洗濯機が回らないが脱水はできる原因は?修理方法と対処法を解説

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洗濯機が回らないが脱水はできる原因は?修理方法と対処法を解説

こんにちは。家電ジャーナルの鈴木です。

毎日の家事に欠かせない洗濯機。スイッチを入れて「さあ、洗濯スタート!」と思った矢先、水は溜まるのに肝心の洗濯機が回らない…そんな経験はありませんか?

しかも、不思議なことに「洗い」や「すすぎ」の工程ではピクリとも動かないのに、「脱水」だけはなぜか正常に高速回転して完了してしまう。これ、「えっ、これって故障なの?それとも寿命?」と、かなり困惑してしまいますよね。

実はこの「洗濯機は回らないけど脱水はできる」という現象、僕のところにも相談が寄せられることが非常に多い、ある意味で「洗濯機の故障あるある」の一つなんです。

モーター音はするが回らない状態だったり、「ブーン」という唸り音だけが響いていたり、あるいはビートウォッシュなどの特定の機種でパルセーターが外れないトラブルと併発していたりと、細かい状況は様々です。

この症状に直面した時、一番悩むのが「修理に出すべきか、自分で直せるのか、それとも買い替えるべきか」という点だと思います。原因がわからないと、高額な修理代を想像して不安ばかりが募ってしまいますよね。

僕も以前、実家の洗濯機で同じような症状が出て焦った経験があるのですが、実はこれ、洗濯機全体が壊れているわけではなく、たった一つの小さな部品が原因であるケースも多いんですよ。

この記事では、そんな不可解なトラブルの原因を突き止め、最適な解決策を見つけるための情報を徹底的に解説します。

この記事に書いてあること

  1. 洗濯(洗い)だけができず脱水は可能な場合の主な原因と、機械的なメカニズム
  2. パルセーターの軸摩耗やVベルトの不具合など、具体的な故障箇所のセルフチェック方法
  3. 業者に頼らず自分で部品交換や修理を行うための、プロ直伝の手順と注意点
  4. 修理費用が高額になるケースと、使用年数から考える買い替えを検討すべきタイミング

洗濯機が回らないが脱水はできる原因とは

洗濯機の前で首をかしげて困惑している日本人女性の様子
洗濯機が回らないのに脱水だけできる現象は、多くのユーザーを悩ませる「故障あるある」です。

「洗い」の時はうんともすんとも言わないのに、「脱水」になると何事もなかったかのように高速回転する。

一見すると矛盾しているような現象ですが、実は洗濯機の構造と、それぞれの工程で求められる「力(トルク)」の違いを知ると、「なるほど」と納得できる理由があります。

ここでは、なぜそんな不思議な動きになるのか、そのメカニズムと主な原因を深掘りして解説していきます。

モーター音はするが回らない時の対処法

洗濯機からモーター音はするが回らない場合の緊急時初期対応の3ステップ図解。STEP1: 一時停止し電源を切る、STEP2: 電源プラグを抜く、STEP3: 排水し点検の準備をする手順がイラストで示されている。
モーター音だけで回らない時の緊急対応3ステップ

スイッチを入れて給水が規定量まで終わり、いざ洗濯(撹拌)が始まるタイミング。

ここで「ブーン」というモーターが頑張っているような音だけが虚しく響いているのに、洗濯槽の中を覗くと水面は静まり返り、パルセーター(底にある回転羽根)は全く動いていない。この症状に遭遇すると、誰でも「モーターが焼き付いたか!?」と焦ってしまいます。

しかし、実はこれ、モーター自体は元気に回ろうとしている(生きている)証拠であることが多いんです。音はしているわけですから、電気は来ていますし、モーターは回転しようと必死に力を出しています。

でも、その力が洗濯槽の中にあるパルセーターまで届いていない。つまり、モーターからパルセーターに至るまでの「動力の伝達ルート」のどこかで、物理的な断絶が起きている状態と言えます。

洗濯機は基本的に「洗い」と「脱水」で、力の伝え方を「クラッチ」という機構を使って切り替えています。洗いの時は洗濯槽をブレーキで固定してパルセーターだけを回し、脱水の時はブレーキを解除して槽とパルセーターを直結して回します。

「脱水ができる」ということは、モーターの主要機能や軸受(ベアリング)、そして排水システムといった心臓部は正常に機能している可能性が高いのです。

もしこの症状が出たら、まずはモーターへの過度な負担を防ぐため、以下の手順で安全を確保してください。

緊急時の初期対応

  1. すぐに「一時停止」ボタンを押し、電源を切ります。
  2. 念のため電源プラグをコンセントから抜きます。(誤作動防止のため)
  3. 水が入ったままだと点検しにくいですが、まずはそのまま、あるいは「脱水」のみを行って排水してから、次のステップである異音の確認や手動チェックに進みましょう。

ブーンという異音だけが聞こえる場合

洗濯機から「ブーン」という異音(拘束音)が聞こえる原因とメカニズムの図解。左側は始動コンデンサの不具合による電気的な原因、右側は異物の噛み込みによる物理的な原因を示している。
「ブーン」音の原因は主に2つ

先ほど触れた「ブーン」という音について、もう少し詳しく掘り下げてみましょう。

この音は、専門的には「拘束音」や「ハム音」と呼ばれるもので、モーターに電圧がかかっているにもかかわらず、何らかの理由で回転軸がロックされ、回ることができない時に発せられる悲鳴のような音です。

このケースで考えられる原因の一つに、始動コンデンサ(キャパシタ)の容量抜けがあります。昔ながらの非インバーター式洗濯機(ACモーター搭載機)によくあるのですが、コンデンサはモーターが停止状態から重たい水と洗濯物を動かすために必要な、最初の強力な一押し(始動トルク)を生み出すための部品です。

これが経年劣化で弱ってしまうと、負荷の大きい「洗い」の初動でつまづいてしまい、回れなくなるのです。一方で、脱水時は最初に水がない状態で回り始めるため、負荷が軽く、弱ったコンデンサでもなんとか始動できてしまうことがあります。

また、もし「ブーン」という音に混じって、「ガリガリ」「キーキー」「ガッ」といった金属的な異音が聞こえる場合は、電気的な問題ではなく、物理的な異物の噛み込みが濃厚です。

パルセーターの裏側や、パルセーターと洗濯槽のわずかな隙間に、硬貨、ヘアピン、ブラジャーのワイヤー、小石などが挟まっていませんか?これらがストッパーとなり、強力なブレーキとなって回転を阻止しているのです。

異物が挟まっている状態で無理に運転を続けると、モーターに過電流が流れて故障したり、異物が洗濯槽を削って穴を開け、深刻な水漏れ事故につながる恐れがあります。異変を感じたら直ちに運転を中止し、異物の除去を試みてください。

ちなみに、脱水時にガタガタと激しい音がする場合は、また別の原因が考えられます。異音に関するトラブルについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
>>洗濯機脱水時のガタガタの直し方|原因と自分でできる対処法

パルセーターの空転や軸摩耗の症状

パルセーターの軸摩耗(セレーションの舐め)のメカニズムと、手で回して確認するセルフチェック方法を図解したイラスト。左側は正常な噛み合わせと摩耗して空転する状態の比較、右側は電源オフ時に手で回した際の抵抗感による正常・異常の見分け方を示している。
パルセーター軸の摩耗メカニズムとセルフチェック方法

この「回らないけど脱水はできる」という現象において、僕が経験上最も疑うべきだと思う原因、それがパルセーターの軸摩耗(セレーションの舐め)です。統計的にも、このトラブルが原因である確率は非常に高いです。

構造を説明すると、洗濯機の底にあるパルセーターの中心には、モーターからの回転軸を受け止めるための穴があり、そこには細かいギザギザ(セレーションまたはスプライン)が刻まれています。問題なのは材質の違いです。

モーター側の軸は強固な「金属」であるのに対し、パルセーター側の受け口は多くの場合「樹脂(プラスチック)」の中に金属スリーブが埋め込まれているか、あるいは樹脂そのもので受けている構造になっています。

長年の使用による衝撃や、洗濯物の詰め込みすぎによる過負荷が繰り返されると、この樹脂側のギザギザが金属軸に負けて徐々に削れていきます。最終的にはギザギザが完全に削り取られてツルツルの円形になってしまい、モーター軸が内部で虚しく空回りする状態になります。これが「軸が舐める」という現象です。

これを確かめる方法は非常にシンプルです。

軸摩耗のセルフチェック方法

洗濯機の中に水がない状態で、電源を切ったまま、手でパルセーターを回してみてください。

  • 正常な状態: モーターと繋がっているため、ある程度の重みや抵抗感、あるいは磁石の反発力(カクカクした感じ)があります。
  • 異常な状態(軸摩耗): 何の抵抗もなく「クルクル」「スーッ」と軽く回ってしまったり、パルセーター自体がグラグラと浮くような感触があったりします。

もし手で回して抵抗がなく、空転しているようであれば、ほぼ間違いなくこの「軸の摩耗」が原因です。部品交換で直る可能性が高いので、ある意味では「ラッキー」な故障と言えるかもしれません。

ビートウォッシュ等で多い故障事例

日立の人気機種「ビートウォッシュ」や、パナソニック、東芝などの大容量縦型洗濯機でも、このトラブルは報告されています。特にビートウォッシュは洗浄力が強く、パルセーター(ビートウィング)の形状も複雑で水流が激しいため、軸にかかる負担も相応に大きくなります。

では、なぜ軸が舐めて空転しているのに「脱水はできる」のでしょうか?

それは、脱水時の駆動メカニズムが「洗い」とは全く異なるからです。洗いの時は「洗濯槽を固定してパルセーターだけを回す」ため、パルセーターと軸の噛み合わせが命綱です。

しかし脱水時は、「洗濯槽とパルセーターをロックして一体化させ、全体を高速回転させる」という仕組みになっています。

つまり、脱水時は遠心力が主役であり、パルセーター単体を回すトルクはそれほど重要ではありません。洗濯槽全体が回り始めれば、中に張り付いた洗濯物や摩擦力によってパルセーターも一緒に連れ回されるため、外見上は正常に脱水できているように見えるのです。これが「脱水だけできる」パラドックスの正体です。

ただし、機種によってはフタのロックスイッチ(マグネットスイッチ等)や水位センサーの不具合で、安全装置が誤作動し「洗いの時だけ回さない」という電子制御的なロックがかかっているケースもあります。しかし、先述の「手で回して抵抗がない」という物理的な症状が確認できれば、まずは機械的な摩耗を疑うのがセオリーです。

Vベルトの緩みが原因で回らない場合

もしお使いの洗濯機が、最新のインバーター・ダイレクトドライブ(DD)方式ではなく、モーターと洗濯槽の軸がベルトで繋がっている「ベルト駆動方式」の機種であれば、Vベルトの劣化も有力な容疑者になります。

洗濯機の下部にあるVベルトはゴム製です。自転車のチェーンのような役割を果たしていますが、長期間使用しているとゴムが伸びて緩んだり、硬化して摩耗したりします。

特に「洗い」の工程では、停止している水とたっぷりの衣類(合わせると数十キロになります!)を、静止状態から一気に動かすために、ものすごく大きなパワー(始動トルク)が必要です。

鈴木
鈴木

ベルトが伸びて緩んでいると、この一番力が必要な瞬間にプーリー(滑車)との間でグリップを失い、「ズルッ」とスリップしてしまいます。

モーターの軸は回っているのに、ベルトが滑って洗濯槽側の軸に力が伝わらない状態なんですよね。

この場合の特徴的な症状として、運転開始時や反転時に「キュルキュル」「キュッ」という、ゴムが擦れる高い摩擦音が聞こえることが多いです。

ではなぜ脱水はできるのかというと、脱水は最初から全開で回すわけではなく、徐々に回転数を上げていく制御が行われるため、急激なトルクがかかりにくいことと、一度回り始めてしまえば遠心力による慣性が働くため、多少ベルトが滑っていても回転を維持できてしまうからです。

洗濯機が回らないけど脱水はできる時の修理方法

ドライバーを手に持ち洗濯機のDIY修理を始めようとしている日本人男性
原因が特定できれば、パルセーターの交換などは自分で行うことも可能です。

原因がある程度絞り込めたら、次はいよいよ対処法です。「洗濯機の修理なんて難しそう…」と尻込みしてしまうかもしれませんが、実は原因がパルセーターの摩耗であれば、DIYで直してしまうユーザーも非常に多いんです。

ここでは、具体的な修理の手順や、プロに頼むべきかどうかの判断基準について詳しくお話しします。

パルセーターが外れない時の外し方

固着した洗濯機のパルセーターを外すための「お湯作戦」と「フック作戦」のイメージ図解。中心にお湯をかけて汚れを溶かす手順と、S字フックを使って垂直に引き上げる様子を描写。
固着して外れないパルセーターを外す作戦

いざ自分で修理しようと決意しても、最初に立ちはだかる最大の壁、それが「パルセーターが固着して外れない」問題です。

長年の使用で蓄積した洗剤カス、皮脂汚れ、水道水のカルキ成分などが接着剤のようになってしまい、パルセーターが軸にびくともせず張り付いていることが本当によくあります。

真ん中のネジは外れたのに、パルセーター本体が持ち上がらない…。そんな時は、力任せに引っ張るのではなく、以下のテクニックを試してみてください。

方法(作戦名)具体的な手順とコツ
お湯作戦50〜60度くらいのお湯を、パルセーターの中心(軸周辺)にゆっくりかけます。
固まった洗剤カスや油分を熱で溶かして緩める方法です。数分待ってからトライしてみてください。
※熱湯は樹脂を変形させる恐れがあるので避けましょう
フック作戦パルセーターの穴(水抜き穴など)に対角線上に2箇所、太めの針金やS字フックを引っ掛けます。
両手でフックを持ち、均等に力がかかるようにして垂直に引き上げます。
揺らし作戦ただ上に引くのではなく、パルセーターの端を持って上下左右に「ガタガタ」と細かく、かつ強く揺さぶりながら引きます。
振動で固着を剥がすイメージです。お湯作戦との併用が効果的です。
隙間作戦どうしても動かない場合、マイナスドライバーをパルセーターの下に差し込んでこじる方法もありますが、洗濯槽(ステンレス槽)を傷つけたり変形させたりするリスクが高いため、最終手段として慎重に行ってください。

これらを試しても全く外れない場合、プロの修理業者は専用のプーラー工具を使ったり、最悪の場合はペンチで古いパルセーターを破壊しながら取り外したりすることもあります。

しかし、DIYで破壊除去を行うのは洗濯槽を傷つけるリスクが高すぎるため、どうしても外れない場合は無理をせず専門業者に依頼するのが賢明です。

自分で交換修理を行う手順と注意点

運良くパルセーターが外れた、あるいは軸摩耗が原因だと確定した場合、部品交換自体は非常にシンプルです。

新しいパルセーターは、メーカーの公式通販や家電量販店のパーツセンター、あるいはAmazonや楽天市場などのECサイトでも購入可能です。価格も純正品で2,000円〜5,000円程度と、修理業者を呼ぶより遥かに安く済みます。

交換作業は以下の3ステップですが、重要な注意点があります。

パルセーター交換の手順と重要ポイント

  1. 部品の確実な手配
    必ず洗濯機の「型番」で検索し、適合する純正のパルセーターを購入してください。
    「似ているから」という理由で汎用品や他機種用を選ぶと、サイズが微妙に合わず取り付けられなかったり、すぐに再故障したりします。
  2. 適切な工具の選択(超重要!)
    中心のネジを外す際、一般的な家庭にある「No.2」サイズのプラスドライバーではなく、ワンサイズ太い「No.3」サイズのドライバーが必要なケースが多々あります。
    細いドライバーで固着したネジを回そうとすると、ネジ山を一発で舐めてしまい、修理不能(ジ・エンド)になります。必ずネジ穴にぴったり合うドライバーを使ってください。
  3. 交換とワッシャーの確認
    古いパルセーターを引き抜いた後、軸側に古いワッシャー(座金)やゴムパッキンが残っていないか必ず目視確認してください。汚れに埋もれて見えにくいことがあります。
    これが残ったまま新しいパルセーター(新品にもワッシャーが付いていることが多い)を付けると、二重になって浮いてしまい、すぐにまたセレーションが削れてしまいます。

業者に頼む場合の修理代と相場

「自分でやるのは自信がない」「パルセーターは正常そうだから、ベルトやモーター、基板の故障かもしれない」という場合は、迷わずプロに頼みましょう。メーカーのサービスセンターや修理業者に依頼した場合の費用感は、概ね以下の通りです。

  • パルセーター交換: 10,000円 〜 18,000円
    (部品代は安いですが、出張費と技術料が大半を占めます)
  • Vベルト交換: 12,000円 〜 20,000円
    (ベルトの張り調整などの技術が必要です)
  • 制御基板・排水弁・モーターの交換: 20,000円 〜 50,000円
    (高額修理の部類に入ります)

特に、パナソニックの洗濯機で「H35(ベルト外れ・ロック異常)」や「H51(過負荷・モーターロック)」といったエラーコードが表示され、異物除去を行っても改善しない場合は、基板やクラッチ機構の深刻な故障である可能性が高く、修理費用も高額になりがちです。

排水弁やセンサーのエラーを確認

ここまでは機械的な故障を中心にお話ししましたが、センサーや排水弁といった電気部品の不具合で、CPUが「回さない」という判断を下しているケースもあります。

例えば、水位センサー(エアトラップ)が故障して正しい水位を検知できないと、洗濯機は「水が入っていないのに回すと危ない」と判断し、パルセーターを動かしません。また、排水弁モーターが故障している場合(東芝のエラーEb4など)、工程の切り替えがうまくいかずに停止することがあります。

最近の洗濯機は自己診断機能が優秀です。もし操作パネルに「F1」「E17」「Eb4」などの英数字が点滅していたら、それは洗濯機からのSOSサインです。

鈴木
鈴木

取扱説明書やスマホで「洗濯機 型番 エラーコード」と検索してみてください。

それだけで原因がピンポイントで特定できることも多いですよ。

洗濯機の寿命と買い替えのタイミング

長年使用された雰囲気のある洗濯機とカレンダーのある洗面所
購入から10年以上経過している場合は、修理よりも買い替えを検討する時期かもしれません。

修理をすべきか、それともこれを機に買い替えるべきか。この究極の選択を迫られた時、判断基準となるのが「使用年数」です。

内閣府の消費動向調査によると、二人以上の世帯における洗濯機の平均使用年数は約10年となっています。また、メーカーが修理のために部品を保有している期間(補修用性能部品の保有期間)は、製品の製造打ち切りから概ね6〜7年と定められています。

(出典:内閣府『消費動向調査』

これを踏まえて、僕ならこう判断します。

当サイトが推奨する判断基準

  1. 購入から6年未満:
    まだまだ現役選手です。パルセーター交換などの軽修理であれば、直して使い続ける価値は十分にあります。まずは修理見積もりを取りましょう。
  2. 7年〜9年:
    一番悩ましい時期です。部品在庫がなくなっている可能性も出てきます。修理費用が2万円を超えるようなら、省エネ性能の高い最新機種への買い替えを検討した方が、長期的なコスパは良いかもしれません。
  3. 10年以上:
    残念ながら寿命です。今回パルセーターを直しても、次は排水ホースの水漏れ、その次は基板の故障…と、「故障のドミノ倒し」が始まる可能性が高いです。修理にお金をかけるより、新しい洗濯機を迎える準備をおすすめします。

洗濯機が回らないが脱水はできる場合によくある質問Q&A

Q:ドラム式洗濯機でも「回らないが脱水はできる」現象は起きますか?

A:はい、起こり得ますが、縦型とは原因が少し異なります。ドラム式の場合、パルセーター(回転羽根)がないため「軸の舐め」は発生しませんが、Vベルトの切断や伸び、またはメインモーターの制御基板(インバーター)の不具合によって同様の現象が起きることがあります。特にベルト駆動方式のドラム式では、ベルトトラブルの可能性が高いです。

Q:パルセーターを交換しても直らない場合はどうすればいいですか?

A:新しいパルセーターに交換しても空回りする場合、受け側の「モーター軸」自体の金属が摩耗しているか、クラッチ機構(ギアケース)の内部破損、あるいはVベルトの緩みが原因である可能性が高いです。モーター軸やクラッチの交換は分解難易度が非常に高く、特殊工具も必要なため、DIYでの修理は困難です。メーカー修理を依頼するか、買い替えを検討することをおすすめします。

Q:洗濯物の入れすぎが原因で一時的に回らないだけということもありますか?

A:はい、十分にあり得ます。洗濯物の量が定格容量(例えば7kgの洗濯機に9kg詰めるなど)を超えていると、モーターの保護機能が働いて回転を停止させることがあります。一度洗濯物を半分ほど減らし、電源を入れ直して再スタートしてみてください。それでも回らない場合は、部品の故障を疑いましょう。

Q:修理か買い替えか迷っています。判断基準はありますか?

A:最も明確な基準は「使用年数7年」です。製造から7年以上経過していると、メーカーの部品保有期間が終了している可能性があり、修理したくても部品がないケースがあります。また、パルセーター交換(部品代数千円)で直るなら修理がお得ですが、見積もりが2万円を超える場合や、購入から8年以上経過している場合は、省エネ性能の高い最新機種へ買い替えた方が長期的には経済的です。

まとめ:洗濯機が回らないけど脱水はできるなら早めの対処を

「洗濯はできないけど、コインランドリーで洗って脱水だけ家でやればなんとかなるか…」
そう思って、騙し騙し使い続けてしまう気持ち、痛いほどわかります。でも、それはあまりおすすめできません。

軸の摩耗が原因の場合、使い続けることで軸自体(モーター側)を傷つけてしまい、数千円の部品交換で済むはずだった修理が、数万円のモーター交換コースになってしまうこともあります。また、異物が原因だった場合、放置すれば洗濯槽に穴が空き、階下への水漏れ事故という大惨事になりかねません。

まずは電源を抜き、洗濯機の中を空にして、パルセーターを手で回してみてください。「クルクルと抵抗なく回るか」「ガリガリと音がするか」。この確認作業はタダですし、1分で終わります。

これだけで、「自分で直せる軽傷」なのか、「プロに頼むべき重症」なのか、あるいは「買い替えが必要な寿命」なのかが見えてくるはずです。

毎日の生活を支える大切な相棒ですから、ぜひ早めにケアして、快適な洗濯ライフを取り戻してくださいね。

※本記事で紹介したDIYによる修理手法は、感電、水漏れ、怪我、および製品保証の失効といったリスクを伴います。

作業を行う際は必ず電源プラグを抜き、ご自身の責任において安全に十分配慮して実施してください。技術的に不安がある場合は、無理せずメーカーまたは専門業者へ依頼することを強く推奨します。