エアコン電源が入らない!点滅の原因と自分でできる復旧手順を解説

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エアコン電源が入らない!点滅の原因と自分でできる復旧手順を解説

こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。

暑い夏や寒い冬、いざエアコンを使おうとしたら電源が入らない。運転ランプが点滅して動かない。そんな状況になると、本当に焦ってしまいますよね。部屋の温度はどんどん変わっていくし、「修理代いくらかかるんだろう…」「買い替えなんて急には無理!」と不安になるその気持ち、痛いほどよく分かります。

でも、ちょっと待ってください。実は、僕が量販店の店頭で相談を受ける中で、「壊れた!」と駆け込んでこられたお客様の約3割くらいは、修理の必要がない「うっかりミス」や「一時的なエラー」だったりするんです。リモコンの電池切れや、コンセントの差し直しだけでケロッと直るケースも意外と多いんですよ。

円グラフ。「壊れた!と思って相談に来る人の約3割は、実は修理のいらないうっかりミスです」というデータを示し、まずは簡単なチェックから始めるよう促す図。
修理不要なエアコン不具合の割合グラフ

販売員として、そして家電エンジニアとして、修理を依頼する前に「これだけは試してほしい!」というチェックポイントがいくつかあります。この記事では、プロの視点で原因の切り分け方から、自分でできる復旧方法、そして修理と買い替えの境界線までを分かりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 電源が入らない原因をリモコンと本体に分けて特定できる
  • メーカー別の点滅ランプの意味とエラーコードが分かる
  • 修理が必要なケースと買い替えの判断基準を学べる
  • 自分でできるリセット方法とやってはいけないNG行動を知る

エアコンの電源が入らない原因と確認事項

「エアコンがうんともすんとも言わない…」。そんな時、いきなりメーカーのサポートセンターに電話をするのは得策ではありません。

繋がるまで何十分も待たされた挙句、「コンセントは刺さっていますか?」なんて聞かれて脱力する…なんてことになりかねないからです。まずは落ち着いて、身の回りの単純な原因から一つずつ潰していきましょう。

ここでは、誰でも道具なしですぐに試せる基本的な診断フローを順番に解説していきます。

リモコンの故障や電池切れを確認

リモコンチェックのポイント図解。マンガン電池はNGでアルカリ電池を使うこと、スマホのカメラ越しに送信部の光を確認する方法を描いたイラスト。
エアコンリモコンの電池種類と赤外線チェック方法

エアコン本体が反応しない時、一番最初に、そして最も強く疑うべきなのは「リモコンの不具合」です。本体はピンピンしているのに、指令を出すリモコンが沈黙しているせいで動かないというパターンですね。

「液晶画面の数字は表示されているから、電池切れじゃないよ」と思われた方、実はそこが落とし穴なんです。液晶を表示させるのに必要な電力と、赤外線信号をエアコンまで飛ばすのに必要な電力は、桁違いに違います。液晶は映っていても、信号を飛ばすパワーが残っていない「隠れ電池切れ」の状態は非常によくあります。

また、使用している電池の種類も重要です。もし、100円ショップなどで買った「マンガン電池」を使っていませんか?

エアコンのリモコンは、ボタンを押した瞬間にパルス状の大きな電流を必要とするため、パワーのある「アルカリ乾電池」の使用がメーカーから推奨されています。マンガン電池だと、新品でも電圧不足で動作しないことがあるんです。

そしてもう一つ、長期間使っていなかったリモコンで多いのが「液漏れ」です。電池ボックスを開けてみて、端子に白い粉のようなものが付着していませんか? これは電池から漏れ出した強アルカリ性の液体が結晶化したもので、これが絶縁体となって電気を遮断してしまいます。もし粉が吹いていたら、ビニール手袋をして綿棒などで綺麗に拭き取り(皮膚につくと危険です!)、新しいアルカリ電池に交換してください。

最後に、電池交換をした後に必ずやってほしいのが「リセット」です。リモコンの蓋の中や裏面に、爪楊枝でしか押せないような小さな「リセット(ACL)」ボタンがありませんか? 電池交換直後はリモコン内部のマイコンが不安定になっていることがあるため、これを押して初期化しないと正常に動かない機種も多いんです。

「いろいろやったけど分からない!」という場合は、スマートフォンのカメラ機能を使って、リモコンが生きているか死んでいるかを客観的に判定しましょう。

スマホで簡単!赤外線チェックの方法

人間の目には見えませんが、スマホのカメラセンサーは赤外線を「光」として捉えることができます。

  1. スマホのカメラアプリを起動します。(インカメラの方が感度が良い機種もあります)
  2. リモコンの送信部(先端の黒っぽい部分)をカメラレンズに向けます。
  3. その状態でリモコンの「運転」ボタンなどを押します。
  4. スマホの画面越しに、送信部が「ピカピカ」と紫色や白色に光って見えれば、リモコンは正常に信号を出しています。

もしこれで光が見えなければ、リモコン自体の故障で確定です。純正リモコンを取り寄せるか、ホームセンターで汎用リモコンを買えば解決します。

もしリモコンが故障していることが確定した場合や、紛失してしまった場合の対処法については、以下の記事も参考にしてください。
>>エアコンのリモコンを無くした・故障した時の対処法

コンセントやブレーカーの確認方法

コンセントプラグの確認と、ブレーカーレバーの確認ポイント。プラグのホコリや、ブレーカーが「入」と「切」の中途半端な位置で止まっていないか注意を促すイラスト。
コンセントの半抜けとブレーカートリップの確認

リモコンが正常なら、次はエアコン本体への「エネルギー供給ルート」を確認します。つまり、電気がちゃんと来ているかどうかのチェックです。

まずは電源プラグです。掃除機をかける時や、カーテンの開け閉めの際にコードを引っ掛けてしまい、プラグが斜めに刺さっている「半抜け」状態になっていないでしょうか?

コンセントとプラグの間に隙間があると、接触面積が減って電気抵抗が増え、異常発熱を起こすことがあります。最近のエアコン用コンセントには、こういった異常発熱や接触不良を検知して通電を遮断する安全装置がついているものもあるため、見た目は刺さっていても電気が流れていないことがあるんです。

また、プラグの刃の間にホコリが溜まり、そこに湿気が加わると発生する「トラッキング現象」も非常に危険です。これが原因でショートし、安全装置が作動している可能性もあります。確認の際は、必ず一度プラグを抜き、乾いた布でホコリを拭き取ってから、根元までガッチリと差し込んでください。

次に確認すべきは「ブレーカー(分電盤)」です。「家の電気は点いているから大丈夫」と思うかもしれませんが、エアコンは消費電力が大きいため、通常の回路とは別に「エアコン専用回路」として独立した小さなブレーカーが設置されていることがほとんどです。洗面所や玄関にある分電盤を開けて、「エアコン」「クーラー」「リビング」などの表記がある小さなスイッチを探してみてください。

もし、そのスイッチが「切(OFF)」になっていれば、それが原因です。しかし、もっと注意深く見てほしいのが、スイッチのレバーが「入(ON)」と「切(OFF)」の中間の位置でプラプラしている状態、いわゆる「トリップ(遮断)」の状態になっていないかです。

ブレーカー操作の注意点:トリップ時の復旧方法

ブレーカーが過電流やショートを検知して落ちた場合、レバーは中間の位置で止まる構造になっています。この時、慌ててそのまま「入(ON)」側に押し上げても、カチッとロックされず、電気は復旧しません。

正しい手順
一度レバーを完全に「切(OFF)」の方向にガチャンと音がするまで倒しきり、内部のバネをリセットしてから、改めて「入(ON)」に上げてください。これで初めて通電します。

※もし「入」にした瞬間に再度「バチン!」と落ちる場合は、エアコン内部で深刻なショート(地絡)が起きています。火災の危険があるため、絶対に無理に上げず、すぐに修理を依頼してください。

応急運転スイッチで本体の故障診断

本体の応急運転ボタンを押して診断するフローチャート。動いた場合はリモコン故障、動かない場合は本体故障。5秒以上の長押しは禁止という注意書きが含まれた図。
応急運転ボタンを使ったエアコン故障切り分けフロー

「リモコンも光っているし、コンセントもブレーカーも問題ない。でも動かない…」。こうなると、いよいよエアコン本体の故障が疑われますが、まだ諦めるのは早いです。プロが行う故障診断の第一歩として、「応急運転スイッチ」を使った切り分けを行いましょう。

このスイッチは、リモコンが壊れたり紛失したりした時のために、エアコン本体に備え付けられている物理ボタンです。リモコンからの赤外線信号や受信回路を介さず、メイン基板のマイコンに直接「自動運転して!」と命令を送ることができます。つまり、「このスイッチで動くかどうか」で、故障箇所を半分に絞り込めるのです。

スイッチの場所はメーカーによって異なりますが、前面パネルを開けた右側(電装ボックス付近)や、本体の表面下部、あるいはLED表示部の近くにあることが多いです。「自動運転」「応急」「これっきり」といった名前が付いています。つまようじ等の細い棒で押すタイプもあります。

  1. スイッチを押してエアコンが動いた場合
    おめでとうございます! エアコン本体のメイン機能(コンプレッサー、ファン、電源回路)は正常です。故障しているのは「リモコン本体」か、エアコン側の「受光部(赤外線を受けるセンサー)」のどちらかです。まずは汎用リモコンなどを試してみる価値があります。
  2. スイッチを押しても全く反応しない場合
    残念ながら、エアコン本体の電源回路、メイン基板、あるいはヒューズなどの重要部品が故障している可能性が高いです。この場合は、ユーザーの手で直すことは難しいため、修理依頼が必要になります。

【重要】長押しには注意!

多くの機種で、この応急運転スイッチを「5秒以上長押し」すると、移設や廃棄時にガスを回収するための「ポンプダウン運転(強制冷房)」という特殊モードに入ってしまいます。このモードに入ると、コンプレッサーが全開で回り続け、リモコン操作を受け付けなくなります。

もし誤って長押ししてしまった場合は、もう一度ボタンを押して停止させるか、電源プラグを抜いてリセットしてください。

霜取りや内部クリーンで止まる場合

冬場の暖房シーズンに特に多い問い合わせが、「エアコンが急に止まった」「風が止まって、変な音がする」というものです。故障を疑いたくなりますが、これは多くの場合、エアコンの仕様上の「正常動作」です。

最も代表的なのが「霜取り運転(デフロスト)」です。外の気温が低く湿気が多い日に暖房を使うと、室外機の熱交換器(アルミのフィン)がキンキンに冷えて、空気中の水分が結露し、氷(霜)となって張り付いてしまいます。霜がつくと空気を通さなくなり、暖房効率がガタ落ちするため、エアコンは自動的に暖房を中断し、熱を使って室外機の氷を溶かす作業を始めます。

この間、室内機からは冷たい風が出ないようにファンが停止し、運転ランプが点滅したり「霜取り中」の表示が出たりします。また、冷媒の流れが逆転するため、室内機から「プシュー」「シャー」という冷媒が流れる音がしたり、室外機から湯気が上がったりすることもありますが、これらは故障ではありません。

通常10分〜15分程度で氷が溶け、自動的に暖房運転に復帰しますので、電源を切らずにじっと待っていてください。ここで電源を切ってしまうと、霜が残ったままになり、次の運転時にさらに調子が悪くなってしまいます。

また、最近の高機能エアコンには「フィルター自動掃除機能」「内部クリーン機能」が搭載されています。これらの機能が働いている間は、機械的なロックがかかり、次の運転指令を受け付けない機種があります。

例えば、運転を停止した後に「ウィーン」と音がしてお掃除ロボットが動いている時や、内部乾燥のために微弱な暖房運転をしている時に、「あ、やっぱりつけよう」と思ってリモコンを押しても、すぐには反応しないことがあります。これは、掃除ブラシやフィルターを定位置に戻すためのシーケンス(手順)が終わるまで待機しているためです。この場合も、お掃除や内部クリーンが終わるまで数分待つか、取扱説明書に従って動作をキャンセルする必要があります。

内部クリーン機能の役割や、勝手に動いて困る場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>エアコンの内部クリーンは意味ない?効果と賢い使い方

コンセントを抜いてリセットする手順

パソコンの再起動と同様に、コンセントを抜いて5分〜10分待ってから差し直す手順図。内部の電気を放電させるために待ち時間が必要であることを解説。
エアコンの正しい再起動・リセット手順

パソコンやスマートフォンが固まった時、再起動すると直ることがありますよね? 実はエアコンも高度な電子制御機器であり、中には小さなコンピュータ(マイコン)が入っています。このマイコンが、雷サージなどの電気的なノイズや、一時的なメモリのエラー(シングルイベントアップセット等)によってフリーズし、誤動作を起こすことがあるのです。

そんな時に効果絶大なのが、電源を完全に遮断して行う「システムリセット(再起動)」です。修理業者を呼ぶ前に、必ず一度は試していただきたい最強の復旧手段です。

手順は非常にシンプルですが、一つだけ絶対に守ってほしいルールがあります。それは「待つ時間」です。

正しいリセットの手順

  1. エアコンの運転を停止します(リモコンが効かない場合は無視してOK)。
  2. 電源プラグをコンセントから抜きます。
  3. そのまま最低5分、できれば10分間放置します。(ここが一番大事!)
  4. プラグを奥までしっかりと差し直します。
  5. リモコンで運転ボタンを押し、動作を確認します。

なぜ数分間も待つ必要があるのでしょうか? それは、エアコンの室外機にあるインバータ回路の中に、「電解コンデンサ」という大容量の蓄電部品が入っているからです。このコンデンサは、コンセントを抜いた後もしばらくの間、内部に高電圧(DC280V〜350V程度)を蓄え続けています。

この残留電荷が残っている状態でコンセントを差し直しても、マイコンへの電源供給が完全に途切れていないため、リセットがかからず、エラー状態が継続してしまうのです。

完全に電気を放電させ、マイコンの記憶をクリアにするために、少なくとも5分以上の放置が必要不可欠なんです。「抜いて、すぐ差す」では意味がないことを覚えておいてくださいね。

エアコンの電源が入らない時の修理判断

リセットも試した、コンセントも確認した、それでもやっぱり動かない。あるいは、運転ランプが点滅してエラーを知らせ続けている。こうなると、残念ながら機器内部で何らかのトラブルが発生している可能性が高いです。

ここからは、いよいよ「修理」か「買い替え」かを検討するフェーズに入ります。ランプの点滅が具体的に何を訴えているのかを読み解き、プロとしてどちらを選択すべきか、その経済的な判断基準を本音でお話しします。

ランプが点滅するエラーの原因

ダイキン・Panasonicの「英数字コード表示」と、三菱・日立の「ランプ点滅回数」によるエラー確認方法の違いを解説したイラスト。
エアコンのエラーコードとランプ点滅の意味

運転ランプ(緑)やタイマーランプ(橙)、あるいはお知らせランプなどが規則的に点滅している状態。これはエアコンの自己診断機能が働いており、マイコンが「SOSサイン(エラーコード)」を発信している状態です。ただ「壊れた」と伝えるだけでなく、「温度センサーがおかしい」「室外機のファンが回っていない」「通信ができていない」といった具体的な不具合箇所を教えてくれています。

この点滅パターンやコードを確認することには、大きなメリットがあります。修理を依頼する際に「電源が入りません」とだけ伝えるよりも、「エラーコードA5が出ています」と伝えた方が、サービスマンは必要な交換部品を予測して持参できるため、「部品取り寄せで後日再訪問」というタイムロスを防げる可能性が高まるのです。

また、エラーの内容によっては、修理費用が数千円で済む軽微なもの(センサー不良など)なのか、数万円〜10万円コースの重篤なもの(コンプレッサー不良など)なのか、ある程度の当たりをつけることもできます。次項から、主要メーカーの代表的な読み方を見ていきましょう。

ダイキンやパナソニックのエラーコード

業界シェアの高いダイキンとパナソニックは、リモコンを操作して液晶画面に具体的な「英数字のコード」を表示させるタイプが主流です。点滅している時に、リモコンの「取消」ボタンや「診断」ボタンを長押し(または先端の尖ったもので押す)すると、ピーッという音と共にコードが表示されます。

ダイキン

コード推定される原因と深刻度
A5【中〜高】高圧圧力制御・凍結防止。
フィルター詰まりでも出ますが、熱交換器のセンサー異常や汚れによる熱交換不足が多いです。
A6【中】ファンモーターロック。
ファンが物理的に回っていません。モーター交換が必要です。
U4【中】通信異常。
室内機と室外機の間で会話ができていません。基板故障の代表格です。
U0【高】冷媒不足(ガス欠)。
配管からガスが漏れています。漏れ箇所の特定と修理が必要で高額になりがちです。

パナソニック

コード推定される原因と深刻度

H11
【中】室内外通信異常。
ダイキンのU4と同じく、基板や配線のトラブルです。
H14【低】室内吸込センサー異常。
室温を測るセンサーの故障。部品代は比較的安価です。
F91【高】冷凍サイクル異常。
ガス漏れや詰まりなど、冷やす・温める機能自体の故障です。
F99【高】DCピーク動作。
パワートランジスタ等の短絡。電源を入れた瞬間にブレーカーが落ちるような重症ケースです。

特にダイキンの「A5」は非常に頻出するコードですが、フィルターを掃除してリセット(コンセント抜き差し)するだけで直ることもあります。逆に「U0」やパナソニックの「F系」コードが出た場合は、専門的な工具と技術が必要な修理になるため、ユーザー側でできることはほとんどありません。

霧ヶ峰や白くまくんの点滅信号の意味

三菱電機(霧ヶ峰)、日立(白くまくん)、東芝(大清快)などのメーカーは、液晶表示ではなく、本体のランプの「点滅回数」でエラー内容を伝える方式を採用している機種が多いです。

点滅回数の読み取り方

ランプはずっと点滅しているわけではなく、「ピカ、ピカ、ピカ…(数秒休み)…ピカ、ピカ、ピカ」というように、一定のリズムで点滅と休止を繰り返します。この「1セットの点滅回数」を数えてください。

  • 三菱電機(霧ヶ峰):
    • 2回点滅: 室内サーミスタ(温度センサー)系の異常。比較的軽症です。
    • 5回点滅: 室外機全般の異常。コンプレッサー過負荷や電圧異常など、室外機側で何か起きているサインです。詳細は室外機内部の基板LEDを見る必要があります。
  • 日立(白くまくん):
    • タイマーランプ(橙)9回: 室内サーミスタ異常。
    • タイマーランプ(橙)10回: DCファンモーター回転異常。ファンが回らない、または風などの影響で逆回転している検知など。
    • タイマーランプ(橙)13回: 室外基板のICデータ読み取り不良など。基板交換が必要なケースが多いです。
  • 東芝(大清快):
    • 運転ランプとタイマーランプの点滅の組み合わせ(同時点滅、交互点滅など)や、リモコンの「点検」ボタンでコード(04, 1Cなど)を出す方式もあります。

これらはあくまで代表的な例です。同じメーカーでも年式やシリーズによって意味が異なる場合があるため、必ず取扱説明書やメーカー公式サイトの「自己診断」ページで、正確な情報を確認してください。

修理費用の相場と買い替えの基準

購入から10年未満は部品交換での「修理」がおすすめ、10年以上は部品在庫切れや省エネの観点から「買い替え」がおすすめという分岐点を示した図。
エアコンの修理と買い替えの判断基準(10年ルール)

エラーの内容がある程度分かったところで、一番頭を悩ませるのが「修理するべきか、買い替えるべきか」という問題です。決して安くない出費になるため、後悔しない選択をしたいですよね。

僕が店頭でお客様にアドバイスさせていただく際の最大の判断基準は、ズバリ「購入から10年経っているかどうか」です。

エアコンを含め、家電製品にはメーカーが定めた「補修用性能部品の保有期間」というものがあり、エアコンの場合は製造打ち切りから通常9年〜10年となっています。つまり、10年以上前の機種だと、どんなに直したくても「部品がないので修理不能」と断られる可能性が非常に高いのです。

また、仮に部品があって直せたとしても、10年選手のエアコンは他の部品も劣化しています。「今回は基板を直したけど、翌月にファンモーターが壊れた」というふうに、故障の連鎖(イタチごっこ)になるリスクがあります。

主な故障箇所修理費用の目安(技術料・出張費込)プロからのアドバイス
温度センサー類1.5万〜2万円比較的安価です。
購入7〜8年以内なら修理して延命する価値あり。
室内ファンモーター2万〜3.5万円異音がしたり回らない場合。
購入5〜6年なら修理検討。
制御基板 (室内/室外)2.5万〜5万円高額修理の入り口です。
7年以上経過しているなら、この金額を頭金にして新品を買う方が長期的にお得です。
冷媒ガス漏れ3万〜7万円漏れ箇所の特定が難しく、再発リスクも高い厄介な故障です。
基本的には買い替え推奨です。
コンプレッサー6万〜12万円即買い替えを推奨します。
修理代で普及価格帯の新品エアコンが買えてしまいます。

さらに、10〜15年前のエアコンと最新のエアコンでは、省エネ性能(APF)が大きく異なります。機種にもよりますが、最新モデルに買い替えるだけで年間数千円〜1万円以上の電気代削減になることも珍しくありません。

高額な修理代を払って古い機種を維持するより、ランニングコストの安くなる新品に投資する方が、トータルコスト(TCO)で見れば賢い選択になることが多いのです。

もし買い替えを検討される場合、少しでも安く購入できる時期やタイミングを知っておくと損をしません。
>>エアコンが安い時期はいつ?買い替えのベストタイミング

自分で掃除するDIYのリスク

市販の洗浄スプレーに大きくバツ印がついた警告画像。発火(トラッキング現象)や破損のリスクがあるため、内部掃除はプロに頼むよう促すイラスト。
エアコン洗浄スプレー使用禁止の警告

最後に、絶対にやってはいけないことについて注意喚起をさせてください。「電源が入らないのは、中の汚れが原因じゃないか?」と考え、ホームセンターなどで売っている「エアコン洗浄スプレー」を吹きかけようとする方がいらっしゃいます。これは非常に危険ですので、絶対にやめてください。

NITE(製品評価技術基盤機構)の調査によると、エアコンの誤った洗浄による火災事故が毎年発生しています。知識のない状態で洗浄液を吹きかけると、液が電装部品(スイッチ、基板、端子台)にかかり、ホコリと混ざって導電路を作る「トラッキング現象」を引き起こします。これが時間をかけて炭化し、ある日突然発火するのです。

また、樹脂部分(ファンやケーシング)に不適切な洗剤(アルコールや塩素系など)が付着すると、プラスチックが化学変化を起こしてボロボロになる「ケミカルクラック」が発生し、高速回転するファンが破損して飛び出してくる事故も報告されています。
(出典:NITE(製品評価技術基盤機構)『エアコンの内部洗浄による火災事故』

電源トラブルの原因が汚れであることは稀ですし、もし汚れが原因だとしても、それは表面的な洗浄で直るものではありません。内部の分解洗浄は、高度な技術を持ったプロの領域です。ご自身とご家族の安全を守るためにも、DIYでの深追いは禁物です。

市販の洗浄スプレーを使ってはいけない詳細な理由については、以下の記事で警鐘を鳴らしています。
>>エアコン洗浄スプレーを使ってはいけない理由と火災リスク

もし内部を綺麗にしたい場合は、無理をせずプロのクリーニング業者へ依頼しましょう。料金相場についてはこちらが参考になります。
>>エアコン掃除をダスキンなどに依頼した時の料金相場

エアコンの電源が入らない時のよくある質問

Q1. コンセントを抜いてリセットすると直ることがありますか?

A. はい、直る可能性があります。雷サージや一時的な電気ノイズにより、エアコン内部のマイコンがフリーズしている場合、コンセントを抜いて5分〜10分ほど放置(放電)してから差し直すことで、正常に復旧するケースが多くあります。

Q2. 運転ランプが点滅しているのは故障ですか?

A. 点滅はエアコンからの「エラーサイン」または「お知らせ」です。故障箇所を知らせている場合もあれば、フィルター掃除の時期を知らせているだけの場合もあります。点滅の回数やリモコンのエラーコードを確認し、取扱説明書と照らし合わせてみてください。

Q3. リモコンが壊れた場合、とりあえずエアコンを動かす方法はありますか?

A. はい、エアコン本体にある「応急運転スイッチ」を押すことで、一時的に自動運転を行うことができます。スイッチの場所は前面パネルを開けた右側や、本体下部にあることが多いです。これで動く場合は、リモコンを買い替えるだけで解決します。

Q4. 賃貸アパートのエアコンが動かない場合、修理代は自己負担ですか?

A. 最初から部屋に設置されていた設備であれば、基本的には大家さん(貸主)の負担で修理・交換となります。ただし、フィルター掃除を怠ったことによる故障など、入居者の過失がある場合は自己負担になることもあります。まずは管理会社へ連絡しましょう。

Q5. 購入から10年以上経過していますが、修理したほうがいいですか?

A. 基本的には「買い替え」を強くおすすめします。メーカーの部品保有期間(約10年)が過ぎていると修理できない可能性が高く、仮に直せても他の部品が寿命を迎えて故障が続くリスクがあるためです。省エネ性能の高い最新機種への交換が経済的です。

エアコンの電源が入らない場合の対処まとめ

1.リモコン確認、2.電気確認、3.リセット、4.応急運転、5.最終判断という、不具合発生から解決までの手順を1から5の番号で示した全体フロー図。
エアコン復旧までの5ステップロードマップ

長くなりましたが、エアコンの電源が入らないトラブルについて、初期診断から最終的な判断基準までお話ししてきました。最後に、ここまでの対応フローを整理しておきますね。

トラブル解決のフローチャート

  1. 現状確認(ユーザー診断)
    • 他の家電は使えますか?(停電チェック)
    • プラグはしっかり刺さっていますか? ホコリはありませんか?
    • ブレーカーは落ちていませんか?(トリップ状態に注意)
    • リモコンの電池は新品のアルカリ電池ですか? カメラで赤外線は見えますか?
  2. システムリセット
    • プラグを抜き、5分以上待ってから再接続してください。
  3. 切り分け(応急運転)
    • 本体の「応急運転ボタン」を押してみてください。
    • 動く → リモコン故障(リモコン買い替えで解決)。
    • 動かない → 本体故障(フェーズ4へ)。
  4. エラー解読
    • ランプの点滅回数や英数字コードを確認し、説明書や上記表と照合してください。
  5. 意思決定(修理 vs 買い替え)
    • 購入から10年未満 かつ センサー等の軽故障 → メーカー修理依頼
    • 購入から10年以上 または コンプレッサー/基板/ガス漏れの重故障 → 買い替え

エアコンは私たちの生活になくてはならないライフラインです。だからこそ、動かなくなった時の不安は大きいと思います。まずは落ち着いて、今回ご紹介した手順を一つずつ試してみてください。意外とあっさり動き出すかもしれません。

それでも解決しない時は、無理をせずプロに相談してくださいね。この記事が、皆様のエアコン復旧の一助となり、快適な空気を取り戻すきっかけになれば、家電オタクとしてこれ以上の喜びはありません。

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