PR
こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。
大切なお気に入りの服についている「手洗い」のマークを見て、これは洗濯機で洗えるのか、それとも手で洗わなければならないのかと悩んでいませんか。
クリーニングに出すほどではないけれど、失敗して縮ませたりするのは絶対に避けたいというのが本音ですよね。
実は、近年の洗濯機や洗剤の進化により、正しい手順と知識さえあれば、手洗い表記の衣類でも自宅の洗濯機できれいに洗うことが十分に可能です。
この記事では、手洗いマークの正しい判断基準から、素材を傷めない具体的な洗濯機の設定手順、そして仕上がりを左右する干し方のコツまでを網羅的に解説します。
これらの知識を身につけることで、これまでなんとなく感じていた失敗への不安が解消されるだけでなく、毎回のクリーニング代を節約しつつ、大切な衣類をより長くきれいな状態で楽しめるようになりますよ。
この記事に書いてあること
- 手洗いマークの意味と洗濯機で洗える境界線
- 失敗しないための中性洗剤の選び方と洗濯ネットの使い方
- 縮みやシワを防ぐための脱水時間と干し方の重要ポイント
- 万が一縮んでしまった衣類をコンディショナーで戻す裏技
手洗い表記の衣類を洗濯機で洗う前の確認事項

「手洗い」の表記があるからといって、必ずしも自分の手で洗面器を使って洗わなければならないわけではありません。
しかし、何も考えずにいつもの感覚で洗濯機のスタートボタンを押してしまうと、取り返しのつかないことになります。
まずは、洗濯機に入れる前に必ず押さえておくべき、基本的な知識と準備について解説します。
洗濯表示の手洗いマークが持つ本来の意味

まず最初に、衣類のタグについている「手洗いマーク」を正しく理解しましょう。
洗濯桶に手が差し込まれているイラストは、2016年12月から採用された新しいJIS規格(日本産業規格 JIS L 0001)において、「液温は30℃を限度とし、手洗いができる」ことを意味しています。
「手洗い=洗濯機不可」という誤解
多くの方が誤解されているのですが、このマークは「洗濯機を使ってはいけない」という禁止命令そのものではありません。
専門的な解釈をすれば、この記号は「手洗いくらいの弱い力(機械力)で洗ってください」という物理的な負荷の上限を示しています。
従来の古い洗濯機では、標準コースの水流が強すぎて衣類を傷めるリスクが高かったため、「手洗いマーク=手で洗うしかない」というのが常識でした。
しかし、現代の洗濯機には、パルセーター(回転羽根)の動きを細かく制御し、手洗いの優しさを再現したプログラムが搭載されています。
つまり、メーカー側が想定している適切なコースを選べば、手洗い表記の服であっても洗濯機でケアすることは十分に可能なのです。

ただし、境界線はあります。
洗濯桶のマークに「×」印がついている「家庭での洗濯禁止」の場合は、水洗い自体ができない素材(例えば、特殊な加工が施されたスーツやレーヨンの一部など)である可能性が高いため、これは迷わずクリーニング店にお願いしましょう。
公式情報の確認
他にも新しい洗濯表示の記号や詳細な意味については、消費者庁のガイドラインで確認することができます。
(出典:消費者庁『新しい洗濯表示』)
ドライコースとおしゃれ着コースの役割と違い

洗濯機には「標準コース」以外に、メーカーによって様々な名称のデリケート用コースが用意されています。
これらは基本的に「手洗い表記」の衣類を洗うために設計された特別なコースです。
メーカー別コース名称の整理
僕たちユーザーを混乱させるのが、メーカーごとにコース名が違う点ですよね。主なメーカーの代表的なコース名を整理してみましょう。
| メーカー | コース名称例 | 特徴 |
| パナソニック | おうちクリーニング | 泡で包み込み、ほとんど衣類を動かさずに洗う |
| 日立 | おしゃれ着 / ドライ | たっぷりの水で衣類を泳がせるように洗う |
| シャープ | ホームクリーニング | ドラムの回転制御で落下衝撃を抑える |
| 東芝 | おしゃれ着(ZABOON) | ウルトラファインバブルで汚れを剥離させる |
標準コースとの決定的な違い
では、標準コースと何が違うのでしょうか。
標準コースは「かくはん洗い」といって、強い水流で衣類同士をこすり合わせたり、叩きつけたりして泥汚れなどを落とす設計になっています。これに対して手洗い対応コースは、「機械力を極限まで抑える」ことに特化しています。
例えば、衣類を水に浮かせてパルセーターに直接触れさせないようにしたり、ドラムを揺らす程度に留めたりします。
「洗っている」というよりは、「洗剤液を優しく通過させている」というイメージに近いかもしれません。これにより、繊維の絡まりや型崩れを防いでいます。
ドライコースは「ドライクリーニング」ではありません
ここだけは絶対に間違えないでください。洗濯機の「ドライコース」は水を使って洗います。
クリーニング店の「ドライクリーニング(石油系の溶剤で洗う)」とは全く別物です。
「ドライマークだからドライコースで洗える」と思い込んで、水洗い不可(桶に×マーク)の衣類を洗ってしまうと、激しく縮んで子供服のようになってしまいます。
もしご自宅の洗濯機に専用のコースがない場合でも、手動設定で工夫することで対応できる場合があります。その具体的な設定方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>洗濯機に手洗いコースがない場合の洗い方
おしゃれ着洗剤と普通の洗剤を使い分ける理由
「洗剤なんてどれも一緒でしょ?」と思って、いつもの洗剤を使おうとしていませんか?
実は、洗剤選びは洗濯機のコース選びと同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。ここには「pH(液性)」という科学的な理由があります。
アルカリ性と中性の化学的リスク
普段僕たちが使っている一般的な洗濯洗剤(アタック、アリエール、トップなど)の多くは「弱アルカリ性」です。
アルカリ性は皮脂汚れや油汚れを中和して落とす力が非常に強いのが特徴ですが、同時にタンパク質を分解する作用も持っています。
ウール(羊毛)やシルク(絹)は、人間の髪の毛と同じ「動物性タンパク質」でできています。これをアルカリ性の洗剤で洗うということは、髪の毛を石鹸で洗ってキシキシにするのと同じこと。
キューティクルが剥がれ、繊維が硬くなり、本来のツヤや手触りが失われてしまいます。
おしゃれ着洗剤の役割
そこで必須となるのが、エマール(花王)やアクロン(ライオン)に代表される「おしゃれ着洗い用の中性洗剤」です。
中性洗剤は汚れを落とす力こそマイルドですが、繊維への化学的なダメージを最小限に抑えます。
さらに、これらの洗剤にはシリコンなどの「繊維保護成分」が含まれており、洗濯中の衣類の滑りを良くして摩擦を防いだり、乾燥後のシワを軽減したりするトリートメント効果も持っています。
「汚れを落とす」ことよりも「服を守る」ことを最優先に考えられた洗剤なのです。
洗濯ネットの正しい選び方と入れ方のコツ

手洗いコースで洗う場合、洗濯ネットの使用は必須ですが、ただ袋に入れれば良いというわけではありません。
間違ったネットの使い方は、逆に洗浄力を下げたり、シワの原因になったりします。
サイズは「大は小を兼ねない」
ネット選びで最も重要なのはサイズ感です。大きすぎるネットを使うと、ネットの中で衣類が自由に動いてしまい、摩擦やヨレが発生します。
逆に小さすぎると、衣類が中で団子状に圧迫され、洗剤液が浸透せず汚れが落ちない上に、ひどいシワがつきます。
正解は、「畳んだ衣類がぴったり収まるサイズ」です。少し余裕がある程度がベストです。
正しい畳み方:屏風たたみ(蛇腹折り)
衣類をネットに入れる際は、くしゃくしゃに入れるのではなく、必ず畳んで入れます。おすすめは「屏風たたみ(蛇腹折り)」です。
- 手順: 袖を身頃に重ね、全体をアコーディオンのように交互に折り重ねます。
- 理由: 重なった層の間に水流が通りやすくなり、洗剤液が全体に行き渡りやすくなるからです。
また、表面の装飾ボタンや刺繍、あるいは毛玉(ピリング)を防ぎたい面を守るために、必ず「裏返し」てから畳むのが鉄則です。
偏りに注意!
ネットに入れた衣類は水を含むとひと固まりの重い物体になります。
これが脱水時に洗濯槽の片側に偏ると、遠心力のバランスが崩れて大きな振動が発生し、安全装置が働いて停止したり、自動的にすすぎに戻ったりすることがあります。
これを防ぐには、バスタオルなど他の洗濯物と一緒に洗ってバランスを取るのがコツです。

もし頻繁に脱水エラーが出る場合は、洗濯機の故障ではなく衣類の入れ方に問題があるかもしれません。
詳しい対処法はこちらの記事も参考にしてください。
>>洗濯機が脱水できないですすぎに戻る原因と直し方!故障の判断基準
失敗を防ぐために確認すべき素材の特性
「手洗い可」の表示があっても、素材によって失敗のリスクポイントは異なります。敵を知れば百戦危うからず。素材ごとの弱点を把握しておきましょう。
主要デリケート素材のリスク管理表
| 素材 | 特性とリスク | 対策ポイント |
| ウール (羊毛) | 繊維の表面が「スケール(鱗)」で覆われています。 水に濡れるとスケールが開き、その状態で揉まれると互いに絡み合って離れなくなり、フェルト化(激しい縮み)を起こします。 | 物理的な摩擦を極限まで避けること。温度変化にも弱いので、30℃以下の常温水を使用します。 |
| シルク (絹) | 非常に細い繊維で美しい光沢がありますが、濡れると強度が低下し、摩擦によって繊維が裂ける「フィブリル化(白化)」が起きます。 表面が白っぽくスレてしまいます。 | ネット必須。脱水はごく短時間に留め、絶対に絞らないこと。 |
| レーヨン キュプラ | 木材パルプなどを原料とする再生繊維です。 吸水性が高く、水を含むと繊維が膨らんで縮みやすく、破れやすくなります。 水につけている時間が長いほどリスクが高まります。 | 洗いから脱水までを素早く終わらせる「時短」がカギです。 |
手洗い表記でも洗濯機で失敗しない工程とコツ

準備が整ったら、いよいよ実践編です。ここでは、僕が実際に自宅で行っている「絶対に失敗したくない時の洗濯ルーティン」をご紹介します。
洗濯機の性能に頼るだけでなく、人間の手によるちょっとした介入が、仕上がりを劇的に変えます。
洗濯機の設定は弱水流や手洗いモードが基本

まずはコース設定です。先ほど確認した「おしゃれ着コース」「ドライコース」「おうちクリーニング」などの専用コースを選択してください。
これらは自動的に給水量を多めに設定し、衣類を水に浮かせて洗う制御を行います。
水温は30℃以下を厳守
汚れを落とそうとして、お風呂の残り湯を使いたくなる気持ちはわかりますが、デリケート衣類にはNGです。40℃近いお湯は、ウールの縮みや色落ちのリスクを高めます。
また、残り湯に含まれる皮脂汚れや雑菌が再付着する原因にもなります。必ず「30℃以下の水道水(常温)」を使用してください。
洗剤投入のワンポイント
粉末洗剤は溶け残りのリスクがあるため、液体の中性洗剤が基本です。専用コースは水流が弱いため、洗剤が全体に行き渡るのに時間がかかります。
もし可能なら、衣類を入れる前に水と洗剤を入れて撹拌させ、泡立ててから衣類を投入すると、洗剤の濃度の偏りを防ぐことができます(ドラム式の場合は投入口から入れるのでお任せでOKです)。
脱水時間を1分に設定すべき重要な理由
ここが今回の記事で最も重要なテクニックです。多くの洗濯機のおしゃれ着コースは、デフォルトで3分〜5分程度の脱水時間が設定されていますが、僕はこれを手動で「1分」に変更することを強くおすすめします。
遠心力がシワを固定する
脱水は、遠心力で衣類を洗濯槽の壁面に強く押し付ける工程です。
時間が長ければ長いほど、水分は抜けますが、同時に繊維が折れ曲がった状態で強くプレスされ、深いシワが刻み込まれます。一度ついた脱水シワは、アイロンを使ってもなかなか取れません。
「濡れ干し」の物理学
脱水を1分で切り上げると、取り出した衣類はまだずっしりと重く、水滴が滴る寸前の状態です。
「これで乾くの?」と不安になるかもしれませんが、この「水の重み」こそが天然のアイロンになります。
干している間に重力が下方向に働き、繊維を自然に引っ張ってくれるため、乾燥後のシワが驚くほど少なくなります。
特にリネンシャツやコットンのブラウスなどは、この「脱水1分」テクニックを使うだけで、面倒なアイロンがけが不要になるレベルできれいに仕上がります。
型崩れを防ぐ平干しネットと干し方の技術

洗い終わったら、ブザーが鳴った瞬間に取り出しましょう。
濡れたまま放置すると、その形でシワが固定されてしまいます。そして、ここからの「干し方」が型崩れするかどうかの分かれ道です。
ニットの天敵は「重力」
ニットやセーター類を、Tシャツと同じようにハンガーにかけて干すのは絶対にやめましょう。
水分を含んだウールは非常に重くなっており、細いハンガーに吊るすと、その重みで縦方向にぐんぐん伸びてしまいます。
さらに、肩の部分にハンガーの端が食い込み、乾いた頃には「ツノ」のようなポコッとした突起ができてしまいます。
平干しネットの活用
最適解は、衣類を空中に浮かせて平らに干せる「平干しネット」の使用です。
100円ショップやニトリ、ホームセンターなどで数百円で購入できます。これを使えば、重力による伸びを防ぎつつ、下からの通気性も確保できます。
ネットがない場合の代用テクニック
もし平干しネットがない場合は、以下の方法で代用可能です。
- お化け干し(袖かけ干し): ハンガーを2本〜3本使います。1本に身頃を通し、垂れ下がる両袖を別のハンガーにかけます。重さを分散させることで伸びを防ぎます。
- ピンチハンガーの上: 角型のピンチハンガーの上面(平らな部分)をキレイに拭き、その上にタオルを敷いてセーターを置きます。
- 竿干し: 物干し竿に直接、二つ折りにしてかけます。袖がだらんと垂れないように、身頃と一緒に挟むなど工夫します。
いずれの場合も、紫外線による変色(日焼け)や黄ばみを防ぐため、必ず「風通しの良い日陰」で干してください。
ウールが縮んだ時のコンディショナー修復術
「細心の注意を払っていたのに、取り出したらセーターが縮んでいた…」
そんな絶望的な状況でも、諦める前に試してほしい裏技があります。それは、お風呂にあるヘアケア用の「コンディショナー(リンス)」を使った修復術です。
なぜコンディショナーで直るのか
ウールの縮みの主な原因は、繊維の表面にあるスケール(鱗)が乾燥や摩擦で絡み合ってしまうことです。
コンディショナーに含まれる「ジメチコン(シリコン)」という成分は、髪の毛をサラサラにするのと同じように、ウールの繊維をコーティングして滑りを良くします。
これにより、絡まったスケールが解けやすくなり、元のサイズに戻せる可能性があるのです。
修復のための具体的な手順
- 洗面器に液を作る: ぬるま湯(30℃程度)を洗面器に張り、コンディショナーを2〜3プッシュ入れてよく溶かします。
- 漬け込む: 縮んだニットを畳んで入れ、優しく押し洗いして液を繊維の奥まで行き渡らせます。そのまま30分ほど放置しても良いでしょう。
- 水中で伸ばす: ここが重要です。液の中で、縮んだ部分を手で優しく、少しずつ引っ張って伸ばします。無理に引っ張ると破れるので注意してください。
- すすぎと脱水: 軽くすすぎ(成分を少し残すくらいでOK)、タオルで挟んで水分を取ります(洗濯機の脱水は使いません)。
- 整形して干す: 平干しネットの上で、メジャーでサイズを測りながら、元の大きさになるように形を整えて干します。
※完全にフェルト化して硬くなってしまったものは戻りませんが、軽度の縮みであればこの方法で着用できるレベルまで回復することが多いですよ。
毛玉を防いで風合いを保つお手入れ方法

手洗い表記のデリケートな衣類は、洗濯だけでなく着用後のケアも大切です。
特に悩ましいのが「毛玉(ピリング)」ですよね。洗濯できれいに洗えても、毛玉だらけでは清潔感が失われてしまいます。
毛玉をちぎるのはNG行為
見つけた毛玉を指でつまんでプチっとちぎっていませんか?これは絶対にNGです。ちぎった部分の繊維が毛羽立ち、そこが核となって次の毛玉がすぐにできてしまうという悪循環に陥ります。
ブラッシングという予防習慣
おすすめは「洋服ブラシ(毛玉取りブラシ)」によるケアです。着用後、クローゼットにしまう前にササっとブラッシングするだけで、絡まりかけた繊維がほぐれ、毛玉の発生を劇的に抑えることができます。
もし毛玉ができてしまった場合も、電動毛玉取り器はパワーがありすぎて生地を薄くしてしまうリスクがあるので、ブラシタイプの毛玉取りを使って優しく取り除くのが、お気に入りの服を長持ちさせる秘訣です。
手洗い表記の衣類を洗濯機で洗う際によくあるQ&A
Q:手洗い表記の服は他の普通の洗濯物と一緒に洗っても大丈夫ですか?
基本的には「分けて洗う」のがベストですが、条件付きで一緒でも可能です。
色落ちの心配がなく、ホックやファスナーなどの金具がついていない衣類であれば、しっかりと厚手のネットに入れた上で一緒に洗うことはできます。ただし、その場合でも必ずコース設定は「おしゃれ着コース(弱水流)」に合わせてください。タオルのような糸くずが出やすいものや、ジーンズのような硬くて重いものとは分けたほうが、摩擦トラブルを防げますよ。
Q:柔軟剤は使ったほうがいいですか?それとも不要ですか?
おしゃれ着洗剤を使うなら、柔軟剤は「必須ではありません」。
エマールやアクロンなどの中性洗剤には、すでに柔軟成分や繊維保護成分が含まれているため、それだけで十分ふんわり仕上がります。むしろ柔軟剤を使いすぎると、繊維がコーティングされすぎて吸水性が落ちたり、黒ずみの原因になったりすることもあります。香りを楽しみたい場合などは規定量を守って使用し、そうでないなら洗剤のみでも十分きれいな風合いになります。
Q:洗濯機で洗った後、乾燥機にかけてもいいですか?
乾燥機の使用は「絶対にNG」です!
手洗い表記のデリケートな衣類にとって、乾燥機の熱風と回転によるタンブリング(叩きつけ)は最大の敵です。ウールなら子供服サイズまで縮みますし、プリントなどは剥がれ落ちてしまいます。どんなに急いでいても、必ず「陰干し」か「部屋干し」で自然乾燥させてください。僕も一度横着してセーターをダメにしたことがあるので、ここだけは守ってくださいね。
Q:クリーニングに出すか自宅の洗濯機で洗うか、迷った時の基準は?
「失敗したら立ち直れないほど大切な服」はクリーニングに出しましょう。
具体的には、カシミヤ100%の高級コート、複雑なプリーツ加工、皮革やファーがついているもの、そして洗濯表示が「水洗い不可(桶に×)」のものはプロに任せるべきです。一方で、普段使いのニット、ポリエステルのブラウス、ウォッシャブル表記のあるスーツなどは、今回ご紹介した方法で自宅の洗濯機で十分にケアできます。「日常着は自宅で、勝負服はクリーニングで」と使い分けるのがおすすめです。
手洗い表記を洗濯機で上手に洗う方法のまとめ
手洗い表記の衣類を洗濯機で洗うことは、決して「手抜き」や「悪」ではありません。
現代の優れた家電テクノロジーと、適切な化学(中性洗剤)、そして物理学(ネットや脱水の工夫)を組み合わせれば、手洗いよりも安定した品質でケアすることが可能です。
今回の重要ポイントのおさらい
- コース選択: 標準コースは避け、必ず「おしゃれ着コース」などの弱水流コースを選ぶ。
- 洗剤: アルカリ性はNG。必ず「中性洗剤(おしゃれ着洗い)」を使用する。
- ネット: ぴったりサイズのネットに、裏返して畳んで入れる。
- 脱水: 設定を変更し、「1分以内」の短時間脱水にする。
- 乾燥: 重力の影響を避けるため、「平干し」で日陰に干す。
「失敗したらどうしよう」という不安は、正しい知識があれば「こうすれば大丈夫」という確信に変わります。
ぜひ、次の休日の洗濯からこのテクニックを取り入れて、お気に入りの服を長く大切に着続けてあげてくださいね。