のある、代表的な故障の例を見ていきましょう。
1. ステンレス槽の変色・腐食(サビ)
オキシクリーンは弱アルカリ性の性質を持っています。ステンレスは本来サビにくい金属ですが、長時間アルカリ性の液体に浸されることで、表面の保護膜(不動態皮膜)が破壊され、変色や腐食、サビの原因となることがあります。
特に、メーカーが推奨する6時間を超える長時間のつけ置きは、このリスクを著しく高めます。
(参照:オキシクリーン日本公式サイト「洗濯槽のお掃除に」)
2. 内部部品(ゴム・プラスチック)の劣化
強力な洗浄力と化学反応は、洗濯槽内部にある目に見えない部品、例えば水を密閉するためのゴムパッキンや、センサー類のプラスチック部品などを徐々に劣化させる可能性があります。
これらの部品が劣化すると、水漏れやセンサーの誤作動といった深刻な故障に直結します。
3. センサーの誤作動と泡の噴出
酸素系漂白剤の最大の特徴である「発泡力」が、トラブルの原因になることがあります。発生した大量の泡が、水位を検知するセンサーや、泡の量を監視するセンサーに付着し、誤作動を引き起こすのです。
これにより、給水が止まらなくなったり、エラーで運転が停止したりします。特に、少ない水で叩き洗いするドラム式洗濯機では、槽内が泡だらけになりやすく、ドアの隙間から泡や水が漏れ出す危険性もあります。
主要メーカーの公式見解
実際に、日本の主要な洗濯機メーカーは、公式サイトのQ&Aページなどで酸素系漂白剤の使用に否定的な見解を示しています。
- 日立:「槽洗浄コースで、酸素系(非塩素系)の漂白剤は使用しないでください。泡が多量に発生し、機器の故障や水漏れの原因となることがあります。」(日立公式サイトより引用)
- パナソニック:「市販の洗濯槽クリーナー(非塩素系)をお使いになると、泡が大量に発生して、途中で排水してしまうことがあります。」(パナソニック公式サイトより引用)
これらの公式見解は、オキシクリーンでの掃除を検討する上で非常に重要な判断材料となります。
それでも洗濯槽のワカメがなくならないなら塩素系

オキシクリーンで徹底的に掃除を試みてもワカメがなくならない、あるいは故障のリスクを考えるとどうしても使用に踏み切れない。そのような場合に、最も確実で安心な選択肢となるのが「塩素系クリーナー」の使用です。
オキシクリーンが汚れを「剥がす」アプローチであるのに対し、塩素系クリーナーは全く異なる作用機序でカビにアタックします。
主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、理科の実験で習った「酸化作用」が非常に強く、カビの細胞膜やタンパク質を化学的に破壊し、ドロドロに「分解・溶解」させます。これにより、物理的に汚れを剥がす酸素系とは一線を画す、以下のような大きなメリットが生まれます。
- 圧倒的な手間の少なさ:汚れが目に見える形で浮遊することがほとんどないため、オキシクリーンで必須だった、あの根気のいる「ワカメすくい」作業が一切不要です。薬剤を入れて、指定のコースで運転するだけで掃除が完了します。
- 作業時間の短縮:製品にもよりますが、つけ置きが不要なタイプも多く、槽洗浄コース(約3時間)や標準コース(約1時間)で運転するだけで完了するため、半日以上かかっていた作業時間を大幅に短縮できます。
- メーカー推奨という絶対的な安心感:前述の通り、ほとんどの国内洗濯機メーカーが推奨しているのは、この塩素系クリーナーです。洗濯機の素材や部品を傷めるリスクが計算されており、安心して使用できます。
最終兵器「メーカー純正クリーナー」
もし、ドラッグストアなどで市販されている塩素系クリーナーを使っても効果が感じられない場合は、最終兵器とも言える各洗濯機メーカー純正の洗濯槽クリーナーを試すことを強く推奨します。市販品に比べて2,000円前後と高価ですが、その価格には理由があります。
- 高濃度の次亜塩素酸ナトリウム:市販品よりも主成分の濃度が高く、洗浄力が桁違いに強力です。
- 腐食防止剤の配合:強力な洗浄力から洗濯槽を守るための腐食防止剤(防食剤)が含まれており、長時間のつけ置きコース(11時間など)でも安心して使用できます。
オキシクリーンで挫折しかけている方、あるいは手軽かつ確実にカビを一掃したい方は、まずこの塩素系クリーナー、特にメーカー純正品での洗浄を試してみてはいかがでしょうか。その効果の違いに驚くかもしれません。
洗濯機のワカメがなくならない!オキシクリーンは最終手段
この記事では、洗濯槽から発生し続けるしつこいワカメ状の汚れについて、その正体と原因から、話題のオキシクリーンを使った具体的な対処法、そしてそれに伴う重要なリスクや注意点までを網羅的に解説しました。
最後に、この問題を解決するための重要なポイントを一覧でまとめます。
- 洗濯物から発生するワカメの正体は洗濯槽裏で繁殖した黒カビである
- 長年の汚れが分厚い層になっており一度の掃除では取りきれず繰り返し発生する
- クリーナーには汚れを物理的に剥がす「酸素系」と化学的に溶かす「塩素系」がある
- オキシクリーンは酸素系クリーナーの一種で強力な発泡力により汚れを剥がし落とす
- 掃除の効果を最大化するには40~60℃のお湯の使用が絶対条件である
- お湯は給湯器や温度調整した風呂の残り湯を活用して溜めるのが効率的
- オキシクリーンの投入量は「お湯10Lに対して約100g」が黄金比である
- 浮いてきた大量の汚れは排水前にネットなどで必ず物理的にすくい取ること
- 汚れをすくう作業を怠ると排水詰まりや汚れの再付着という二次被害につながる