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こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。
エアコンのスイッチを切ったはずなのに、いつまでもブーンと音がしていたり、ランプが点滅し続けたりして「あれ?壊れた?」と不安になった経験はありませんか。
夜中に音が気になって眠れなかったり、電気代がもったいないからとコンセントを抜いてしまったりする方も、実はとても多いんです。
でも安心してください。その「終わらない」現象、ほとんどの場合は故障ではなく、エアコンが自分自身を守るための正常な働きなんです。
今回は、現役の家電販売員でありエンジニア資格も持つ僕が、エアコンの内部クリーンが終わらない理由や、メーカーごとの時間の目安、そして正しい止め方について分かりやすく解説します。
この記事に書いてあること
- エアコンが停止後に動き続けるのは「カビ防止」のための正常な仕様
- メーカーや機種によって所要時間は80分から最大5時間と大きく異なる
- 無理にコンセントを抜くと故障の原因やカビの大量発生につながるリスクがある
- 電気代は1回あたり数円程度なので、カビ予防の保険として安上がりである
エアコンの内部クリーンが終わらない理由とメーカー別時間

「停止ボタンを押したのに、なぜ止まらないの?」という疑問の答えは、ズバリ「エアコン内部を乾燥させてカビを防いでいるから」です。ここでは、その仕組みと、メーカーごとに大きく異なる所要時間について詳しく見ていきましょう。
内部クリーンにかかる時間は何分?

一般的なエアコンの内部クリーンにかかる時間は、メーカーや機種にもよりますが、約80分〜140分(1時間半〜2時間半)程度が目安です。
「えっ、停止ボタンを押してから2時間以上も動くの!?」と驚かれるお客様も多いですが、これには技術的に避けられない理由があります。冷房や除湿運転を使った後のエアコン内部は、実はとんでもない状態になっているんです。
冷房運転中、エアコン内部の熱交換器(フィン)はキンキンに冷やされています。そこに暖かい室内の空気が触れることで、コップに水滴がつくのと同じ原理で「結露水」が大量に発生します。運転直後の内部湿度は、なんとほぼ100%。ビショビショの状態です。
この水分を放置すると、ホコリと湿気を栄養源にして、カビ(アスペルギルスやクラドスポリウムなど)が一気に繁殖してしまいます。これを防ぐために、エアコンは以下の3ステップを自動で行い、徹底的に内部を乾かそうとします。
- 送風運転(約30〜60分)
まずは風の力だけで、熱交換器の表面についた大きな水滴を吹き飛ばし、蒸発を促します。この時は室温と同じ風が出るため、「冷房を切ったのに風が出ている」と不審に思われることが多いです。 - 加熱乾燥・弱暖房運転(約10〜30分)
送風だけでは乾ききらない細かい隙間の水分を飛ばすため、一時的に暖房運転を行って内部温度を上げます。この時、部屋に暖かい風が出ることがありますが、これは故障ではなく「乾燥を加速させるための仕様」です。 - イオン放出・オゾン照射(乾燥と並行)
メーカー独自のイオン(ナノイーやプラズマクラスターなど)を充満させ、浮遊しているカビ菌や付着菌の活動を抑制します。
特に「弱暖房」の工程では、夏場に温風が出るため驚かれることがありますが、内部をサウナ状態にしてカビを死滅させる重要なプロセスです。この一連の流れを完遂させるために、どうしても1時間半〜2時間半という長い時間が必要になるのです。
「本当にこれだけの時間をかける意味があるの?」と疑問に思う方は、内部クリーンの効果について検証した以下の記事も参考にしてください。
>>エアコンの内部クリーンは意味ない?プロが教える効果的な使い方
ダイキンの水内部クリーンは長い

店頭やブログのお問い合わせで圧倒的に多いのが、ダイキンのエアコンを使っているお客様からの「全然止まらない!もう4時間も動いている!」という悲痛な叫びです。
結論から言うと、これは故障ではありません。近年のダイキン製エアコン(特に2019年以降のモデル)に搭載されている「水内部クリーン」機能は、最大で290分(約5時間)も動作し続けることがあります。
- 水内部クリーンの仕組み
- 従来の内部クリーンは「乾燥させるだけ」でしたが、水内部クリーンは「洗ってから乾かす」という進化版です。
具体的には、冷房運転で意図的に結露水を大量発生させて熱交換器の汚れを洗い流し、その後にたっぷりと時間をかけて乾燥させます。
ダイキン工業の公式サイトでも、機種ごとの目安時間が公開されています。
| 機能タイプ | 目安時間 |
| うるるとさらら(加湿機能あり) | 約240分〜290分(4〜5時間) |
| 上記以外(加湿機能なし) | 約150分〜245分(2.5〜4時間) |
| 通常の内部クリーン | 約80分〜140分 |
(出典:ダイキン工業『水内部クリーンとは?』)
5時間も動き続けると不安になる気持ちはよく分かりますが、「今、エアコンが自分でお風呂に入って体を洗っているんだな」と思って、温かく見守ってあげてください。この機能をしっかり使うことで、年間のカビ発生リスクを大幅に減らすことができます。
パナソニックや日立等の挙動比較

「終わらない」と感じる原因や音の特徴は、メーカーごとに少しずつ違います。それぞれの「癖」を知っておくと、余計な不安を感じずに済みますよ。僕が店頭でよく聞く各社の特徴をまとめてみました。
パナソニック:お掃除ロボットの音が目立つ
パナソニックの「エオリア」シリーズなどは、内部クリーン(ナノイーX内部クリーン)と連動して「フィルターお掃除ロボット」が作動する設定になっていることが多いです。
内部乾燥のための静かな送風音だけでなく、フィルターのホコリをブラシで搔き取る「ウィーン」「ガタガタ」という機械音が断続的に聞こえるため、「止まらないし、なんか変な音がする」と感じやすいのが特徴です。所要時間は90〜120分程度が一般的です。
日立:氷が割れるような音がする
日立の「白くまくん」上位モデルには、「凍結洗浄」という独自の機能が搭載されています。これは熱交換器を一気に凍らせて、その霜を一気に溶かすことで汚れを洗い流す技術です。
この洗浄工程で、内部で氷が膨張したり割れたりする「パキッ」「ピキッ」「ミシミシ」という音がすることがあります。初めて聞くと「プラスチックが割れた!?」と驚きますが、これはしっかり洗浄されている証拠です。洗浄+乾燥でトータル60〜120分以上かかる場合があります。
三菱電機:比較的短めであっさり
三菱電機の「霧ヶ峰」は、他社に比べて内部クリーンの時間が比較的短め(約40分〜60分)の機種が多い印象です。ただし、「ハイブリッド運転」などの機能により、停止後に微弱な風が出続けることもあります。
工場出荷時設定では「自動内部クリーン」がオフになっている機種もあるため、「うちはすぐに止まるけど大丈夫?」と逆に心配されることもありますが、設定を確認してみると良いでしょう。
富士通ゼネラル:条件付きで作動
富士通ゼネラルの「nocria」などは、冷房や除湿運転が「10分以上(または30分以上)」続いた場合のみ、停止後に内部クリーンが作動する仕様になっていることが多いです。
そのため、「昨日は動いたのに今日は動かない」という現象が起きますが、これは運転時間が短かったためであり故障ではありません。
ランプ点滅はお手入れのサイン
「音は止まったのに、ランプだけがずっと点滅していて消えない」というケース。これは多くの場合、内部クリーン動作中ではなく「お手入れ時期のお知らせサイン」です。
エアコンは内部で運転時間をカウント積算していて、一定時間(例:1,000時間〜2,500時間など)を超えると、「そろそろフィルターやダストボックスにホコリが溜まっていますよ」とランプで教えてくれます。
注意:掃除しただけでは消えません!
このランプはセンサーで汚れを見ているのではなく、あくまで「時間」で管理されています。そのため、フィルターを綺麗に洗っても、リモコンで「リセット操作」を行わない限り、ランプは永遠に点滅し続けます。
メーカーごとの主なサインは以下の通りです。
- ダイキン:運転停止後に緑色のランプが点滅し続けるのは、ストリーマユニットやダストボックスの掃除時期です。
- シャープ:水色や青色のランプ(プラズマクラスターランプ等)が点滅するのは、積算運転時間が規定を超えたサインです。
- 東芝:クリーニングランプのゆっくりした点滅は、ダストボックスのお手入れ時期を示しています。
「故障だと思って修理を呼んだら、リセットボタンを押すだけで終わって出張費がかかった」という悲しい事例も少なくありません。まずは取扱説明書の「お手入れ」のページを見て、リセット方法を試してみてください。
もしリセット操作をしたいのに手元にリモコンが見当たらない場合は、以下の記事が役立ちます。
>>エアコンのリモコンを無くした!応急運転からスマホ代用・購入まで徹底解説
勝手に動くのは高温防止機能かも
もう一つ、「誰もいないのに勝手に動き出した!」「リモコンを触っていないのに風が出ている」という現象があります。これは、心霊現象ではなく、近年のエアコンに搭載されている「高温防止機能(みまもり機能)」が働いている可能性が高いです。
最近の夏は命に関わる暑さになるため、エアコンが停止中であっても室温を監視し、危険な温度(例:28℃や31℃以上)になると自動的に冷房運転を開始する機能が増えています。
お年寄りやペットがいるご家庭では非常に便利な機能ですが、知らずに設定されていると「勝手に動く=故障」と勘違いしてしまいがちです。不要な場合はリモコンの設定メニューから「みまもり」や「高温防止」をオフにすることができます。
エアコンの内部クリーンが終わらない時の対処法と電気代
仕組みは分かったけれど、「寝室だからうるさくて眠れない」「来客があるからどうしても今すぐ止めたい」という時もありますよね。
ここでは、機器を傷めない正しい停止方法や、気になるコストについて解説します。
内部クリーンの正しい止め方

どうしても運転を強制終了させたい時は、以下の手順で行ってください。ポイントは「2回押す」ことです。
- 1回目の停止操作:
まず、リモコンの「停止」ボタンを押します。これで冷房運転は止まりますが、自動的に内部クリーンやフィルター掃除モードに移行するため、室外機は止まっても室内機は動き続けます。 - 2回目の停止操作:
内部クリーン中に、もう一度「停止」ボタンを押します。メーカーによっては「停止」ボタンを2秒以上長押しする必要がある場合もあります。これで全ての動作が強制終了します。
ダイキンなどの場合、内部クリーンが止まっても、その後にフィルター掃除が始まってしまうことがあります。その場合は、さらにもう一度停止ボタンを押す必要があります。
絶対にやらないで!いきなりコンセントを抜く行為
「止まらないから」といって、運転中にいきなり電源プラグ(コンセント)を抜くのは絶対にNGです。
エアコンは停止プロセスの中で、冷媒ガスの流れを整えたり、各部の圧力を調整したりしています。
いきなり電源を断つと、基板がショートして故障したり、ルーバー(風向き板)が半開きのまま止まって手で戻せなくなったりします。必ずリモコンで操作し、ファンが完全に停止してからプラグを抜きましょう。
気になる電気代は1回いくら?

「2時間も動いてたら、電気代がすごいことになるんじゃ…」と心配される方も多いですが、実はそれほど高くありません。
内部クリーン1回あたりの電気代は、機種や電気料金プランにもよりますが、約1円〜5円程度です。
仮に毎日1回、30日間使ったとしても、月額で約30円〜150円程度です。缶ジュース1本分くらいのコストしかかかりません。「電気代がもったいないから」という理由でオフにするには、あまりにもリスクに対してリターンが見合わない金額です。
一方で、内部クリーンを使わずにカビを繁殖させてしまった場合、専門業者によるエアコンクリーニングを依頼する必要があります。その費用相場は以下の通りです。
| エアコンタイプ | クリーニング費用相場 |
| 通常壁掛けタイプ | 10,000円 〜 15,000円 |
| お掃除機能付きタイプ | 15,000円 〜 25,000円 |
月100円程度の電気代を節約するために内部クリーンを切って、結果として2万円のクリーニング代を支払うことになれば本末転倒ですよね。内部クリーンは、「最も安上がりなカビ保険」だと考えて、迷わずオンにしておくことを強くおすすめします。
途中で止めると臭いやカビのリスク

僕が販売員として一番お伝えしたいのがここです。内部クリーンを途中で止めることには、大きなリスクがあります。
先ほどお話しした通り、冷房後のエアコン内部は湿気でムンムンしています。特に内部クリーンが始まってすぐの「加熱乾燥(弱暖房)」のタイミングで電源を切ってしまうと、内部は「高温・多湿」という、カビにとって最高のサウナ状態になってしまいます。
これを毎日繰り返すと、内部のフィルターやファンに黒カビが爆発的に増殖します。久しぶりにエアコンをつけた時に「酸っぱい臭い」や「雑巾のような臭い」がしたら、それはカビの胞子が部屋中に撒き散らされている証拠かもしれません。
もしすでにエアコンから異臭がする場合は、以下の記事で原因と対策を確認してみてください。
>>エアコンから急に酸っぱい臭いが!原因と対策をプロが徹底解説
音がうるさい時の設定変更
とはいえ、寝室などで「ブーン」という音が気になって眠れないのは辛いですよね。睡眠不足になってしまっては元も子もありません。そんな時は、設定を工夫して「音」と付き合っていきましょう。
- 開始時間をずらす
多くの機種には「タイマー設定」があります。お出かけの時間帯に内部クリーンが作動するように設定しておけば、音を気にせずに済みます。 - 静音モードを使う
一部の機種では、乾燥時間は延びますがファンの回転数を落として静かに行うモードがあります。取扱説明書を確認してみてください。 - 翌朝に手動で行う
夜間はどうしても切りたい場合、翌朝や昼間の外出時に手動で「送風」や「内部クリーン」ボタンを押して乾燥させるのも一つの手です。重要なのは「濡れたまま放置しないこと」なので、タイミングをずらしても効果はあります。
完全に機能をオフにしてしまうのではなく、「いつやるか」を生活リズムに合わせて調整するのが賢い付き合い方です。
故障かなと思った時の確認事項
最後に、本当に故障かもしれない場合のサインをお伝えします。以下の症状がある場合は、正常な動作ではない可能性が高いため、メーカーの修理窓口に相談してください。
- 異音が異常に大きい
「カラカラ(何かが当たっている音)」「キュルキュル(ベルト鳴きのような音)」が長時間続く場合は、ファンモーターや軸受の摩耗、またはお掃除ユニットの故障が疑われる。 - エラーコードが出ている
ランプの点滅回数が規則的(例:5回点滅して休む、の繰り返し)であったり、リモコンに「H〇〇」「U〇〇」などの英数字が表示されている場合は、エラーコードです。 - 冷風が出ない
内部クリーン終了後に再度冷房をつけても、ただの送風にしかならない場合は、ガス漏れやコンプレッサーの故障の可能性があります。
エアコンの内部クリーンに関するよくある質問
Q1. 内部クリーンは毎回行う必要がありますか?
A. はい、冷房や除湿運転を使った後は毎回行うことを強くおすすめします。内部が濡れたまま放置されると数時間でカビが増殖し始めるためです。基本的には「自動設定」にしておき、毎回作動するようにしておきましょう。
Q2. 内部クリーン中に部屋が暑くなったり湿度が上がったりするのはなぜですか?
A. 内部をしっかり乾燥させるために「弱暖房」を行ったり、内部の水分を風で飛ばしたりするためです。これはエアコン内部の熱や湿気を外(室内)に出している証拠であり、正常な動作です。気になる場合は換気を行ってください。
Q3. 内部クリーンをすれば、エアコン掃除(クリーニング)は不要ですか?
A. いいえ、不要にはなりません。内部クリーンはあくまで「カビの予防」機能であり、すでに付着してしまったカビやホコリを取り除くことはできません。定期的なフィルター掃除と、数年に一度の業者による分解洗浄は必要です。
Q4. 内部クリーン運転中に酸っぱい臭いがするのですが故障ですか?
A. 故障ではありませんが、エアコン内部ですでにカビや汚れが増殖している可能性があります。乾燥運転によって、内部の汚れの成分が風に乗って出てきている状態です。あまりに臭いが強い場合は、専門業者によるクリーニングを検討してください。
Q5. 「内部クリーン」と「フィルター自動お掃除」は何が違うのですか?
A. 目的と場所が違います。「内部クリーン」は熱交換器(アルミフィン)を乾燥させてカビを防ぐ機能です。「フィルター自動お掃除」は、網目状のフィルターについたホコリをブラシで取り除く機能です。多くの機種では、これらが連動して行われます。
エアコンの内部クリーンが終わらない疑問の総括

「エアコン 内部クリーン 終わらない」と検索されたあなたの不安は解消されましたでしょうか。
あの長い運転時間は、エアコンがあなたのお部屋の空気をきれいに保つために一生懸命働いている証拠です。故障ではありませんし、電気代もごくわずかです。
途中で止めたくなる気持ちも分かりますが、カビだらけのエアコンからの風を吸い込むリスクを考えれば、最後まで運転させてあげるのが一番の正解です。ぜひ、エアコンを信じて任せてあげてくださいね。
この記事の情報は一般的なエアコンの仕様に基づいています。機種ごとの正確な操作方法やリセット手順については、必ずお手元の取扱説明書をご確認いただくか、メーカー公式サイトをご参照ください。
