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こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。
毎日家族の衣類を綺麗にしてくれる洗濯機。でも、ふと蓋を開けた時や洗濯物を取り出す時に、フチやゴムパッキンの溝に潜む「黒い汚れ」を目にして、ドキッとしたことはありませんか?
「これってカビかな?」「洗った服にカビ菌がついているんじゃ…」と不安になったり、慌ててティッシュで拭いても黒ずみが全然落ちなくてガッカリしたりすること、実は多くの人が経験しています。
特に湿気がこもりやすい日本の洗面所事情では、定期的に洗濯槽クリーナーを使っていても、フチの細かい隙間やゴムパッキンの奥深しまでは洗浄成分が行き届かず、気づけばカビの温床になっているケースが後を絶ちません。
「見なかったことにしよう」と蓋を閉じても、その裏側ではカビが着実に増殖を続けています。
この記事では、そんな悩ましい洗濯機のフチ汚れに終止符を打つべく、家電好きの僕が徹底的に調べ上げ、実践してきた「本当に効く除去法」を余すことなくお伝えします。
この記事に書いてあること
- 何度掃除しても復活するゴムパッキンの黒カビを根本から断つ化学的なアプローチ
- 家にある身近なアイテムを使って、垂れずに密着する強力な洗浄剤を自作する裏技
- ドラム式と縦型、それぞれの構造的弱点を突いたフチ掃除の重要ポイント
- カビ取り後の清潔な状態を長期間キープし、掃除の手間を減らすための毎日の習慣
洗濯機のフチのカビ取り前に知るべき原因

まずは、敵を知ることから始めましょう。
なぜ洗濯槽の中はピカピカに見えるのに、フチやパッキンだけがこんなに黒く汚れるのでしょうか?
その疑問にお答えするために、汚れの正体や洗濯機の構造的な弱点、そして生物学的なメカニズムについて詳しく解説します。
落ちない黒カビとバイオフィルムの正体

洗濯機のフチやゴムパッキンにへばりついている、あの不快な黒い汚れ。単なるホコリや泥汚れだと思っていませんか?実はその正体は、「バイオフィルム」と呼ばれる、微生物が作り出した強固な要塞のようなものです。
バイオフィルムとは、細菌やカビ(真菌)が自分たちを守るために分泌した粘液(細胞外多糖類やタンパク質などのEPS)の中に、さらに多くの菌が住み着いて形成される集合体のことです。
身近な例で言えば、キッチンの排水口のヌメリや、歯の表面にできるプラーク(歯垢)もバイオフィルムの一種です。
このヌメリが強力なバリアの役割を果たすため、普通の洗剤をかけて軽く擦った程度では、表面の粘液を撫でるだけで、内部に守られたカビの本体までは成分が届きません。
「掃除したはずなのに、数日後にはすぐにまた黒くなっている」という現象は、このバイオフィルムの奥深くに残った「カビの根っこ」や菌の巣窟が生き残っていて、そこから再び爆発的に増殖してしまうからなのです。
特に洗濯機のフチ周辺に生息する主な微生物には、以下のようなものがあります。
| 種類 | 特徴と厄介な点 |
| クラドスポリウム (黒カビ) | 自然界に最も多く存在する真菌の一つ。 湿潤環境を好み、喘息などのアレルギー原因物質としても知られています。 フチの黒ずみの主犯格です。 |
| エクソフィアラ (黒色真菌) | 洗剤や熱への耐性が強く、ゴムパッキンの深部に侵入して色素沈着を引き起こす厄介者です。 |
| ロドトルラ (赤カビ・酵母) | ピンク色のヌメリ汚れ。 増殖スピードが非常に速く、黒カビが発生する前段階の「警告サイン」として現れます。 |
これらのカビや細菌は、洗濯時に溶け残った洗剤カスや、衣類から出た皮脂汚れ、タンパク質汚れを栄養源(エサ)として摂取し、湿度の高いフチ周辺で活発に繁殖します。
また、バイオフィルム内に生息する細菌が汚れを分解する過程で、あの独特な「洗濯機のカビ臭さ(ドブのような臭い)」を発生させる硫黄化合物を生成することも分かっています。
つまり、フチの掃除とは、単に黒い色を落とすだけでなく、この「バイオフィルムというバリアを化学的に破壊し、菌の住処をリセットすること」が本質なのです。
カビは放置するとアレルギー疾患の原因となる可能性も指摘されており、適切な除去が健康的な生活環境を守るためにも重要です。(出典:文部科学省『カビ対策マニュアル 基礎編』)
ドラム式のゴムパッキンが汚れる構造
僕自身もドラム式洗濯機を愛用していますが、ユーザーとして一番頭を抱えるのが、ドア周りの巨大なゴムパッキン(ベローズ)の汚れです。なぜここばかりが汚れるのか、その理由はドラム式の構造そのものにあります。
このゴムパッキンは、ドラムの激しい回転による振動を吸収しつつ、水漏れを完全に防ぐために、複雑な蛇腹(じゃばら)構造をしています。この形状こそが、カビにとっての理想郷を生み出してしまうのです。
ここが汚れる!ドラム式パッキンの3つの弱点
- 完全な水抜きが不可能な形状:
パッキンの最下部は袋状になっており、脱水運転が終わった後も、構造上どうしても少量の水が溜まったままになります。この「残留水」が常にゴムを濡らし続け、カビに水分を供給し続けます。 - 密閉による高湿度環境:
ドラム式は水漏れを防ぐために気密性が非常に高く作られています。洗濯終了後にドアを閉めてしまうと、湿気が一切逃げず、槽内はサウナのような高湿度状態が何時間も続きます。 - ホコリと糸くずの堆積:
乾燥機能を使用すると、衣類から出た湿ったホコリがパッキンの裏側や溝にへばりつきます。これがカビにとっての最高の「栄養満点のベッド」となり、爆発的な増殖を招きます。
さらに問題を深刻にしているのが、使用されている「ゴム(EPDMなど)」の素材特性です。ゴムは一見ツルツルしているように見えますが、ミクロの視点で見るとスポンジのように微細な気孔(穴)が無数に空いています。
カビの菌糸は、植物の根が土に潜るように、この微細な穴を通ってゴムの内部奥深くへと侵入していきます。
こうなってしまうと、表面をいくら強力な洗剤で洗っても、どれだけ硬いブラシで擦っても、汚れは落ちません。
なぜなら、その黒ずみは表面の汚れではなく、「ゴムそのものが内側から黒く変色している状態(色素沈着)」だからです。これが、ドラム式のパッキン汚れが「ラスボス」と呼ばれる所以です。
縦型洗濯機のフチに溜まる汚れの特徴

「うちは縦型だから、ゴムパッキンがないし大丈夫」と思っている方、油断は禁物です。
縦型洗濯機には、縦型特有の「フチ汚染」のリスクが存在します。特に注意すべきなのが、洗濯槽の上縁に取り付けられている「バランサーリング(流体バランサー)」と呼ばれるドーナツ状の部品周辺です。
このバランサーリングは、脱水時の高速回転による振動を抑えるために、内部に塩水などの液体が封入された重要なパーツです。
しかし、このパーツとステンレス槽、そしてプラスチックの外槽カバーとの間には、構造上わずかな「隙間」が存在します。
縦型洗濯機の洗浄工程では、洗濯槽の下部にあるパルセーター(回転羽根)が水流を作りますが、この強力な水流も、槽の最上部にあるフチ(バランサーリング周辺)までは十分に届きません。
つまり、ここは洗浄水による「自浄作用」が働かないデッドスペースなのです。
遠心力が生む「汚れの吹き溜まり」
それなのに、脱水時には遠心力によって、洗剤成分や汚れを含んだ水が槽の壁面を駆け上がり、このフチの隙間に勢いよく叩きつけられます。
そして脱水が終わると、水分だけが蒸発し、濃縮された洗剤カスと汚れが隙間に取り残されます。
これを何百回と繰り返すうちに、バランサーリングの裏側や隙間には、黒いカリカリした石灰状の汚れや、海苔の佃煮のようなヘドロ状のカビが分厚く堆積していきます。
久しぶりにフチの裏側を覗き込んだら、びっしりと黒いカビが生えていて悲鳴を上げた…という話は、縦型ユーザーあるあるの一つです。
掃除で擦ってもカビが落ちないワケ
フチの黒ずみを見つけた時、多くの人が最初にやるのが「歯ブラシやスポンジでゴシゴシ擦る」という物理的な攻撃です。しかし、一生懸命擦ったのに黒ずみが薄く残ってしまって悔しい思いをしたことはありませんか?
実は、ゴムパッキンやプラスチックの微細な傷に入り込んだカビに対して、「強く擦る」という行為は逆効果になることさえあるのです。その理由は2つあります。
- カビを奥へ押し込んでしまう
柔軟性のあるゴム素材の場合、強く擦ることで表面の隙間が広がり、カビの菌糸や色素をさらに素材の奥深くへと押し込んでしまう可能性があります。 - 微細な傷(スクラッチ)を作る
硬いブラシや研磨剤入りのスポンジで力任せに擦ると、プラスチックやゴムの表面に目に見えない無数の傷がつきます。
この傷は、次なるカビにとっての「絶好の足場」となります。
表面積が増え、汚れが引っかかりやすくなるため、掃除した直後は綺麗に見えても、以前よりもカビが生えやすい状態を作ってしまうのです。
フチのカビ取りにおいて重要なのは、腕力に任せて「物理的に削り落とす」ことではありません。
カビの細胞壁や色素を破壊する「化学の力」で分解すること。これが、素材を傷めずにカビを根絶するための唯一の正解だと僕は考えています。
オキシクリーンより塩素系が効く理由

近年、SNSを中心に「オキシ漬け」が大ブームとなり、酸素系漂白剤(オキシクリーンや過炭酸ナトリウムなど)が掃除の万能選手として持て囃されています。
確かに、酸素系漂白剤は安全性が高く、発泡力で汚れを物理的に浮かせる効果には優れています。
しかし、こと「ゴムパッキンやフチに深く根を張った黒カビ」の除去に関しては、正直なところ力不足を認めざるを得ません。
その決定的な違いは、「色素分解力(漂白力)」と「殺菌力」の強さにあります。
酸化力の違いが勝負を決める
酸素系漂白剤の主成分である過炭酸ナトリウムは、お湯に溶けて活性酸素を出しますが、その酸化力は比較的穏やかです。
表面の汚れを浮かすことはできても、ゴムの内部に沈着したメラニン色素(黒カビの色)を破壊して白く戻すほどのパワーはありません。
対して、カビキラーやハイターなどの塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)は、強アルカリ性であり、極めて強力な酸化作用を持ちます。
この作用が、カビの細胞膜を瞬時に破壊して殺菌すると同時に、黒い色素の化学構造(共役二重結合)を切断し、無色化(漂白)します。
真っ黒に変色してしまったパッキンを元の白さに戻したいなら、塩素系が圧倒的に有利なのです。
塩素系を使用する際の注意点
塩素系漂白剤はその強力さゆえに、取り扱いには注意が必要です。
酸性タイプの洗剤(クエン酸やサンポールなど)と混ざると、有毒な塩素ガスが発生し命に関わる危険があります。
また、ゴムパッキンに長時間(半日以上など)接触させ続けると、ゴムの加水分解を招き、劣化させてしまうリスクもあります。必ず換気を良くし、使用時間を守りましょう。
「どうしても塩素のツンとする臭いが苦手」「小さな子供がいるから不安」という場合を除けば、フチの頑固な黒カビ退治には、迷わず塩素系を選ぶのが解決への最短ルートです。
洗濯機のフチのカビ取り実践と予防策

原因とメカニズムがわかったところで、いよいよ実践編です。
ここからは、僕が実際に試行錯誤してたどり着いた、最も効果的かつ安全にフチのカビを除去する具体的なテクニックをご紹介します。
垂れないカビ取りジェルの効果的活用法
洗濯機のフチやドアパッキンの裏側は、垂直面や逆さまの面が多く、通常のスプレー洗剤を吹き付けても、重力ですぐに流れ落ちてしまいます。
これでは、カビに薬剤が接触している時間が数秒しかなく、浸透する前に流れてしまうため効果が出ません。ここで大活躍するのが、「高粘度ジェルタイプ」のカビ取り剤です。
ホームセンターやネット通販で販売されている「カビトルデスPRO」や「ゴムパッキン用カビキラー」などは、粘度が高く、狙った場所にピタッと密着してくれます。この「滞留性」こそが最大の武器です。
ジェルのポテンシャルを引き出す手順
- 水分を完全に拭き取る:
これが最も重要です。水分が残っているとジェルが薄まり、密着力も落ちます。キッチンペーパーで対象箇所をカラカラになるまで拭き上げます。 - 厚めに塗布する:
ケチらず、カビが完全に見えなくなるくらい厚く盛り付けるように塗ります。 - 放置する(1時間〜数時間):
ジェルがゴムの奥まで浸透するのを待ちます。頑固なカビの場合は、乾燥を防ぐために上からラップを貼り付けるとさらに効果的です。 - 拭き取り&水洗い:
いきなり水で流さず、まずはティッシュ等でジェルを拭き取ってから、濡れ雑巾で清拭、最後に水洗いします。
さらに、「ジェルを買うほどではないけれど、今すぐどうにかしたい」という場合は、以下の記事で詳しく解説しているような、通常のスプレー版「カビキラー」と「キッチンペーパー」を組み合わせた「ペーパーパック(湿布)法」が有効です。ジェルが手元にない時は、この方法が最強の代用案になります。
特にドラム式のパッキン裏側などは、スプレーを直接噴射すると跳ね返りで目に入る危険性が高い場所です。
一度キッチンペーパーに薬剤を染み込ませてから、それをパッキンの溝に詰め込むように貼り付けるのが、安全かつ効果的な鉄則ですよ。
家にある片栗粉とハイターで作る湿布
「専用のジェル洗剤を買いに行くのは面倒…」「家にあるもので今すぐ黒ずみを消したい!」という方におすすめなのが、どこのご家庭のキッチンにもある「片栗粉」と「キッチンハイター(衣類用ハイターでも可)」を使ったDIYジェルです。
これ、実はプロ顔負けの洗浄力を発揮する裏技なんです。
仕組みは単純で、片栗粉のデンプン質がハイターの液体を抱え込み、垂れないペースト状に変化させることで、物理的な「湿布効果」を生み出します。
これにより、高濃度の塩素成分をカビの上に長時間留まらせることが可能になります。
自家製「片栗粉ハイター」の作り方
- 使い捨てできる小皿(プリンのカップ等)に、片栗粉を大さじ1〜2杯入れます。
- キッチンハイター(液体)を少しずつ加えながら、割り箸でよく混ぜます。
- 一気に入れるとシャバシャバになるので注意。マヨネーズくらいの「ツノが立つ固さ」になったら完成です。
使用手順と注意点
完成したペーストを、割り箸やヘラを使って黒カビ部分に厚く塗りつけます。そのまま20分〜30分ほど放置してください。
あまり長時間(1時間以上など)放置しすぎると、片栗粉が乾燥してカチカチに固まり、剥がすのが大変になるので注意が必要です。
洗い流す時に絶対守ってほしい
この方法には一つだけ致命的なリスクがあります。それは「排水詰まり」です。
片栗粉はお湯に触れると糊(のり)化して粘り気が出ますし、冷水でも大量に流すと排水管の中で沈殿して詰まる可能性があります。
そのため、除去する際はいきなり水やお湯で流さないでください!
必ずティッシュやキッチンペーパーでペーストを可能な限り拭き取って燃えるゴミとして捨て、残った成分だけを濡れ雑巾で拭き取り、最後に冷水で洗い流すようにしましょう。
隙間ブラシなど物理ツールの選び方

薬剤の化学パワーでカビを死滅させ、バイオフィルムを分解した後は、残った汚れを物理的に掻き出す仕上げ作業が必要です。
洗濯機のフチは複雑に入り組んでいるため、通常のスポンジでは届かない場所が多々あります。ここで適切なツールを選ぶかどうかが、仕上がりを左右します。
1. J字型ブラシ(注ぎ口洗いブラシ)
僕が「神器」として推奨しているのが、ダイソーやセリアなどの100円ショップで販売されている、先端が「J」の字に曲がったブラシ(本来は急須の注ぎ口などを洗うもの)です。
このカーブが絶妙で、縦型洗濯機のバランサーリングの裏側や、ドラム式パッキンの折り返し部分の溝にジャストフィットします。見えない裏側の汚れをガリガリと掻き出す快感は、一度味わうと病みつきになります。
2. DIY加工歯ブラシ
もしJ字ブラシが手に入らない場合は、使い古した歯ブラシを加工しましょう。
ライターの火で歯ブラシの首部分(ブラシのすぐ下)を数秒炙り、プラスチックが柔らかくなった瞬間にグイッと後ろに反らせて角度をつけます(火傷に十分注意し、換気の良い場所で行ってください)。
この「角度」があるだけで、フチ裏へのお掃除力が劇的に向上します。
3. 松居棒(割り箸×ペーパー)
薬剤を拭き取ったり、細かい溝の水分を除去したりするのには、割り箸にキッチンペーパーや不要な布を巻き付け、輪ゴムで止めた、いわゆる「松居棒」的なアイテムが最適です。
ブラシだと汚れを弾き飛ばしてしまうことがありますが、これなら汚れを拭き取ってそのまま捨てられるので衛生的です。
カビ掃除に使ったブラシを洗って保管するのは抵抗がありますが、使い捨てツールなら気兼ねなく汚い部分を攻められます。
パッキンの水分除去でカビを防ぐ習慣
苦労してカビを除去し、真っ白なパッキンを取り戻したとしても、今までと同じ使い方をしていれば、1ヶ月後にはまた元の黒ずみ状態に戻ってしまいます。
カビ掃除のゴールは「落とすこと」ではなく、「生やさない状態を維持すること」です。そのためのカビ予防の基本にして極意は、ズバリ「乾燥」です。
カビは「水分」「栄養(汚れ)」「温度」の3条件が揃うと発生します。このうち、私たちが最もコントロールしやすいのが「水分」です。
以下のルーティンを生活に取り入れるだけで、カビのリスクを最小限に抑えることができます。
| タイミング | やるべきアクションと理由 |
| 洗濯終了直後 | パッキンの溝に残った水をタオルで拭き取る。 特にドラム式の場合、ここには必ず水が溜まっています。 マイクロファイバークロスなどを洗濯機の横に常備し、洗濯物を取り出すついでにサッと一周拭うだけでOKです 所要時間はたった5秒です。 |
| 使用していない時 | ドアや蓋を常に開けておく。 槽内の湿気を逃がし、カビが好む高湿度環境を作らないようにします。 チャイルドロック機能やドアストッパーを活用し、安全を確保しつつ通気性を確保しましょう。 |
| 週に1回 | 乾燥機能を使って槽内をカラカラに乾かす。 洗濯乾燥機をお持ちなら、「槽乾燥コース」や通常の乾燥運転を週に一度行いましょう。 カビの胞子は熱と乾燥に弱いため、温風で完全に乾かすことで菌糸を死滅させることができます。 |
最初は「毎回拭くなんて面倒くさい」と感じるかもしれません。
でも、この「5秒のひと手間」が、後にやってくる「1時間がかりの大掃除」や「高価なカビ取り剤の出費」を無くしてくれるとしたら、これほどコストパフォーマンスの良い投資はありません。
よくある質問:洗濯機のフチのカビ取りに関するQ&A
Q:塩素系を使わずに、洗濯機のフチのカビ取りはできますか?
A:軽度の汚れであれば酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)や重曹で落とすことも可能ですが、ゴムパッキンに深く根を張った黒カビを完全に除去するのは困難です。
「塩素の臭いが苦手」などの事情がない限り、色素分解力のある塩素系漂白剤(カビキラーやハイター)の使用が最も確実で、結果的にゴムへのダメージを与える時間も短く済みます。
Q:掃除してもゴムパッキンの黒いシミが消えない場合は?
A:長時間パック(湿布)をしても落ちない場合、カビの色素がゴム素材の深部まで完全に染み込んでしまっています(色素沈着)。
これ以上強力な薬剤を使うとゴムが劣化して水漏れの原因になるため、掃除での除去は諦める必要があります。どうしても気になる場合は、メーカー修理で「パッキン(ベローズ)の交換」を依頼することをおすすめします。
Q:アルコールスプレーでフチのカビは予防できますか?
A:はい、予防としての効果は期待できます。
アルコールには既に発生した黒カビの色を消す力はありませんが、カビの胞子を殺菌する力はあります。掃除をして綺麗になった後に、仕上げとしてパッキンやフチをアルコール拭きすることは、次回のカビ発生を遅らせる有効な手段です。
Q:業者に頼むと洗濯機のフチのカビ取り費用はいくら?
A:ハウスクリーニング業者による「洗濯機分解洗浄」の相場は、縦型で15,000円〜、ドラム式で25,000円〜が目安です。
ただし、業者の洗浄でもゴムに沈着した色素までは落とせないことが多いため、パッキンの黒ずみが主目的であれば、メーカーの修理窓口にパッキン交換(部品代+工賃で15,000円〜25,000円程度)を依頼する方が確実な解決になります。
まとめ:洗濯機のフチのカビ取りで清潔を保とう
洗濯機のフチやパッキンのカビは、普段は見えにくい場所にあるだけに、ついつい見て見ぬふりをしてしまいがちです。
しかし、そこは確実に汚れが蓄積し、カビが繁殖し続ける危険地帯です。
放置すればするほど除去は難しくなり、最悪の場合、パッキンの交換修理が必要になったり、家族がアレルギー症状を起こしたりするリスクも高まります。
今回ご紹介した「粘度のある薬剤(ジェルや片栗粉ハイター)」を使って化学的に分解する方法と、「乾燥させる習慣」を組み合わせれば、あの諦めていた頑固な黒ずみとも必ずサヨナラできます。
まずは今週末、一度徹底的にフチ掃除をして、新品の時のような白さを取り戻してみませんか?
綺麗になった洗濯機で洗う衣類は、きっといつも以上に気持ちよく感じられるはずですよ。