エアコンの位置で失敗?後悔しない配置と対策をプロが徹底解説

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エアコンの位置で失敗?後悔しない配置と対策をプロが徹底解説

こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。

家づくりやリフォーム、あるいはワクワクする新居への引っ越しのタイミングで、間取りや家具の配置には何時間もかけるのに、意外と「とりあえず空いている壁」に決められてしまいがちなのがエアコンの配置です。

「プロの業者さんがいい感じに付けてくれるだろう」と任せきりにしていませんか?実は、これが後悔の始まりになることが非常に多いんです。

悩む人
悩む人
  • エアコンの風がソファに直撃して寒すぎる
  • 寝室のエアコンがうるさくて、夏場は寝不足気味
  • リビングの端にあるキッチンまで全然涼しくならない」

このような深刻な悩みを抱える方は少なくありません。実際、僕が働く家電量販店の店頭でも、購入から数年経って「位置が悪くて効きが悪い気がするから、サーキュレーターを買い足したい」と相談に来られるお客様は後を絶ちません。

毎日快適に過ごすための空調計画が、日々のストレスの原因になり、さらには電気代の無駄遣いや健康被害にまで繋がってしまうのは、本当にもったいないことですよね。

この記事では、現役の家電製品アドバイザーであり、機械の構造を知り尽くしたエンジニアの視点から、多くの家庭で起きている「エアコン配置の失敗例」とそのメカニズム、そして今日からできる「具体的な対策」について、出し惜しみなくお話しします。

これから設置を検討されている方が、後悔のない快適な住環境を手に入れるための、転ばぬ先の杖として役立てていただければ嬉しいです。

この記事のポイント

  • リビングや寝室でやりがちな配置ミスの具体的メカニズム
  • 効率よく冷暖房を効かせるための、物理法則に基づいた正しい設置場所
  • 賃貸でも諦めない!風向調整や家具配置で快適さを取り戻す工夫
  • 高気密高断熱住宅だからこそ注意すべき、新時代の空調計画のポイント

部屋別に見るエアコンの位置で失敗した事例

左側には、エアコン位置を間違えることで起きる「効きが悪い」「体調不良」「電気代のムダ」「うるさい」といったトラブルのリスト。右側には「部屋別に見る失敗事例」という見出しと家の間取り図。
エアコン位置によるトラブルと部屋別事例

まずは、実際にどのような失敗が多いのか、部屋別の事例を掘り下げて見ていきましょう。「たかが位置、風が出れば一緒でしょ?」と思うかもしれませんが、配置ひとつでエアコンの寿命や電気代、そして何より皆さんの健康や精神的な安定にまで大きな影響が出ます。

僕が店頭でお客様から聞いた、数々の「リアルな後悔」と、なぜそれが起きたのかという原因を詳細に解説します。

リビングの風向きや家具配置による失敗

部屋の長い壁に設置したことで風が跳ね返るショートサーキットの図解と、ソファに座る人に冷気が直撃して体が冷え切っている様子のイラスト。
リビングでの失敗:長辺設置とソファへの直撃

家族が集まり、食事をし、くつろぐリビングは、家の中で最もエアコンの稼働時間が長く、そして最も快適性が求められる空間です。しかし、LDKという広い空間だからこそ、気流のコントロールに失敗するケースが後を絶ちません。

最も代表的で、かつ致命的なのが「部屋の長辺(長い方の壁)」にエアコンを設置してしまう失敗です。例えば、縦に長い長方形のリビングがあるとします。この時、多くの住宅では「広い壁面」である長辺側にエアコンを取り付けがちです。しかし、エアコンから向かい側の壁までの距離が短いと、何が起こるでしょうか?

エアコンから吹き出された冷気や暖気は、十分な勢いを持って部屋全体に広がる前に、すぐ目の前の壁に衝突します。すると、行き場を失った空気は跳ね返り、エアコン本体の方へと戻ってきます。

これを空調用語で「ショートサーキット(短絡)」に近い現象と呼びますが、エアコンの室内機は、吸い込んだ空気の温度をセンサーで感知して運転を制御しています。跳ね返ってきた「冷えた空気」を吸い込んだエアコンは、「お、もう部屋全体が設定温度になったな」と勘違いをしてしまい、部屋の奥はまだ暑いのに運転を弱めたり停止(サーモオフ)したりしてしまうのです。

結果、エアコン周辺だけが極寒で、キッチンや部屋の隅は灼熱という、最悪の温度ムラが発生します。

また、ソファやダイニングテーブルといった「人の定位置」の真上や正面に設置してしまうケースも要注意です。エアコンの風、特に冷房の風は「ドラフト」と呼ばれ、体に直接当たり続けると体感温度を急激に下げ、毛細血管を収縮させます。

夏場、ソファでくつろいでいる時に冷風が直撃し続けると、だるさ、頭痛、関節痛といった「冷房病(クーラー病)」を引き起こすだけでなく、冬場は温風による乾燥でドライアイや肌荒れの原因になります。「風向を変えればいい」と思いがちですが、物理的に近い距離からの風は、ルーバーで調整しても拡散しきれず、どうしても不快な気流として体に届いてしまうのです。

メンテナンス視点での失敗

エアコンの下にテレビ、ピアノ、水槽、背の高い本棚などを置くのも避けるべきです。万が一のドレンホース詰まりによる水漏れ時に、高価な家財が水浸しになって故障するリスクがあります。

さらに、私たち業者が修理やクリーニングに伺った際、脚立を立てるスペース(足場)が確保できないと、作業をお断りせざるを得ないこともあります。「エアコンの下は空けておく」のが鉄則です。

寝室の頭上に設置して後悔するパターン

ベッドの頭側にエアコンがあることで、音がうるさく、冷気が顔に直撃し、地震などの恐怖感を与えることを示すイラスト。足元側や側面への設置が正解とされている。
寝室での失敗:頭上設置のデメリット

人生の3分の1を過ごす寝室。ここでの空調環境は、睡眠の質(Sleep Quality)に直結し、翌日のパフォーマンスや長期的な健康状態を左右します。寝室での失敗で圧倒的に多く、そして是正すべきなのが、ベッドのヘッドボード側(枕元・頭上)への設置です。

これには、生理学的・心理学的・物理的な3つの大きなデメリットがあります。

まず1つ目は「音と振動」の問題です。日中のリビングでは気にならないようなエアコンの動作音も、静まり返った夜の寝室では「騒音」になります。ファンが回る風切り音、コンプレッサーの微振動、冷媒ガスが配管を流れる「シュルシュル」という流動音、そしてプラスチックの筐体が温度変化できしむ「パキッ」という熱収縮音。これらが、無防備な頭のすぐ上で発生するのです。特に音に敏感な方や、眠りの浅い方にとっては、これが入眠を妨げる大きなストレス要因となります。

2つ目は「コールドドラフト(冷気の直撃)」です。物理の法則として、冷たい空気は密度が高く重いため、下に降りてくる性質があります。頭上にエアコンがあると、いくらルーバーを上向きや水平に設定しても、冷気は重力に従って顔面や首筋に降り注ぎます。就寝中、無防備な喉や鼻の粘膜が乾燥した冷気にさらされ続けると、免疫力が低下し、夏風邪やアレルギー症状の悪化を招きます。「朝起きると喉が痛い」「体がだるい」という方の多くが、この配置になってしまっています。

3つ目は「心理的な圧迫感と安全性」です。地震大国である日本において、就寝中の顔の真上に10kg以上ある重量物が設置されていること自体が、本能的な恐怖感(心理的圧迫感)を生み、リラックス状態を阻害することがあります。また、万が一の落下リスクや、結露水が顔に垂れてくるリスクもゼロではありません。安眠できる「聖域」であるはずのベッド周りに、潜在的な危険物を置くべきではないのです。

最適な配置の正解は?
寝室のエアコンは、可能な限りベッドの「足元側」の壁面、あるいはベッドの側面(サイド)に配置し、風が体(特に顔)に直接当たらない動線を作るのがベストです。
これにより、音源からの距離も稼げ、静かで穏やかな気流の中で眠ることができます。

子供部屋の間仕切り対応を忘れた失敗談

1つの広い部屋を将来2つに分ける際、エアコン用の穴とコンセントを最初から2系統用意しておくべきであることを示す図解。
子供部屋の将来を見据えた配管準備

子育て世帯の注文住宅で非常によく見られるのが、「子供が小さいうちは広いプレイルームとして使い、思春期になったら壁を作って2部屋に分ける」という『将来間仕切りプラン』です。コンセプト自体は素晴らしいのですが、ここに空調計画の落とし穴があります。

新築時、「とりあえず今は1部屋だから」と、エアコン用の配管穴(スリーブ)と専用コンセントを1セットしか用意していないケースが散見されます。そして10年後、いざリフォームで壁を作って部屋を分けた時、悲劇が起きます。「もう一方の部屋にエアコンを付けようとしたら、取り付けられない!」という事態です。

後からエアコンを設置しようとしても、その壁の中に建物を支える重要な「筋交い(ブレース)」が入っていて穴が開けられなかったり、室外機を置くベランダまでのルートが確保できず、部屋の中を太い配管が何メートルも這う「露出配管」にならざるを得なかったりします。

露出配管は見た目が悪いだけでなく、結露のリスクも高まりますし、高所作業車が必要になって工事費が跳ね上がることもあります。最悪の場合、壁掛けエアコンの設置自体が不可能で、窓用エアコン(ウィンドウファン)しか選択肢がなくなることもありますが、窓用エアコンは動作音が大きく、勉強に集中したい子供部屋には不向きです。

また、学習机やロフトベッドとの位置関係も重要です。子供部屋は4.5畳〜6畳と狭い場合が多く、逃げ場がありません。エアコンの吹き出し口の真下にロフトベッドが来てしまい、寝ている子供に風が直撃する配置や、学習机に向かっている子供の背中に冷風が当たり続け、体が冷え切って集中力が低下する配置は避けなければなりません。

机やベッドの配置シミュレーションを事前に行い、家具のレイアウトが変わっても風が直撃しない位置(ドアの上など)を選定する必要があります。

ロフトやキッチンの特性を無視した配置ミス

一般的な居室とは異なる「特殊な温熱環境」を持つ空間、それがロフトとキッチンです。ここでの配置ミスは、「暑くて使えない」「汚れて臭い」という生活の質に直結する不満を生みます。

まずロフト(小屋裏空間)です。ロフトは屋根の直下に位置するため、夏場は屋根からの強烈な輻射熱を受け、サウナのような灼熱地獄になります。ここに、「下の部屋のエアコンを大きめにしておけば、冷気が回るだろう」と考えるのは大きな間違いです。

先ほども触れましたが、冷たい空気は重く、下に溜まる性質があります。下の部屋のリビングでエアコンを全開にしても、冷気は床付近に溜まるだけで、梯子を登った先にあるロフトには絶対に入っていきません。

逆に、暖かい空気は上昇するため、下の部屋の熱気や料理の臭いが全てロフトに集まってきます。「ロフトを子供の寝室や書斎にするつもりだったのに、暑すぎて単なる物置になった」という嘆きは、本当によく聞きます。

もしエアコンが設置できず、ロフト等の暑さに悩んでいる場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
>>エアコンがない部屋を涼しくする方法

次にキッチンです。最近はLDK一体型が主流ですが、エアコンをキッチンのコンロ(ガス・IH問わず)の近くに設置するのは絶対にNGです。調理中に発生する油を含んだ蒸気(オイルミスト)をエアコンがダイレクトに吸い込んでしまうからです。

エアコン内部の熱交換器(アルミフィン)やファンに油汚れが付着すると、そこにホコリが付き、さらにカビが繁殖して、酸っぱいような酷い悪臭を放つようになります。この油汚れはプロのクリーニングでも完全に落とすのが難しく、エアコンの寿命を著しく縮めます。

エアコンから酸っぱい臭いがして困っている場合は、原因と対策を詳しく解説したこちらの記事をご覧ください。

室外機の騒音やショートサーキットの問題

エアコン選びというと室内機ばかりに目が行きがちですが、実はエアコンの心臓部は屋外にある「室外機(ヒートポンプユニット)」です。室外機の設置環境が悪ければ、室内機がいかに最高級モデルであっても、その性能は発揮されず、電気代だけが浪費されます。

最も多いトラブル原因が「ショートサーキット」です。室外機は、背面や側面から外気を吸い込み、熱交換をして、前面から熱風(冷房時)または冷風(暖房時)を吹き出しています。この時、室外機の前面にブロック塀、植木鉢、自転車カバー、物置などの障害物があると、吹き出した空気が跳ね返り、再び自分で吸い込んでしまいます。夏場、放出した熱い空気を吸い込むと、冷却効率が劇的に低下し、コンプレッサーに過大な負荷がかかり、最悪の場合は故障停止します。

また、近隣トラブルの火種になりやすいのも室外機です。室外機の排気口が、お隣の家の「リビングの窓」や「寝室の通気口」の真正面に向いていると、熱風や騒音、振動がそのまま伝わってしまいます。特に最近の高気密住宅は遮音性が高いですが、低周波の振動音は壁を透過して響くことがあります。一度設置して配管を繋いでしまうと、室外機を数十センチ移動させるだけでも、ガス回収や配管延長などの専門工事が必要となり、数万円の出費になります。

データで見る効率低下

室外機の周辺が物で塞がれていると、冷暖房の効率が落ち、無駄な電気代がかかります。資源エネルギー庁のデータによれば、室外機の周りを整理整頓するだけで省エネ効果が期待できるとされています。
(出典:資源エネルギー庁『空調 | 無理のない省エネ節約』

隠蔽配管や筋交いなど施工上のトラブル

インテリア性を重視する注文住宅や分譲マンションで採用されることの多い「隠蔽配管(先行配管)」。壁や天井の中に配管を埋め込むため、室内外に配管カバーが見えず、外観・内観ともに非常にスッキリ美しく仕上がります。しかし、これには「将来のリスク」という大きな代償が伴うことを理解しておく必要があります。

最大のリスクは、エアコンの買い替え時(更新時)です。エアコンの寿命は一般的に10年〜15年ですが、いざ新しい機種に交換しようとした時、既存の埋め込み配管と新しいエアコンの規格(冷媒ガスの種類、配管の太さ、通信線の数など)が合わないケースがあります。

また、配管内が汚れていて再利用できず、洗浄に高額な費用がかかったり、最悪の場合は再利用不可となり、壁を壊して配管をやり直すという大規模なリフォーム工事が必要になったりします。「美しい壁」を守るために選んだ隠蔽配管が、将来的に「壁を壊す原因」になるというのは皮肉な話です。

将来の買い替えを見据えて、エアコンが安くなる時期を知っておくことも大切です。
>>エアコンの安い時期はいつ?買うなら2026年に

また、施工品質に大きく左右される点もリスクです。特に「ドレン配管(排水管)」の勾配不良は深刻です。エアコンから出る結露水は、重力に従って自然に流れていきます。壁の中で配管がたわんでいたり、十分な下り勾配(1/100以上)が取れていなかったりすると、水が滞留して「ポコポコ」という異音がしたり、ヘドロ状の汚れが詰まって水漏れを起こしたりします。壁の中での水漏れは発見が遅れ、断熱材や柱を腐らせる原因にもなります。

さらに、木造住宅で後から穴を開ける場合、建物の耐震性を担う「筋交い」を誤って切断してしまう事故も稀にあります。これは建物の寿命に関わる重大な瑕疵です。隠蔽配管を選ぶ場合も、露出配管で後付けする場合も、必ず構造図面を確認し、適切な施工管理ができる信頼できる業者に依頼することが何より大切です。

エアコンの位置で失敗しないための対策と改善案

工具と電球のアイコンとともに「エアコンの位置で失敗しないための対策と改善案」と書かれたタイトルスライド。

ここまで、聞いているだけで涼しくなりそうな(背筋が凍るような?)失敗談ばかりしてしまいましたが、安心してください。

これから設計する段階での工夫はもちろん、既に設置してしまった場合でもできる対策はあります。ここからは、快適な空調環境を作るための具体的な解決策を、プロの視点でご紹介します。

賃貸でもできる風向調整や家具移動の工夫

1.風向調整板の設置、2.家具の移動、3.サーキュレーターの活用という、工事不要でできる3つの対策をイラストで紹介。
賃貸でもできる3つの改善策

「賃貸アパートだからエアコンの位置は変えられないし、工事もできない…」と諦めている方も多いと思います。しかし、エアコン本体を動かせなくても、風の動きや生活の場所を動かすことで、環境は劇的に改善できます。

最も手軽で、かつ即効性があるのが、エアコンの吹き出し口に取り付ける後付けの「風向調整板(エアーウィング等)」です。ホームセンターやネット通販で2,000円〜3,000円程度で購入でき、強力な両面テープや引っ掛けフックで誰でも簡単に取り付けられます。

これを使うことで、物理的に風をブロックし、直撃する風を天井方向や壁側へ強制的に逸らすことができます。特に寝室で顔に風が当たる場合や、オフィスで特定の席の人だけが寒い場合などに絶大な効果を発揮します。結露防止マットがついているものや、アームの角度を自由に変えられるタイプを選ぶのがポイントです。

また、発想を転換して「自分が動く(家具を動かす)」のも非常に有効です。ベッドやソファの位置を、エアコンの風が届かない「死角」や、気流が拡散した後の場所に移動させるのです。部屋のレイアウト上どうしても移動できない場合は、背の高い観葉植物やパーティション、本棚などをエアコンと自分の間に配置し、それらを「防風壁」として利用するのも一つのテクニックです。

ただし、エアコンの吸気口(上部)や吹き出し口を完全に塞いでしまうと、故障の原因になるので、あくまで「風の流れを変える」程度に留めてください。

サーキュレーターを活用して気流を回す方法

L字型の変形リビングや、エアコンの位置が悪くて部屋の隅(キッチンなど)まで冷気が届かない場合、エアコンの設定温度を下げる前に試してほしいのがサーキュレーター(空気循環機)の活用です。

多くの方が誤解しているのが、サーキュレーターの置き場所です。「涼しくしたい場所に置く」のではなく、「空気を動かす起点」に置くのが正解です。ポイントは「エアコンに向けて風を送る」ことではなく、「空気を攪拌(かくはん)する」イメージを持つことです。

季節置き場所と向き目的と効果
冷房時エアコンを背にして置き、床と平行〜やや上向きに送風床に溜まった重い冷気を、部屋の奥や天井付近へ強制的に送り出し、部屋全体の温度ムラをなくす。
暖房時部屋の対角線上(エアコンの反対側)に置き、エアコンに向けて送風天井付近に滞留している軽い暖気を崩し、居住スペース(足元)へ降ろしてくる。

最近のサーキュレーターはDCモーター搭載で静音性が高く、電気代も1ヶ月数十円〜百円程度と非常に経済的です。エアコンを買い替えるよりも圧倒的に低コストで、効果も体感しやすいので、ぜひ導入を検討してみてください。

高気密高断熱住宅における最適な空調計画

家が冷えすぎて除湿が追いつかない「洞窟現象」への注意と、壁の中に配管を埋める隠蔽配管の水漏れ・交換困難リスクを示すイラスト。
高気密住宅の注意点と隠蔽配管のリスク

最近の住宅(ZEHや長期優良住宅など)は、昔の家とは比較にならないほど「気密性(C値)」と「断熱性(UA値)」が向上しています。魔法瓶のように熱を逃さない構造になっているため、従来の「各部屋にエアコン1台」「6畳間には6畳用エアコン」という常識で選定すると、大失敗を招きます。

高断熱住宅でよくある失敗が、「エアコンの効きすぎによるサーモオフ問題」です。例えば、高断熱な6畳の子供部屋に、一般的な量販店モデルの6畳用エアコンを設置したとします。スイッチを入れると、部屋の温度はあっという間に設定温度に達します。

するとエアコンは「冷えた」と判断して、コンプレッサーを止めて送風運転(サーモオフ)に切り替わります。しかし、まだ部屋の「湿度」は十分に下がっていません。結果、温度は低いけれど湿度は70%〜80%もあるという、梅雨時の洞窟のような「寒くてジメジメする不快な環境」が出来上がってしまいます。

これを防ぐためには、以下の対策が有効です。

  1. 全館空調的な運用:各個室にエアコンを置くのではなく、1階と2階のホールなどに大型エアコンを1台ずつ設置し、シーリングファンや吹き抜け、通気ガラリを利用して家全体の空気を循環させる方式を採用する。
  2. 再熱除湿機能付きモデルの採用:温度を下げずに湿度だけを下げる「再熱除湿」機能(日立や三菱電機の一部上位機種に搭載)を持つエアコンを選ぶ。
  3. あえて小能力を選ぶ:高断熱住宅であれば、10畳や12畳の部屋でも6畳用(2.2kW)で十分冷える場合が多いです。負荷計算を行い、適切な(小さめの)容量を選定することで、エアコンを長時間弱運転させ、除湿を継続させることができます。

この分野は建築と設備の高度な知識が必要になるため、設計段階でハウスメーカーの設計士や、空調に詳しい専門家に相談することを強くおすすめします。

デザインと効率を両立させる設置のコツ

「せっかくのおしゃれなリビング、エアコンの無骨な機械感をできるだけ消したい」というインテリアへのこだわりと、「効率よく部屋を冷やしたい」という機能性は、しばしば対立します。しかし、設計の工夫次第でこの両立は可能です。

建築的なアプローチとしては、「下がり天井」や「ルーバー格納」という手法があります。天井の一部を下げて段差を作り、その側面にエアコンを埋め込むことで、正面からは存在が見えないようにする方法や、造作家具の中にエアコンを収め、前面に木製の格子(ルーバー)を取り付けて隠す方法です。

ただし、これらは非常にデリケートな設計が必要です。ルーバーの隙間が狭すぎると、吹き出した風が跳ね返ってショートサーキットを起こし、エアコンが効かなくなったり、結露して水滴が垂れてきたりします。必ず開口率(隙間の割合)を計算し、メンテナンス用の開口部も確保する必要があります。

もっと手軽でリスクの少ない方法は、「インテリアに溶け込むエアコンを選ぶ」ことです。かつてエアコンといえば白物家電の代表で、真っ白なプラスチックの塊でしたが、現在はデザイン家電としての進化が著しいです。

ダイキンの「risora(リソラ)」のように、本体の厚みが薄く、パネルの色を何十種類もの中から選べる(木目調、石目調、ダークカラーなど)機種や、三菱電機の「霧ヶ峰Style」のようなスタイリッシュなモデルが登場しています。

隠すのではなく、部屋のアクセントカラーや壁紙に合わせて「あえて見せる」コーディネートを楽しむのも、現代の賢い選択肢と言えるでしょう。

エアコンの位置に関するよくある質問

Q1. エアコンの風が体に直接当たらないおすすめの位置は?

寝室であれば「ベッドの足元側の壁」、リビングであれば「ソファやダイニングの真上・正面を避けた位置」が推奨されます。どうしても避けられない場合は、風向調整板(ルーバー)を活用して風を天井や壁側に逃がす工夫が有効です。

Q2. エアコンの下にテレビや家具を置いても大丈夫ですか?

基本的には避けるべきです。万が一の水漏れで家電が故障するリスクがあるほか、メンテナンス(フィルター掃除や修理)の際に足場が確保できず、作業を断られる可能性があります。観葉植物も乾燥で枯れやすくなるため注意が必要です。

Q3. 部屋を効率よく冷やすための最適な取り付け位置は?

長方形の部屋であれば、「短辺側の壁」に設置して、長手方向(部屋の長い距離)に向かって風を吹き出すのが最も効率的です。これにより気流が部屋の奥まで循環しやすくなり、ショートサーキット(冷気の跳ね返りによる運転停止)も防げます。

Q4. エアコンのコンセント位置で失敗しないコツは?

エアコン本体の「上(天井付近)」や「側面」にコンセントを配置すると、コードが垂れ下がらず見た目がスッキリします。逆にエアコンの下に設置するとコードが目立ってしまうため、設計段階で指定することをおすすめします。

Q5. 賃貸でエアコンの位置が変えられない時の対策は?

後付けの「風向調整板(エアーウィング)」を取り付けて風の向きを物理的に変えるのが最も即効性があります。また、サーキュレーターを併用して空気を撹拌することで、風が直接当たる不快感を軽減しつつ、部屋全体の温度ムラを解消できます。

まとめ:エアコンの位置で失敗を防ぐチェックリスト

風向き、気流、室外機、寝室、メンテナンスの5項目をまとめた最終確認用チェックリスト。
快適な毎日のためのエアコン配置チェックリスト

長くなりましたが、最後にエアコンの位置決めで失敗しないための「最終確認チェックリスト」をまとめました。これから図面を確認する方、リフォームを検討している方は、ぜひこのリストを片手に現場や図面をチェックしてみてください。

【エアコン配置の最終チェックリスト】

  1. 風向き:ベッド、ソファ、ダイニングテーブルに風が直撃しない位置になっていますか?
  2. 気流確保:部屋の長辺方向(長い距離)に風を飛ばせる「短辺側の壁」に設置されていますか?
  3. 室外機環境:ご近所の窓の近くではありませんか? 前面に障害物がなく、通気が確保されていますか?
  4. 寝室の安全:頭上(枕元)を避け、足元側や側面に配置されていますか?
  5. メンテナンス性:フィルター掃除の際、脚立を立てるスペースはありますか? 下に動かせない家具はありませんか?
  6. 配管ルート:隠蔽配管の場合、将来の交換リスクを理解していますか? ドレン勾配は確保できていますか?
  7. 電源・防災:専用コンセントになっていますか? 火災報知器から1.5m以上離れていますか?

エアコンは一度設置すると、10年、15年と長く付き合うことになる「住まいのパートナー」です。カタログのスペックや価格だけでなく、「どこに置いて、どう風を流すか」にも徹底的にこだわって、ぜひストレスのない快適な毎日を手に入れてくださいね。

もし配置に迷ったら、家の図面を持って家電量販店に来ていただければ、僕たち販売員も経験と知識を総動員して、あなたの家にベストな配置を一緒に考えますよ!

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